2008-10-29
動画をご覧ください。永久にまわり続けるこまです。
リードスイッチごま
リードスイッチを用いた、ずっと回り続けるこまです。
岐阜物理サークルでM尾先生に見せてもらい、自分でもつくってみました。
岐阜高校のM田先生(磁石を分けていただきました。ありがとうございました)によれば、オリジナルは群馬物理サークルの
石井信也さんの作品だそうです。
材料と道具
ドーナッツ形片面2極フェライト磁石(φ18mm×4mm厚)、単3形乾電池、乾電池ケース、
φ0.32mmエナメル線(150Tから200Tくらい)、プラスチックケース(φ80mmで高さ65mmのもの)、
M5×20mmのボルト(磁石と引き合うもの)、ヒノキ工作材15×9mm(5cmと6cmの長さにカット)、
チーク材(2×2×25mm、こまの軸に)、LED、ハンダごて、ハンダ、カッターナイフ、のこぎり
つくり方
2×2mmのチーク材の先端をカッターナイフで削って尖らせ、磁石中央の穴に押し込み、こまにします。軸の垂直の精度は回転の継続時間に影響します。まわしてみてあまりにぐらつくようであれば、新しい材料で作り直したほうがよいかもしれません。
エナメル線をボルトに巻き、コイルを作ります。手近にあった0.32mm径のものを4mほど、M5のボルトに巻きました。150T程度にはなっているはずです。
リードスイッチ、LED、コイル、電池ケースを回路図のとおりにハンダ付けします。
100均で購入したプラスチックケースを利用して装置を組み立てました。電池やコイルをケースに収め、その上にふたを裏返しに載せ、そこでこまをまわすようにしました。
ふたの上で、こまが安定して回るように、ふたを湯気で暖めて変形させ、時計皿のように湾曲させておきます。ふたのすぐ裏側にリードスイッチとコイルが配置されるように、ヒノキ工作材でフレームを作ります。こまはリードスイッチの上で加速されるようです。リードスイッチがふたの中央直下に来るようにすると、そこでこまがグングン加速されます。
回路について
リードスイッチとコイルと電池を直列回路でつないでいます。LEDはコイルと並列に、またはリードスイッチと並列につなぎました。LEDの向きは、電池に対して順方向のものと逆方向のもの、全部で4種類の回路で試してみました。
すべての回路でこまは加速されましたが、LEDが点灯したのはBとCの回路だけでした。
磁石について
こまに用いた磁石は
ケニスの
ドーナッツ形片面2極フェライト磁石です。この磁石は表面と裏面があるようです。白くまだらに塗装されている面を上面にしないと、こまは加速されません。実感としても、塗装されている面の方が、塗装されていない面よりも磁力が弱いようです。ということは、単純に直径方向に着磁されているわけではなさそうです。
どうなっているのでしょうか?
上の右図のように着磁されているのだとは思うのですが、どうやったら確かめられるのでしょうか?
参考サイト
- 科教協ニュースで記事を拝見ました。リードスイッチは<日米商事電子部>(外神田一丁目、3253-5018-5019)で安く入手できます。
5個で100円です。小形(長さ13mm)のものですが、効率は優れています。秋葉原駅から歩いて5分程です。LEDはコイルの両端に並列にいれますが、電磁誘導で点灯するので、電池には逆にいれます。質問がありましたら、メールを。 -- 石井信也 (2009-03-27 15:27:00)
- 石井さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
石井さんのサイトの情報を参考にさせていただきました。
科教協ニュースは村田さんが書かれたものですね。
回路については自分でいろいろ試してみた結果を岐阜物理サークルで紹介し、アドバイスをいただきました。ご親切な提案、ありがとうございます。わからないことが出てきたら、そのときには遠慮なく質問させていただきます。
よろしくお願いします。 -- yu-kubo (2009-03-27 21:30:24)
- 面白く拝見させて頂きました。
マグネットの着磁パターンは東洋磁気工業のサイト
のフィルムで見れるようです。 -- mag4422 (2010-04-01 02:14:57)
- mag4422さん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
その後、マグネットビュアーで見てみたのですが、
円盤が直径で2つに分かれているだけの状態で、
軸方向の着磁の様子を観察する方法をどうしたらいいか
思案中です(というか放ったらかしになってます)。
-- yu-kubo (2010-04-03 12:01:45)
- 磁性流体は? -- とおりすがり (2010-05-13 12:55:53)
- 始めましてこんにちわ。
あなた様の動画を拝見させて頂いて自分でも早速作ってみる事にしました。
材料を用意していちよ回路図通りに作ったつもりなんですが・・・。何故かうまく動作せず、コイルと回転するコマの位置が遠いのか?とかリードスイッチに+、-の方向があって間違っているのか?とか考えましたが、どうも・・・分からず。
リードバルブスイッチの使用をよく見てみると、長さ14mm、一般小型、ORD-228VLリードスイッチ、
仕様(最大定格)用途:一般負荷用、
開放電圧:100VAC/DC、
開閉電流:0.5A、
通電電流:1.0Aと書かれてあります。
これでいいのでしょうか?
