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【 役作り 】 その20

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【 役作り 】 その20

ツモ   門前清自摸  【 一翻 】

  

 【 役作り 】編 第2部を開始しよう。
 今回からは何回かに分けて【 条件役 】について考察したい。
 その第1回は【 ツモ 】について。

 【 ツモ 】とは正式には【 門前清自摸 】という名称で、以下の定義である。

 ○ 門前を継続した状態( 暗槓以外の副露がない状態 )において
 ○ ツモった牌によって和了となること

 となる。

 ここで注意しなければならないのが、和了方法である【 自摸和了 】と混同しないことである。

 和了方法には2種類あり、

 ① 【 栄和了 】  ロン
 ② 【 自摸和了 】 ツモ

 なのはご存知の通り。和了する際の掛け声が違うのでこれはわかりやすいだろう。

 だが、【 自摸和了 】だからといって必ずしも【 門前清自摸 】がつくかと言えばそうではなく、きちんと役の条件を
 満たしていなければならない。

 例 :

    ツモ

 ○ 門前継続なので【 ツモ 】がつく。

   ポン   ツモ

 ○  をポンして門前が崩れているので、【 自摸和了 】ではあるが【 門前清自摸 】はつかない。

 初心者の方は注意されたし。

 では次に、【 ツモ 】のメリットをみてみよう。

 ○ 同じ手牌でも和了時に一翻増えること
 ○ 3者より点棒が入るので、収支が動きやすいこと
 ○ シャボ待ちを和了した際に、その刻子を暗刻とみなされること

 程度であろうか。3番目はオマケみたいなものであるが。
  のトイツがあって  をツモると、その  は暗刻扱いになる。
 符計算時のテンパネはもちろん、四暗刻、三暗刻といった特殊役にも影響を及ぼすので覚えておいて損はないだろう。

 ではまず1番目だが、これは【 ツモ 】も役であるので当然である。
 ただし、一翻増えるからといって得点が倍になるわけではないことに注意。
 【 自摸和了 】と【 栄和了 】では符計算が変化するので、同じ門前であれば【 栄和了 】の方が符が高い。

 例えば【 リーチ 】【 ピンフ 】は子の場合、【 栄和了 】だと2000点だが、【 自摸和了 】だと【 ツモ 】という役が
 つくにもかかわらず2700点にしかならない。

 この例外に【 チートイツ 】があり、【 チートイツ 】は【 自摸和了 】で得点が倍になる。
 【 チートイツ 】のみだと1600点だが、【 チートイツ 】【 ツモ 】は3200点になる。
 アメリカ生まれの強引な役なのである。

 2番目が【 ツモ 】の最大のメリットではないだろうか。
 【 栄和了 】では1者からしか点数が入らないが、【 自摸和了 】が当然自分以外の3者から点数を得られる。
 これにより、実際の得点よりも多い収支が得られることになる。

 例で見てみよう。

 東4局 オーラスである。現在23000点持ちの2位。トップは32000点で、9000点離れている。
 そのとき、以下の手牌で聴牌した。

 手牌 :

 

      と五面待ち。役は【 タンヤオ 】【 ドラ1 】でこのままなら2600点。
 リーチしても5200点。ウラドラが一個乗ったとしても8000点どまり。
 とても逆転には不十分である。

 だがこの手を仮にマンガンまで持っていったとしても8000点にしかならない。
 ではトップとの逆転は不可能なのであろうか。

 ところがさにあらず。
 ここはリーチして【 ツモ 】を狙う局面だ。

 リーチをかけ、【 自摸和了 】した際の得点は、

 【 リーチ 】【 タンヤオ 】【 ツモ 】【 ドラ1 】で7900点。
 目標の9000点には届かないが、3者から点数が引かれる点がポイントである。

 仮にトップが散家(子)だとして、自分が【 自摸和了 】した場合、2000点を支払わなければならない。
 すると、

 自分の得点 23000点 + 7900点 = 30900点
 トップの得点 32000点 - 2000点 = 30000点

 というわけでめでたく逆転が可能となる。

 麻雀はゼロサムゲームなので、4者の点数を合わせると必ず同じ点数になる。
 25000点持ちの場合は4者合わせて100000点だ。
 点数を得る人間がいれば必ず支払う人間がいる。最終的な収支で最も点数が多いプレイヤーが勝利する。

 よって、『 必ず相手にダメージを与える 』ことができる【 自摸和了 】を、勝利のために計算しておくことが重要である。
 これをムリにハネマンを狙ってサンショクをつけたり、ダマで直接トップから狙い撃とうとするとかえって上手くいかないことが多い。
 であれば、【 自摸和了 】を狙って、トップ以外から当たり牌が出ても見逃そう。
 どうせツモ逆転という条件なのである。ウラドラが乗っても8000点なのだから、ブレずに初志貫徹できる打ち手がより強い打ち手になっていく。

 『 ウラドラ3つ乗ってるかも 』
 『 トップが出してくれるかも 』
 『 暗刻を暗槓できてカンドラが乗るかも 』

 という期待よりは、【 自摸和了 】出来るだけの手牌構成にしていく方が、自分の雀力で出来る分、
 遥かに可能性が高いことは言うまでもない。

 現代の牌効率全盛時代の麻雀では、ベタオリプレイヤーに対する【 自摸和了 】のウェイトは非常に大きい。
 【 リーチ 】との相性が抜群なので、条件役といえど、ここぞという時には狙っていきたい役の一つである。

   

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