日々是栄和

麻雀 Column - 7 - 上々東風

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Column - 7 -

 ネット麻雀を始めてそろそろ2年だろうか。

 ハンゲ以外のネット麻雀はセガのMJ2くらいしか打ったことはないが、その便利さにつくづく感謝である。
 昔はちょっと打ちたいと思えば雀荘に行くか、仲間うちで面子をそろえる以外になかった。
 金銭を賭けるのがある意味当然だったし、それを不便だとも思ったことはない。全自動卓なら料金を払うのは当たり前だ。

 それが自宅にいながら人間相手に麻雀が出来る時代である。ITバンザイにもなろうというもの。

 だがネット麻雀を始めた当初は戸惑うことも多かった。
 まずもって、チャットが遅い。こりゃ経験がないのだから致し方ない。
 フリー雀荘でも挨拶は基本だからそういった戸惑いはなかったが、おしゃべりをしながら打つのは今でも苦手である。
 真剣になればなるほど黙り込むのはリアルでもネットでも同じ。

 だが最初に戸惑ったのはルール的な一面である。
 それは東風戦だった。

 巷間の雀荘は東南ルールの半荘戦がほとんどで、東風戦というのはなかったように記憶している。
 一部にはあったかもしれないが、主流であったとは言えないだろう。
 ただ、ルールというものは必要に応じて生じるものであり、ゲーム代を多く取れる東風戦という形式は雀荘で歓迎されたと
 容易に想像できる。

 この東風戦の腰の落ち着かないうちに終わってしまう感覚に、最初の頃は馴染めなかった。
 いまでこそほとんど東風戦で打っているが、半荘戦と同じような感覚で打っていたためになかなか満足できる麻雀を打てなかった。

 じっくりと手役の伸びを踏まえて打つ半荘戦と違い、東風戦はスピード勝負である。
 手の遅い麻雀でも半荘なら一度くらいはチャンスが来るが、東風戦では来ないときもある。

 よって、役牌トイツを落とすよりは鳴くか雀頭にしてリーチ、という戦術が有効である、という事実に気が付いたのは、
 ハンゲ麻雀を打つようになってしばらくたってからである。

 半荘戦と東風戦の最大の違いは何であろうか。

 よく言われるのが 『 運の要素が強い 』 ということになっているがどうであろう。

 実際に運の要素が強いのであれば成績に差は出にくくなるはずである。
 しかし、強者は勝つし弱者は負ける。本来的な相違点ではない証拠である。

 先ほども書いたがスピード勝負になりやすい点を掘り下げてみよう。
 何故スピード勝負になるのか。

 単純に連荘がないとして、半荘戦では8局、東風戦は4局である。
 ということは、乱暴に言えば和了チャンスは平均2回から1回に減少する。
 もちろん半荘で1度も和了れないことや東風戦で5回も6回も和了することはざらにあるので、単に要素としての比較である。

 和了チャンスというものは自由度があるようであまりない。
 それは点数を睨んだ和了をするからだ。

 非常に大雑把に言って、同じ1度の和了であれば、低い点数の方が和了しやすく、高い打点になればなるほど和了しにくい。
 よって、点数の自由度が高い状態、つまり点数に差がない状態よりも、目標和了点数のある状態のほうが和了率は下がる。
 もちろんその偏微差は分散が大きいが、実際に和了しにくさが存在することは確かである。

 したがって、和了の自由度が最も高い開局の結果によって、その後の展開が左右されやすい。
 追いつく方は容易ではないし、逃げ切る方は意外に楽である。

 つまりは、先行したものが有利になりやすいルールである、ということだ。

 よって三副露、愚形リーチが当たり前の展開となりやすい。可能性は低くとも、和了したほうが優位に持ち込みやすいからだ。
 本来的に1000点2000点のリードがどの程度戦局に影響するのか数値として出てはいないが、因果関係を探ればそういうことであろう。
 自分のプラス点数だけでなく、相手が本来得るはずであった和了点をチャラにすることで、実質的には大きなプラスになっているのだ。
 鳴き麻雀の上手い打ち手は、その辺りの押し引きの感覚が抜群である。

 自分を振り返ってみてどうかというと、東風戦をこなすことによって開局の重要性を認識したため、スピードと打点を満たす打ち方、
 【 現代棒テン 】を探り出した。いままでは歯牙にもかけなかった棒テン即リーを選択することでようやく勝負の土俵に乗った感じである。
 そして、廻し打ちで和了を目指すのではなく、行けないと判断したときはベタオリを重要視するようになった。

 展開の面白みに欠ける麻雀ではあるが、1/3程度は逃げ切りでない展開になる。
 そういったときに手役の伸びであるとか廻し打ちによるカウンターであるとかを楽しめばよい。
 そう割り切ったあと、麻雀に磊落さが出たような気がする。スタイルや信条にこだわる打ち手も僕は好きだが、やはり麻雀の醍醐味は
 判断の細分化であるし、対応の機微であろう。

 まだまだ突き詰めるポイントが山のようにあるので、楽しみで仕方がない。
 たまに半荘戦打ちたくなるけどね。


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