2007-06-02




テンセグリティ

テンセグリティ(tensegrity)とは、tensional integrity(張力の統合)という言葉からバックミンスター・フラーによって命名された構造です。ケネス・スネルソンによって考案されたということになっていますが、そのオリジナリティに関してはフラーとスネルソンの間で確執があるようです。

その基本パーツは圧縮材(例えば木の棒)と張力材(例えば輪ゴム)からなります。基本パーツを組み合わせて作るテンセグリティは不思議な構造です。下の写真は基本パーツです。直径5mm×長さ125mmのラミンの丸棒の両端に糸ノコで切れ目を入れ、輪ゴムをはめてあります。



このページの最初の写真は基本パーツ6個を用いた、正二十面体風の立体です。丸棒は他の丸棒に接触していないので、浮いているような不思議な感じがします。

下の写真は基本パーツ3個を用いた、三角柱です。これを積み上げて作ったテンセグリティ・タワーがワシントンD.C.にあるそうです(こちらはアルミパイプとステンレスワイヤーです)。



『宇宙船地球号』


今回、バックミンスター・フラーを調べていろんなことを知りました。それまで、フラーはサッカーボール型の建築物であるジオデシック・ドームを設計したこと、後に発見された炭素のサッカーボール分子であるC60はフラーの名前からフラーレン(あるいはバッキーボール)と命名されたことは知っていました。しかしフラーは建築家の枠に収まらない思想家、発明家、詩人でもあるのですね。

『宇宙船地球号(The Spaceship Earth)』という言葉もフラーの著作『宇宙船地球号操縦マニュアル』に由来します。フラーは現代の我々が、地球が何十億年もかけて蓄積した化石燃料を一瞬の間に消費しつくすことの愚かさを説きました。フラーは、時代の先を進みすぎた思想家なのかもしれませんね。


参考文献

幾何学おもちゃの世界>多面体おもちゃ>テンセグリティ
『ジオメトリック・アート』カスパー・シュワーベ他 工作舎2006
Wikipedia バックミンスター・フラー




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最終更新:2007年07月29日 21:57