開放電圧が100VAC/DCと書かれてあるのが・・・。自分は全然電気が分からないので・・・。自分は電気・電子にはとんとうとく、もしよかったら教えてくださいませ。ありがとうございました。 -- 知らない人 (2010-09-28 17:08:51)
- 知らない人さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
私も電気には詳しくないので、分かる範囲で。
私が使ったリードスイッチは大須のパーツショップで買った1個100円のものです。
どんな仕様のものなのか知りません。
スイッチには極性はないはず。今までそんなこと考えたことありませんでした。
私が唯一まごついたのは磁石に裏表があることに最初気がつかなかったことでした。
というわけでまるでお役に立てないようです。申し訳ない。
-- yu-kubo (2010-09-28 23:16:17)
- はじめまして.動画を拝見させていただきました.
とても素晴らしい教材になりますね!
コマの回転はモータの原理に近いと思いますし,
回路によってLEDがついたりつかなかったりするのは,
コイルの逆起電力などの理解につなげられると思いました.
ありがとうございました. -- トロン (2011-02-08 02:35:43)
- トロンさん,こんにちは。コメントありがとうございます。
回路のスイッチングにリードスイッチを用いるというアイデアは
群馬理科サークルの石井信也さんなのですが,
石井さんは元高校の物理教師なので,
教材としての意図があったのかもしれません。
私は単に面白くて作っただけなんですけどね。
-- yu-kubo (2011-02-08 07:04:35)
- 製作途中の動画も載せてください。 -- うんうん (2012-04-22 22:36:47)
- うんうんさん,コメントありがとうございます。
製作経過についてはこちら↓のページが参考になると思います。
http://www3.atwiki.jp/cloud9science/pages/187.html
-- yu_kubo (2012-04-23 10:04:04)
- 製作過程、回路図の公開ありがとうございます。教材として利用させて頂きます。
試作したところ、アルカリ電池やニッケル水素電池では電流の流れすぎで、リードスイッチが過熱して導通しっぱなしになりました。
安物の8個100円のマンガン電池が丁度良さそうです。
今のところ2時間回し続けるのが限度なのですが、もっと長時間回すには何か良い方法はあにでしょうか? -- Voyager20xx (2012-05-08 12:49:05)
- Voyager20xxさん,コメントありがとうございます。
使用する部品の微妙な違いで差が出てしまうのでしょうか。
私がこれまで作った中では特に問題はありませんでした。
長時間回すために必要なこととしてぱっと思いつくのは,
コマを回転させる皿の深さを深くすることと,
コマの軸の垂直の精度でしょうか。
-- yu-kubo (2012-05-12 07:41:32)
- Voyager20xxさん、「2時間回し続けるのが限度」について、
コマの回転数(LEDの点滅数)を測定すると、よく回るものは9,000rpmにもなりました。
2時間では10の6乗になり、リードスイッチの寿命ではないかと思われます。
ハード的なスイッチでは寿命が避けられません。検知コイルとトランジスターでスイッチ回路を作れば、
何昼夜でも回り続けます。検知コイルは1,500巻ぐらいでもトランジスター2段で十分作動します。 -- mikanohara (2013-01-16 22:07:09)
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最終更新:2013年01月16日 22:07