日々是栄和
【 役作り 】 その21
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匿名ユーザー
【 役作り 】 その21
イッパツ 一発 【 一翻 】
条件役編 第2回。
今回のお題は 【 イッパツ 】 である。
まずはその定義をみてみよう。
○ 【 リーチ 】後、一巡以内に
○ 他家の副露( ポン・チー・カン )が発生しない状況で和了すること
によって得られる条件役である。
『 一巡 』 とは、自分がリーチをかけて次にツモるまでを差す。この間に副露が発生すれば、仮にその鳴いた直後に切った
牌で和了しても【 イッパツ 】は付かない。
本来的にボーナス的な側面の強い役であるが、条件役の中では唯一、打ち手の作為が反映される役ではないかと思う。
以下に例を示そう。
例 :
ツモ
【 タンヤオ 】【 サンショク 】聴牌である。
通常は を切って聴牌を取るだろう。リーチかダマかは打ち手の個性や局面によると思う。
くっつきで変化しても面白い。
だがここで敢えて 切りでリーチとする。すると、
となり、 単騎で聴牌。
安全牌で を確保している打ち手を狙い撃ちするわけだ。
このように、枚数的な効率を度外視しながらも、わざと捨てやすい牌で待つことにより、【 イッパツ 】を引き出す打ち方がある。
特に、中途半端に【 廻し打ち 】を多用する打ち手には効果的である。
だが昨今は【 デジタルベタオリ 】全盛なので、リーチに打ち廻すよりはベタオリを選択するプレイヤーも多い。
そういった打ち手はきちんと現物牌を切ってくるのであまり効果的ではない。
20年ほど前ならば、
ツモ
といった手が聴牌すると、喜び勇んで 切りリーチとする打ち手がわんさかいたものである。
切りにより、スジの を引き出してサンショク狙いという麻雀である。
だが、時代の流れと共に、【 リーチ宣言牌または直前の28・37牌 】は危険度が高いとされ、【 イッパツ 】などでは出てこなくなった。
他に安全牌がないときは切る場合もあるが、『 スジは通る 』という誤った固定観念は払拭されつつある。
こういった俗に言う『 引っ掛け待ち 』をいまだに『 卑怯クサイ 』というヒトもいるが、はっきり言って昭和の感覚であろう。
別に卑怯でもなんでもなく、単にリャンカンが最後まで残っただけである。
特にネット麻雀では、【 スジ 】という概念を知らない打ち手も多く存在し、そういったプレイヤーに対しスジ待ちを行っても単なるカンチャン待ち
と同義でしかなく、虚しいだけである。
僕らより若干上の世代では、『 スジ待ちは出る 』 という根拠のない自信がまかり通っていた時代があり、その頃を思うと麻雀も
進化したものだなーと感慨深く思うのであるがそれはまた別の話。
さて、脱線した話を元に戻そう。
以上のように、【 イッパツ 】は打ち手の作為が反映されやすいという側面では唯一の条件役である。
他の条件役は偶然の産物でしかないが、【 イッパツ 】は多少狙える役であるわけだ。
だが作為が反映されるといっても、そこはやはりボーナス色が強いわけで、逆転を狙う際に【 イッパツ 】の一翻を計算に入れて
手作りをするのはよろしくない。
ただし以下のような状況では期待してもいいかなと思う。
オーラス 28000 3位
1位 35000 -7000
2位 30000 -2000
4位 17000 +11000
ツモ
3面待ちで【 ピンフ 】【 タンヤオ 】聴牌。僅差の状況。一人沈みである。
リーチで2600が確定。安目でも和了すれば2位に浮上する。
そして、イッパツで高目が出るかウラドラが乗れば7700でトップである。
一手でドラに振り替わる状況等でなければ、もうこれは【 イッパツ 】期待でリーチしても良いと思う。
【 ツモ 】でも 1300 2600 しかないので逆転はできない。
であれば、相手の聴牌に合わせてリーチするなどの戦術が有効といえる状況である。
ここまで【 イッパツ 】の特性をみてきたわけだが、他の役との相性をみてみると、
1. 【 リーチ 】
2. 【 ツモ 】
との相性が抜群である。
1.は【 リーチ 】後の役であるから当然であろう。
稀ではあるが【 Wリーチ 】とも複合する。局が始まって1巡で決着してしまうのであるが。
2.が非常に強力で、【 イッパツ 】【 ツモ 】で二翻増える。ハネマン、倍満もしばしばである。
俗に言う『 イッパツツモ 』というやつで、これとウラドラというルールが棒テンリーチ全盛を生んだといっても過言ではあるまい。
雀荘などでは【 イッパツ 】にご祝儀が付く場合も多く、点棒の収支だけでなくそちらも重視しなければ結局はマイナスになってしまう。
イッパツツモだと祝儀が3者から得られるわけで、狙うことも多くなるだろう。
その他、非常に稀だが【 ハイテイ 】【 ホーテイ 】、さらに珍しいところでは【 チャンカン 】とも複合可能である。
【 リンシャン 】は副露が発生する過程があるので複合しない。
こういった得点付加が大きい【 イッパツ 】は、他者にとっては脅威であり、そのため【 イッパツ 】の条件を満たさないよう工夫する。
それがいわゆる『 イッパツ消し 』というもので、【 リーチ 】がかかった直後にあまり必要性がないのにもかかわらず副露を入れるものである。
例えば以下。
例 :
リーチ
手牌 :
上家が以下の捨て牌でリーチをかけてきた。ここはもうオリである。
このとき、切られたばかりの をチーする。
副露が入るので【 イッパツ 】が消えるわけだ。
そしてゆっくりと を落としていく。途中、 を切っても現物牌である。
このように、どうせオリるならば【 イッパツ 】を消してオリた方がツモられた場合も被害が少ない。
鳴いたためにツモられた、という分もあるにはあるが、ツモられるかどうかは結局のところ不定なので、オリる際には必須といってよい。
もちろんツッパっていく手であった場合はこの限りではなく、手牌の都合に合わせて進行する。
だが、行かない手なのであれば【 イッパツ 】を消しておくのはある意味マナーでさえあると思う。
いまだに『 イッパツ消し 』を卑怯クサイを言う人もいるが気にしなくて良い。
それは単に自己中心的な麻雀しか知らない人の言であるからだ。