鋼の錬金術師2ch@Wiki 牛語録2003

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ぱふ2003/9月号(アニメ開始ごろ)


■連載期間について
―――連載が長くなって、描きやすさなど何か変わったことは?

荒川:…特にはないですかね。私はストーリーに合わせて役者を連れてくる、みたいな感覚なので、誰は描きにくいというのはないです。
描きやすいといえば、やっぱりエドです。
目的が「元の体に戻る」ってハッキリしてるんで。絵的には筋肉少佐(笑)。ストーリーも連載当初から最後まで考えていて、変わったところもないです。

―――そこまでストーリーが決まってると、コミックスはあと何巻というのもわかってるんですか?

荒川:いや、わかんないです。でもこの前、柴田亜美先生とお話する機会があったんですが、私のまんがを読んでくださっていて「この話の第1巻を読んだときに、7年は続くと思ったわよ」と言われました(笑)
「7年ですか!?」…凄いなーと思ったけど、もしかしてそのぐらいいっちゃうかなぁ…?今、考えているエピソードを描いていくと7年くらいいきそうだから、やっぱ柴田先生ってスゲーなぁと…(笑)

―――具体的な数字ですよね「7」って。

荒川:2年やっててここまでと思うと、かなりいっちゃいそうです…。本当に必要なエピソードだけやってけばサクサク終わりますけど、やっぱりキャラひとりごとに味つけしていくと多少、長引きますよね。

■学級会軍部と番外編
―――犬を拾ってきた外伝「軍の犬?」がありましたが、あのあたりで愛される軍部という感じに…(笑)

荒川:バカ軍部。学級会軍部と呼んでるんです(笑)。今『ガンガンパワード』でやってる外伝は描いてって言われてウンウン言いながら考えてるエピソードですが、楽しんでやってます。気分転換的に。
本筋と関係ない、キャラの裏のほうを喜ばれる人もいて…ホークアイ中尉とか、大佐とか。
主人公コンビは本編で語られるからいい、脇役の過去とかを知りたいという方が。

■大きな流れは4話から
―――4話のニーナのエピソードから全体の雰囲気も変わりましたね。

荒川:大きなストーリーの流れに乗ったのが4話からだったんですよ。3話はホントに飛び込みっていうか…全く関係ない閑話みたいなものでしたが、このあと本編に絡んできます。
大きな流れは4話からです。それは最初から決めてました。

■ヒューズ死亡の反響について
―――ヒューズさんは死ぬのがわかってるキャラだから、よけい「愛される父親像」創りをしてみたとかは?

荒川:いや、特にそういうことは(笑)。やっぱり「こういうキャラだよ」ってことで役者を連れてきてるんで、そう思ってずっと描いています。

―――娘メロメロのいいパパさんが殺されちゃうというのが、読者さんの胸を打ったと思います。

荒川:HPの掲示板にバーッとすごくたくさん「死んじゃったんですか!?」って書かれて「わーゴメンナサイ!」。
ものすごく反響がありました。死んでからワッと来たんですよ。そこまで好かれてるとは思いませんでした。あんなヒゲのおじさんが…。「それならもっと早く言えよ、そしたらもっと大事にしたのに」って(笑)
いえ、(話は)変わりませんけど。

―――死なせると決めていても、実際にそのシーンを描くとどうですか?

荒川:ああ、ありますねやっぱり、もう描けないんだなぁというのが。ニーナのときもプロットはわりと普通にやってたんですけど、ネームになったら「うわ~」と思って…でも描かないとなぁ、と。

■早く描きたかったシーン
―――このシーンは早く描きたかったというのは?

荒川:過去編でお母さんを作った一連の流れは最初っからずーっと頭の中で何回も推敲してたので、あのへんのネームはサクサクッと。
あとは連載1回目から頭の中でずっと練ってるのが最終回のネームで、早く描きたいですね(笑)。描きたくないけど描きたいです。

■アメストリスのイメージ
―――この世界の地図は頭の中にはっきりありますか?

荒川:大きくわけて、セントラルと東部、西部、北部。あと国の周りに他の国があって…イメージ的にはヨーロッパです。
ヨーロッパ地方の真ん中辺りにあの国があって、隣接する国とイザコザがあって。国境線とか…要衝の取りあいとかしてて。

―――少し昔のヨーロッパの雰囲気だと思ってました、街や駅の感じが。

荒川:最初は産業革命時代のイギリスを舞台にしようかと思ったんですが、オリジナル要素を入れてくと実際の歴史とリンクさせるのは難しくなったので、ファンタジーで空想の世界に。
イメージ的には産業革命時代の工業地帯…工場がいっぱい建ってて煙が出てて、スモッグや霧が出て。
イギリスのすすけた建物…元々は白かったけどスモッグですすけた街ですかね。

―――ヨーロッパのイメージというのは自然に出てきたんですか?

