「………」
紅(ホアン)・エステル・ヴァラは、
感情のない目であなたを見た後、去っていった。


「………」
紅は、挑むような目つきであなたをにらんだ後、
携帯ラジオに耳を傾けた。


「………」
紅は、あなたを見もしないで
携帯ラジオに耳を傾けている。


「………」
紅は、あなたに目もくれず、
携帯ラジオに耳を傾けている。
切れ切れに、大陸の中国語放送が
聞こえてくる。


「………」
紅は、あなたに目もくれず、
携帯ラジオに耳を傾けている。
切れ切れに、大陸の中国語放送が
聞こえてくる。
紅は、涙を流した。


「………。
…日本語、あまり上手くないです。
だから、話しかけないで。
嫌な思いさせます…」


「………」
紅は、登岳陽楼を吟じ始めた。
「昔聞洞庭水
  (昔聞く洞庭の水を)
今上岳陽楼
  (今岳陽楼から眺める)
呉楚東南裂
  (洞庭の湖で呉楚は東南に裂け)
乾坤日夜浮
  (全てが、日夜さえもその上に浮かぶ)
親朋無一字
  (我は親類からも朋友の頼りもなく) ※原文まま
老病有孤舟
  (老病の自分にあるのは小舟のみ)
戎馬関山北
  (はるかに見える山の北の戦いを思い)
憑軒涕泗流
  (欄干に寄りかかり涙があふれる)
(李白?)
紅は、困ったような顔をしている。
どうも違ったようだ。
(分かった杜甫だ)
紅は、嬉しそうにうなずいた。
そうか、自分の気持ちを詩で表現してるんだな。


「………。
大陸……。
大陸では、まだ一部で人間が戦って…います。
同胞が、同胞がいるの……。
だから…、だから帰りたい」


「………。
故郷に、故郷に帰りたい。
たとえ幻獣だらけで、
1日と生きてられなくても…。
あそこなら、
あそこならバカにされないから」
紅は、泣き出した。


紅は、必死に携帯ラジオに耳を傾けている。
以前は大陸の中国語放送をやっていたが、
そう言えば最近聞かないな…。
「………」
紅は、泣きそうになりながら、
必死に携帯ラジオを操作している。


「………。
……帰して。
私を、帰して。お願い…。
お願い…」
紅は、あなたにすがりついて泣いた。
あなたは、何も出来ない。


「………」
紅はもう、ラジオを聴いていない。
塞ぎこんでいる。


「………」
紅は、塞ぎこんでいる。
(なぐさめる)
「………」

※三回選択?
「………」
紅は、崩れ落ちるようにして
あなたの胸で泣いた。
泣き声だけが、あたりに響いている。
そして、一日が終わった…。
(変な顔をしてみる)
紅は、さらに塞ぎこんだ。  (選択肢に戻る)


紅は、少し回復したようだ。
あなたを見て気恥ずかしそうに笑った。


「……あり……がとう……。
もっと練習して……お礼、言います」


紅は、“福”の文字が入った刺繍を作っている。
あなたを見ると、優しく笑った。


紅は、“福”の文字が入った刺繍を作っている。
あなたを見て優しく笑った後、
迷って口を開いた。
「もう少しね。
待ってね」
紅は、笑った。


紅は、“福”の文字が入った刺繍を
あなたに手渡した。
ワッペンらしい。
(ありがとう)
(さっそく肩にはりつける)
あなたが貼り付けようとすると、
紅は笑って逆さに貼るように
身振り手振りで指導した。
福の字を逆さにするといいらしい。
あなたが正しく貼り付けると、
紅は嬉しそうに笑った。


一方その頃 テント

エステル「………。」
英吏「………。
本当に好きになれる奴を、
見つけたんだな。」
エステル「………!!」
英吏「…ふ。
まあ、それがわかるくらいには
俺達も付き合っていたという事だな。
…そうか、じゃあ行け。
幸せになれ。
………。
ああ、それと。
いつ、俺のところに帰ってきてもいい。
それは、覚えておけ。」


「この戦いが終わったら…。
…故郷へ帰る……。
何年かかっても…必ず帰る…。
そして、大地を耕します。
何年かかっても」


最近の紅は、あなたに触れられるのが
好きなようだ。
気恥ずかしそうに、嬉しそうに微笑んでいる。
(※キャライベントクリア:一枚絵)


「………。
故郷に戻る時…、付いて来てと言えば……。
いえ……。
あなたには、軍は……辞めれないよ……」


紅は、押し黙っている。
そして、時々貴方を辛そうに見た。
そして何かを押し殺して、
無理やり顔をあげた。



(サブイベント)

英吏「紅の事で、何かあったのか?」
(お前の趣味はああいうのなのか)
英吏
「確かに。
外見や性格は趣味ではないな。
…だがまあ、どうしようもないだろう。
借りは返す。
それが俺のルールだ。
それに最初はともかく、今は気に入ってるぞ。
うん。
根暗で、どうかすると一日そばにいても
会話してなかった日があっても、
あれはあれでいい、かわいいと思う。
思うに男の好き嫌いというのは、所詮、
外見を気にしての話で、それを無視すれば
何だって愛せるような気がするぞ」
(いや、なんでもない)





(バルトの死(戦闘中))


バルトの死体に紅は寄りかかり、
その死を悼んでいる。

「…ヒーロー。
心のあるところにはどこにでも、
それがあると聞いた事があります。

貴方が、ヒーローのところへいけるように。」






(エンディング)
…嬉しかった、です。
ええと、私の日本語は、正確ですか。
昔の仲間に、伝えたい言葉が、あるんです。

一山岳騎兵の述懐


その日、撤退を支援するヘリの群れが来た日、
貴方はヘリの中で紅と向き合っていた。
紅が悲しそうにしているので、貴方は口を開く。

(さ、次は大陸にいくかな/ついていくから、悲しむな)
「……!」
紅は、びっくりして貴方を見つめた後、
口をわななかせた。
「本当……に?」
(うなずく/翻訳してくれよ)
紅が、泣きながら抱きついてきた。
前の方で操縦するヘリパイロットは、
こちらをちらりと見た後、親指を突きたてて、
操縦に専念した。






エステル 通常 / 提案 / 派生 / シナリオ

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最終更新:2007年05月29日 23:44