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【 棒テン理論 】 そのⅷ

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【 棒テン理論 】 そのⅷ 

 

 今回のテーマはリャンメントイツ。
 その実用性を考察してみよう。
 
 ○ -TypeD- 両塔 + 対子
 
 
 
 上のような形をリャンメントイツと言う。
 単独両塔の  と比較してみると、
 
      2種8枚  
   3種10枚   
 
 と、面子になる確率がアップする。
 実際の牌姿では、イーシャンテン付近での雀頭候補があったりすると、
 
 
 
 こういった状態では  と  のシャボ待ちも含め、聴牌にいたる枚数が4枚増える。
 この差は【 棒テン 】では大きい。
 
 この  の  を事前に切り、  の形にしておくことがある。
 いくつかの理由があるが、
 
 1. ピンフ( リャンメン待ち )確定
 2. 安全牌への持ち替え
 3.   埋め込みによる   釣り出し
 
 といったところ。
 
 1.の場合、例えば牌姿が
 
 
 
 という場合、ピンフを確定にするために  を切っておく場合がある。
 その際は   の引きが裏目になるわけだが、役なし聴牌を嫌って役をつける打ち方である。
 これはこれで間違いではないが、やはり4枚の差は大きく、最終待ちも良形が残るので【 棒テン 】では好まれない。
 
 2.は『 受け 』に近い部分だが、
 
  ツモ 
 
 と安全牌となる  をツモった。
 この際に  と入れ替えて  を手に入れておくもの。
 攻守のバランスは良いように感じるが、先制を目指す【 棒テン 】としてはヌルイ打ち方であろう。
 
 3.はやや古い打ち方で、いわゆる『 早切り 』と呼ばれるもの。
 序盤の捨て牌に   を埋め込むことで、     待ちはないな、と他家に思わせる行為である。
 簡単な『 迷彩 』の一種と思っていただいても良い。
 
 だが時代と共に捨て牌を読む傾向は減り、『 デジタルベタオリ 』が全盛となりつつある昨今ではあまり意味をなさない。
 特に初心者に向かってこのような迷彩を施すのは無意味ですらある。
 
 本来、【 棒テン 】は 先制 + ツモ和了 を目指すので、ロン和了を意図するこういった迷彩は歓迎されない。
 であれば受け入れ枚数の増える  持ちの方がはるかに重要である。
 
 というわけで、  のリャンメントイツの特長はおわかりいただけたであろうか。
 
 では状況別に詳細を考察してみよう。
 
 ○ 【 イーシャンテン 】 リャンメントイツ + リャンメントイツ + リャンメン
 
  ツモ 
 
 打牌候補 :
 
 ①  (  も同様 )
 ②  (  も同様 )
 ③  (  も同様 )
 
 聴牌にいたる枚数
 
 ①        6種20枚
 ②      4種16枚
 ③  なし 0枚
 
 よって雀頭確定の 打  ( または 打  )が良い。
 
 ここで  切り リャンメン確定を採る打ち手が多いが、それは  の面子寄与率を下げ、牌効率は悪くなる。
 良形聴牌確定のこの状態であれば、雀頭確定の  切りが良い。
 
 ○ 【 イーシャンテン 】 リャンメントイツ + リャンメントイツ + トイツ
 
  ツモ 
 
 打牌候補 :
 
 ①  (  も同様 )
 ②  (  も同様 )
 ③ 
 
 聴牌にいたる枚数
 
 ①       5種14枚
 ②        6種20枚
 ③  なし 0枚
 
 雀頭候補  があるので、リャンメン確定の 打  ( または 打  )が良い。
 先ほどの例と同じように リャンメン + リャンメントイツ + トイツ の形にすること。
 
 ○ 【 イーシャンテン 】 リャンメントイツ + リャンメントイツ + カンチャン
 
  ツモ 
 
 こうなると俄然難しくなる。まずは直接的打牌候補をみてみよう。
 
 打牌候補 :
 
 ①  (  も同様 )
 ②  (  も同様 )
 ③ 
 
 ①       5種18枚
 ②     3種12枚
 ③  なし 0枚
 
 なんだやっぱり 打  でいいじゃないかと思うなかれ。
 単に聴牌をとるだけであるなら 打  が最も広い受けである。
 しかし、最終待ちの『 良形聴牌率 』を比較すると、
 
 打  4枚/18枚 = 22.2% < 打  4枚/12枚 = 33.3%
 
 となり、打  の方に軍配が上がる。
 
 よってこういった場合は リャンメントイツ → リャンメン にしたほうが良い場合がある。
 
 と一般的に言われているがどうか。
 
 これは僕個人の意見だが、この『 良形聴牌率 』は確率の誤魔化しに思える節がある。
 かなり単純化した例なのでわかると思うが、打  であろうが 打  であろうが、最終待ちが
 リャンメンになるのは  を引いたときだけである。枚数だけを比較すればどちらも4枚で等しい。
 
 であれば ③ の 打  はどうか。
 
 これはシャンテン数を減少させない打ち方であるので、牌効率上はよろしくない打ち方であると言える。
 
 しかし、最終待ちが6割~7割の確率でカンチャン待ちになる状態を、この【 棒テン 】では是としない。
 「 カン  でも即リーチじゃん 」というご意見は今回は置いておく。
 
 打  後の変化は、
 
 牌姿 :

 
 
 ◆  を浮き牌とみて   などのくっつきを狙う。 ( 2種7枚 )
 
  ツモ 
 
 上の例題と同じ形になる。 ( 6種20枚 )
 
 ◆ また、   は 打  で好形。 ( 2種4枚 )
 
  ツモ 
 
 打 
 
 
 
        で良形聴牌( 7種22枚 )
  だと愚形だが聴牌( 1種3枚 )
 
 ◆   なら雀頭確定、浮き牌処理で    のくっつき聴牌。 ( 2種8枚 )
 
  ツモ 
 
 打  (雀頭確定)
 
 
 
    で良形聴牌( 3種11枚 )
 
 打  (面子確定)
 
 
 
    で良形聴牌( 3種9枚 )
 
 打  (浮き牌処理)
 
 
 
     で良形聴牌( 4種11枚 )
 
 ◆   なら雀頭確定、浮き牌処理の選択がある。 ( 2種8枚 )
 
  ツモ 
 
 打  (雀頭確定)
 
 
 
      で良形聴牌( 5種18枚 )
 
 打  (面子確定)
 
 
 
   で良形聴牌( 2種6枚 )
 
 打  (浮き牌処理)
 
 
 
       で良形聴牌( 6種18枚 )
 
 と、かなり広い待ち受けが可能である。 ( 計 8種27枚 良形聴牌数 最大 23種77枚 )
 フリテンになる裏目の  を『 割り切って 』良形聴牌のために採択するとなるともっと広くなる。
 
 このように、『 愚形聴牌 』と『 良形聴牌 』の違いは、シャンテン数を減少させる瞬間に判断の分かれ目がある。
 シャンテン数(この場合はイーシャンテン)を減らすか、シャンテン数を維持したまま(この場合はリャンシャンテン)、受けを広くするか。
 当然、受けを広くした場合は聴牌までのスピードは落ちる。その分、和了率は上がる。
 
 この辺りの各論は今回の『 両塔 + 対子 』という趣旨から外れるので深くは触れない。
 興味のある方は 茶さん のブログにて詳しく議論されたので参照されたし。
 僕も長々とコメントさせていただいてます。
 
 次回は【 棒テン 】最大のテーマ、『 浮き牌 』を考察してみよう。


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