荒川:数年前にヨーロッパの5ヶ国をちょろっと回ったことがあたんですよ、格安で(笑)。
そのとき隣接してる国でもすごく文化が違うんだなというのを感じて、イギリスのすすけた町並みがいいなと思った。
10年くらい前だから、変わっちゃってるかもしれないですけど。
ヨーロッパはまた行きたいですね。

■等価交換について
―――「等価交換」というのは「錬金術」からきた発想ですか?

荒川:違います、身の回りからきたものです。よくよく自分のことを考えてみても、辛いことは後から自分の肥やしになってるなとか、あそこでは時間の無駄だと思ったことも、今思えばここで役に立ってるとか…。
別に物である必要はない。目に見えない時間であったり、経験であったり、知識だったりは等価交換で存在するんだと。幅広く解釈できる言葉ですよね、
等価交換って。パチンコにもあります(笑)

―――エドたちの錬成のルールとして等価交換があるのと並行して、精神的な等価交換というものを描いているんですね?

荒川:そうですね、常にそれはあります。ただ、そのことは読者さんが気づいてなくても全然、構わないです。
こっちはその意味で描いてるけど、別にそれは意識しなくても。普通にまんがとして読めるようには描いてます。

TV BROS.平成15年12月6日号


――「錬金術師」の発想ってどこから出てきたんですか?
あと、荒川さんの描く錬金術って、普通の錬金術でやることと、かなり異なりますよね。

荒川:錬金術より先に、賢者の石を使う、というアイディアがあったんですよ。
あれ?賢者の石はどこから出てきたんだろう…。それは覚えてないんですけどね…。
まぁ、錬金術を描くのであれば、「等価交換の法則」みたいな根っ子さえ間違っていなければ、枝葉末節は気にせず、ハデにやっていこうと思ったんです。

荒川:話は変わりますが、元々メインキャラの設定は、父親と息子だったんです。
主人公である息子は18歳くらいで、機械鎧。エドの原型ですが、背は小さくはありませんでしたよ。
父親は喋るモモンガでした。
錬成の失敗でアルの魂が鎧の体に埋め込まれたように、父の魂もモモンガに乗り移ったんです。
でも、結局は少年ガンガンの読者に合わせて主人公の年齢を下げ、パートナーも父親ではなく、弟にしました。
アルが大きな鎧に入っているのは、主人公の対比として、大きいキャラを出したかったからです。

――どことなく、「ドラゴンクエスト」の影響を作品から感じるのですが。

荒川:ロールプレイング(RPG)はよくやっていましたよ。
主人公が色々な人と出会って成長し、個々のエピソードが重なり合って一つのストーリーになっていく点はRPG的要素かも。
あと、私はハリウッド映画が好きなんですよ。
多国籍的で、ラブロマンスがあって、最後にカタルシス。
こんな要素も含めているかもしれません。
なので、毎回一つ、時には二つ「一番見せたいコマ」をいれるようにしています。

――ご自身の経験と、作品の関係性は?

荒川:連載が始まる前に、リハビリセンターで警備のアルバイトをやっていましたが、そこで車の事故で足を失った人に出会いました。若さに任せて無茶した結果、足を失ったそうです。
後悔はしたものの、得たモノはあった、と言っていましたね。
その時、テーマの一つである「失ったモノの代わりに得たモノもあるはずだ」が思い浮かびました。
あと、右腕が義手の人が、義手を外して腰にぶら下げているのを見た時、エドの映像がパッと浮かびました。
機械鎧のディティールは、実家が農家なので、トラクターとかの農業機械の知識で描いています。

――アルはどんな役割を持たせていますか?

荒川:外見だけでなく、中身も兄と対比させています。
瞬間沸騰機のエドに対する、おっとりとした、冷却機のアル。
あんなにごっつい鎧から、あんな(かわいい)声が出るのが面白いんです。
連載前の予告で、少年ガンガンに二人の姿を出したんですが、「あれはゴーレム?」「ロボットものだ!」「いや、召還獣の話だ!」とか色々な噂が出ました。
それを聞いて「フフフ、騙されているな」と一人ほくそ笑みましたよ。

――アニメの話が来た時に思った事は?

荒川:連載1年目に話が来たのですが、「まだストーリーが溜まってないよ!
本気でやるのか?正気か?」という感じでしたね。
喜ぶより先に、驚きがありました。
完成された映像を見るまで、ドッキリカメラかと思ってましたよ。
アニメは色々と参考になりますね。例えば、カメラワークなんかも。
マンガでは、足元を映してから、顔の方へ上げて行く、なんてはできません。
でも、こんなことを何とか自分が描くマンガに汲み取れないかな、と日々思っています。

荒川:これから描きたいのは…一気に話しますよ!
二人が目標に向かって走りつつ、周りの抗争に巻き込まれ、敵対する人もいて、敵をやっつけ、世界平和でも、人のためでもなく自分達のために、結果として悪人と戦う。そんなお話です。楽しみにして下さいね。


付録・荒川語録
1.アニメが始まったら、やたらと親戚や友達からの電話が増えるようになりました!
2.錬金術を描く時に心がけているのは、中学生の理科のレベルに合わせることです。
3.読者がオモロイ、と思ってくれれば良いです。テーマの押し付けはしたくない。