時間犯罪


「芝村ですらもやらない悪行がある。
それは時間犯罪だ。
貴方がやっているのはそれだぞ。
…知っているかどうかは知らないが」

自己紹介


「隊長、俺が貴方の作戦参謀
芝村 英吏(しばむら えいり)です。
色々思うところはあると思いますが、どうぞ。
俺の言う事を聞いてください。
代わりに俺は、貴方に忠誠を誓い
栄光を与えます」
(偉そうだな)
「偉そうな奴が人に忠誠を誓うなどとは
言いませんよ。
貴方は言葉の端だけで全てを判定するようだ。
そっちの方が偉そうですな」
(わかった)
「誓って忠誠を捧げます。
他の誰が何と言おうと、
私は貴方の優秀な部下だ」

生き残るために


「生き残るための作戦ですが…。
とりあえず、我々の事を報道に流しましょう。
我々の行動は、美談として報じられる。
そうなれば、そう簡単には見殺しには
出来なくなる。
形だけでも支援はするでしょう。
…今はそれだけでもいい。
この忘れられた田舎の戦場を、
この国の代表的な戦いにする。
…それが我々の生き残り戦術だ」
(長距離無線は壊れていたはずでは?)/(どうやって報道に流すんだ)
英吏は、笑った。
「この町には幸い民間無線があります。
民間無線の民間周波数を使って、
平文で呼びかければいいでしょう。
無線機が壊れている以上、
軍機違反にはあたりません」


必要な処理


「必要な処理はしておきました。
ま、90%嘘ですが。
10%でも本当の部分が残っていたところを
誇るべきでしょうな」
(本当ってどこ)
「貴方の性別。
それと、逃げるか、民間人を助けるかの選択で
民間人を選んだ事。
一番重要な部分は本当ですな。
残りは、ま、これから本当に
していきましょう」
(本当にうまくいくのか?)
「やれるだけはやりました。
 それだけです。
 貴方は、助けはきっとくると
 皆に言ってください。
 ま、これはそんなに嘘じゃない。
 来なかったら死ぬだけだ。
 それ以外に道はない。
 とはいえ、それではキツ過ぎます。
 みんなの精神衛生のために、
 一部だけ話してもらいましょうか。」

補給物資投下


「来ましたな」
上を見上げれば、
航空機が補給物資を投下してきた。
そのまま飛んでいく。
「…この支援を継続的にするためにも、
貴方には軍を褒め称え、
理想の軍人として振舞ってもらう必要がある。
演じてください、理想の軍人を。
誰もが夢に見るような、そんな軍人を。
貴方が褒めれば、物資を送った奴らは
我々に政治的意味を持たせる。
そして、自分達を善意の軍人と錯覚する。
それでいい」
ハンガーに補給物資が格納されました。

怒鳴る


英吏は無線に対して怒鳴っている。
「文句はいい。
医療物資を最大限回せ。
やれといったらやれ。
俺の目に届くところで、
誰一人とて民間人に被害を出すな」
英吏は、あなたに気づいた。
「…意外ですか」
(いいこともするんだね)
「いい事じゃない、当たり前の事だ。
力を持つ人間が、自分のためだけに
力を使えばこの世は闇だ。
俺は闇は好かん。
好かんものは殺す。
それだけです」
(なんの計画だ)
「日常業務です。

宣伝しているその通りに、
我々は民間人と重傷者を守る。
ただそれだけです。

軍は弱者を守る。
それは、我々が生き残るために立てた錦の旗だ。

だが、この旗は本物だ。
俺が本物にしてやる。

この世に正義を馬鹿にする、
自称賢いとか言う糞どもを、
誓ってぎゃふんと言わせてやる。

俺は生き残るためなら何でもするが、
だからと言って嘘が好きなわけではない。

だから、これは嘘ではない。
事実の前借だ。

この旗に涙して戦う戦友達は、きっといる。
その友誼には、友誼でもって答えよう。
誰でもない、我が誇りのためにね。」


また生き延びた


「お互い、今日もまた生き延びれそうだな。
…失礼。
ぞんざいなしゃべり方でした」
(丁寧な言葉で喋るのは苦手?)
「ええ、実は苦手です。
芝村とは名ばかりの弱々しい出の割に、
悪いところだけ先祖に似たようで」
(普通にしゃべれば?)
「……そうしよう。
公式の場では気を使うから安心してくれ。
…それと、すまん。」

素直で正直


「…俺はな、他の奴よりも素直で正直だ。
好かんものは好かん。いらんものはいらん。
美しいものは美しい。欲しいものは欲しい。
他人は欺いてもいいと思うが、
己を偽ってまで生きようとは思わない。
とりあえず貰っておくかとか、
そういう卑しい考えは趣味ではない。
実際のところ、皆ほど強欲でもない。
本当に欲しいものがいくつか手に入れば、
それでいい。
それで俺は、心から満足して生きていける」

微笑んだ


あなたの顔を見て、英吏はふと微笑んだ。
自然な笑顔を見るのは初めてのような気がする。

鵺の世話

何だ?
こんな時間に厩舎に明かりがついてるぞ。
英吏は、自分の鵺をひどく可愛がっている。
鵺に話しかけ、毛並みをブラッシングし、
鵺と歌っている。
「思えばクイーン、お前を手に入れた事が
俺の始まりだった。
お前のおかげで、俺は今の地位にいる。
感謝してもしたりない」
クイーンオブハートが鳴くと、英吏は笑った。
「そうか。
俺は、仔のお前を美しいと思ったが、
まさか俺のところに来るとは思ってなかった。
そうか、一目で俺と決めたのか。
お前がそう言うのなら、俺にもいささかの
才能があるのかも知れんな」
あなたは、悪いものを見たと思いながら
離れた。

英吏と紅


一方その頃
[紅]
「……」
[英吏]
「すまんな呼び出して。
一つ提案がある。
俺のものになれ。
俺はお前のような女が好きだ。
…ま、提案というよりも、取引だが。
どうだ?
俺を好きになれとは言わん。
俺は好かれようと努力しようとも思わない。
だが俺はお前を守る事が出来る。
顔は、まあこうだがな。
決めたら、自分の思う最善の行動をしろ。
以上、終わり」

幸運の女神


「俺には今、二つ、幸運の女神がついている。
一つはクイーンオブハートだ。
あれはいい鵺だ。
俺は、アレのおかげで生き残ってきた。
もう一つは紅だ。
あの女を思い出すと、生きてやろうと思う。
後は、後は俺の愛する故郷を、大地の女神を
手に入れるだけだ。
俺は、俺が誇る故郷をこの手で作ってやる」

英吏と紅2


一方その頃
[紅]
「……」
[英吏]
「まだ、朝までは少しあるな。
……。
紅。
俺は、何とか出世の足がかりを掴んだ。
まだ小さいが、あと何回か綱渡りすれば、
そこそこまではいけるだろう」
[紅]
「……」
[英吏]
「……そんな顔をするな。
好きなドレスを、好きなだけ選んでおけ。
俺は一度、プレゼントで破産してみたいと
思っていた」

無茶な作戦


「こちら、作戦参謀。
毎度無茶な作戦で悪いが、
勝ってくれれば楽になる。
勝った時の効果は保障する。
頑張ってくれ」

質問


「何か、質問でも?」
(なぜ君が隊長をしない?)
「俺は、偉くなろうとは思っていない。
そんなものに何の価値がある。
俺は、自由になりたいだけだ。
隊長とかいう称号は、俺に自由を約束しない。
だから、いらない。
そんなものはお前にやるよ。
世間一般じゃ、価値があるそうだぞ」
(何をたくらんでるんだ君は)
「俺は何も考えていない。
未来は見えてないから面白いんだ。
決めてしまったら、面白くもなんともない。

いいんだ、失敗したら死ねばいいんだから。
大体、今の状況で何を企む必要がある。

敵が居れば、敵を殺す方法を俺は考える。
俺を邪魔する奴がいれば、
俺はそいつを排除する計画を立てる。

だが、ここは俺とお前だけだ。
お前が俺の敵でなければ、俺は何もしない。
当たり前の事だ。」

気に食わない


「この姓も名字も、名前も、俺は気に食わない。
自己保存しか考えていない軍も、
自分だけは安全と思ってるアホも、
賢い気取りの利権屋も気に食わない。
気に食わないものを殺してやると
思う事はあっても、加担するなんざ
御免こうむる。
奴らの仲間と思われるのは、反吐が出る。
俺は、そこまで悪趣味じゃない。
単に、大義名分が好きな自分が大好きなだけだ。
約束を守ろうとする俺が、誇らしいだけだ。
俺は、俺の事を俺で決める。
誰の許しもいらない。
それを邪魔する奴は、誓ってねじふせてやる。
ついでに手の届く範囲の気に食わない奴も叩き潰す。
俺が死ぬそれまでの間は、悪党共め、
一瞬たりとも心安らがせてなるものか」

次の仕掛け


「そろそろ、次の仕掛けの時間ですな。
民衆というのは飽きっぽい。
そろそろ我々を忘れてしまう頃でしょう。
ま、十分に物資はある。
俺達は、今度はもう、
情けを頂戴するだけの
哀れな敗残部隊ではない」

部隊の前身

「幸いこの部隊の前身は、
ボンクラ高校のお坊っちゃん、お嬢ちゃんの
乗馬クラブです。
今の相当、高官の息子娘がいる。
奴等の転属願いを蹴って、人質にしましょう。
なに、根は温室育ちです。
仲間意識に訴えれば思い通りになるでしょう。
あともう一つ、
ちょっとした仕掛けを作っておきます」

英吏と紅3


一方その頃 宿舎
[紅]
「……」
[英吏]
「……珍しいな。
お前の方から声をかけるなんて。
……何か、あったのか?」
[紅]
「……」
[英吏]
「……そうか。
紅……。
俺はどこか高官の子弟をたらしこむ予定だ。
ま、この顔でどこまでいけるかわからんがな。
うまくいけば、戻った後に、
少しばかり世の中の風通しを
良く出来るだろう。
故郷が欲しいと言ったな。
お前が住みやすい国を俺は贈ろう」
[紅]
「……」
[英吏]
「……。
嬉しいのか?」

生体実験


「この病院には、軍の生体実験が
行われていたという噂を流しておきました。
この実験の痕跡をなくすために、
我々は消されると、そんな内容で。
軍はすぐに否定声明を出すでしょうが、
噂ってやつは、根拠がない分いやらしい。
軍は、いよいよ我々を見捨てられなく
なるでしょうな。
我々が全滅したら、噂を肯定しかねない。
ま、所詮軍隊も税金を使う官僚組織です。
外面を整えるためなら、この小隊を
生かすくらいの事はするでしょう。
まして我々は、そこそこの人気がありますから。
…これで、運がよければ、
どこかのタイミングで我々は救出、
撤収という運びになるはずです。
よかったですな。
貴方は生きた英雄になる…」

英吏消すべき

[深澤]
「英吏さんは、やりすぎですよ。
隊長、僕は彼を消すべきだと思います。
実は計画もあるんです」

俺の言うことを聞け


「○○。
俺の言う事を聞け。
これまでのように。
そうすれば、お前を好きなように
出世させてやる。
俺の敵にはなるなよ、○○。
俺はお前と戦いたくはない。
他の誰がどう思おうと
俺は、お前の事を大事に思っている」

(PCエステル時 ○○:「紅」ではなく「ヴァラ」)

英吏と紅4

(本来はエステルのイベント)

一方その頃 テント

エステル「………。」
英吏「………。
本当に好きになれる奴を、
見つけたんだな。」
エステル「………!!」
英吏「…ふ。
まあ、それがわかるくらいには
俺達も付き合っていたという事だな。
…そうか、じゃあ行け。
幸せになれ。
………。
ああ、それと。
いつ、俺のところに帰ってきてもいい。
それは、覚えておけ。」

例の計画


[深澤]
「例の計画は次の戦闘に。
いいですね」
(分かった)
[深澤]
「良かった。
隊長ならきっと頷いてくれるって
思ってました。」

あなたが戦闘準備をしていると、
英吏が近寄ってきた。

「だから、言ったろう。
俺の言う事を聞けと。」
[PC]
「…………。」
「…馬鹿が。
お前さえ信じていれば、
俺はそれだけで良かったものを。
こちら、芝村英吏。
小隊長が戦死した。
繰り返す。
小隊長が戦死した。
新しい指揮官は…。」(PC死亡)

(いや……)
[深澤]
「なぜです!
なぜなんですか。
……隊長!?」

無邪気に笑う


英吏はふと無邪気に笑うと、手を伸ばして
あなたの額に触れた。
「……。
いや、何でもない」

独り言


独り言のように、
英吏は口を開いた。
「…まあ、
敵は幻獣で十分というところか」

脱出する方法


「今、皆揃って脱出する方法を
練っています。
宣伝は十分、人質もいる。
あと少し、ですな」

鵺を処分する


英吏は主人を失った鵺を見上げ、
その身体を抱くように触れた。

主人が居ないのは、悲しいか。

お前はよく戦った。
新しい主人を探してもいいと、俺は思う。
どうだ…?

…………………………。

…そうか。
いや、気持ちは、分かる。

お前の誇りを傷つけるつもりはなかった。
心から詫びよう。
せめて、俺にやらせてくれ。

英吏は優しく言った後、
銃を抜いて鵺を処分した。

エンディング


俺を探しだせたのは褒めてやるが、
無駄足だったな。
俺は、あの件については何も言わん。

-山岳騎兵の言葉

その日、我々の救出作戦が行われた
日だった。
我々は勝ったのだ。
恐らくは、一人の男の陰謀によって。
最後に飛び立ったヘリの中で、
英吏は笑った。
「気の抜けた顔をしないでください。
戦いは、これからです。
貴方は出世して、
世の中を変えなければならない」
(ぶんなぐる)
ドカッ。
「……。
「気に入らないですか。
……そうですか。
「……く、ククククク、あははは。
まあ、生き延びて一発食らっただけなら
安い買い物ですな。
「ああ、本当に安い買い物だった。
「この痛みはありがたく頂戴いたします。
貴方は理想の上司だった。」
(ありがとう)
「……。
いや、例には及びません。
貴方のおかげで、今の私はある。
貴方がどう思うかわからないが、
私はそう思っています。
貴方のおかげで生き延びる事が出来た。
……、あ、そうだ。
丁度いい。
これを受け取ってください。
…ええ、辞表です。
…これまでの無礼は、
これで清算させてください」
(君のコントロールでか)
「まさか。
 私は引退しますよ。
 ここからは、
 出世するのも世直しするのも貴方一人だ。
 実際のところ、戦争はこりごりだ。
 自分が軍人に向いてないと思い知りましたよ。
 これから先は、俺の好きなものを
 はべらせて、のんびりやります。」


選択肢どれでも可、英吏感情値オールピンクで追加(?)
「……。
「ついてくるか?」


芝村英吏 通常 / 提案 / 派生 / シナリオ

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最終更新:2009年02月07日 07:19