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&bold(){&sizex(5){[[ロマサガ3 キャラドット絵マニュアル(by 相良)>http://ll.la/hNCM]]}} ---- &bold(){&sizex(5){RS3風ドット絵作成マニュアル(by 8-691)}} #contents **<はじめに> このマニュアルは「RS3風のドット絵を描きたいが初心者なので何をすればいいのかがさっぱり分からない」という方や「作った作品に改善したい部分があるがどうすれば改善できるか分からない」という方のために具体的なドット絵の作成手順をコツを交えて具体的に解説したものです。一般的な人型キャラを作成することを念頭においています。 **<準備> 用意するもの ・ドット絵エディタ→[[EDGE>http://takabosoft.com/edge]] ・下絵となるキャラのgif(◆adlr2rIoDc氏作成テンプレ形式) #ref(http://www3.atwiki.jp/romancing/?plugin=ref&page=%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%83%BC&file=temp.gif ) ※キャラのgifの用意について。方法は以下の2つ。 (1)RS3ExTool2でsmcからgifを吸い出す。 (2)ドット職人がr3pに同梱しているgifを使う。 →すべてのキャラのgifを集めて同一フォルダに保存しておくと非常に便利です。ぜひ作成することを推奨します。 確認、参照、比較、等々が思いついたときに手軽に実行できます。 眺めているだけでも楽しいし、いろいろと気付くことがあると思います。 ※テンプレへの移植 まず、素材から欲しいポーズを含む部分を一部保存して、未使用色を削除します。(余計な色を排除) 次に、素材の移植するポーズを記憶範囲(32X32)に含めて保存し(設定でクリップボードにもコピーする)、 移植先のテンプレを開いて、一番右下の使われていない領域にクリップボードからコピーします。 すると、後は右ドラッグでテンプレの正常な位置にコピーできます。 テンプレへの移植で色化けする場合、移植前にパレットの色を交換しなければなりません。 移植元と移植先の色を左から一番目はこの色、二番目はこの色、というのをそろえなければなりません。しかしこれは正直めんどくさいです。 フリーのテンプレへのへの移植の場合、移植先のテンプレを開く時にパレットを変更せずに開くと色化けの被害が最小限で済み、便利です。 **<手順> ①下絵の決定 下絵となるキャラを決定します。下絵は必須ではありませんが、 下絵がないと動作確認が難しくなります。 色は比較的容易に改変できるので、決定のポイントは、キャラの形及びポーズです。 このとき、キャラの大きさが同じ方が作成が容易です。 前述のテンプレへの移植の方法により、複数のキャラからポーズごとに下絵をもって来る事も可能です。 ※キャラの大きさ→テンプレをEDGEで起動したときのA1の眉毛の位置で確認する。 (RS3のキャラの一部で、下絵としての汎用性の高そうなキャラを例に取ると) 10→レオニード 11→トーマス、ハリード、ブラック、フルブライト、ミカエル、少年 12→ユリアン、ティベリウス、ウンディーネ、エレン、カタリナ、ツィーリン、ミューズ 13→サラ、シャール(汗)、タチアナ、モニカ 等でしょうか。 ※簡単な色の変え方 変えたい色のセットの色数と同じ色数のグラデーションを作り、色の濃淡の順番を入れ変えずに変えると、比較的違和感無く色が変えられます。 グラデーションは、作っても他のキャラから流用しても良いです。 ※RS3にRS1、RS2のキャラを移植する場合の注意点 RS3の画像がRS2、RS1と違うはの大きさと色です。 そこで、造形についてはRS3の比率に合うように縦長に修正する必要があります。 潰れている部分の補完については小林絵の造形が参考になります。 また、選色も見直す必要があります。 RS1,2のキャラは少ないドットで特徴を際立たせるために色のセット数が多く、減らさないと浮きます。 特に大きなキャラほど面積が増えるので浮きやすいです。ご注意を。 ②選色 色を決定します。 00-0Fの16色のうち、 00は背景色、01は白(R=F7,G=F3,B=D6目、髪)、02は黒(31,30,31キャラの縁取り、影) 03は使用不可色,06,07,08は肌色と決まっているので、自由になる色は9色です。 00〜0Fという色番号はr3pを作成するときに気をつければよく、この時点では色の数以外に気にする 必要はないです。 肌の色のパターンは製品のキャラでは数パターンしかありません。真似するのが無難です 肌は毒状態により色が変更されるので、肌自体は色数を変更しない方がいいでしょう。 肌の色を服の色に流用するのも、目立たない程度なら可能です。(例、ユリアンの上着) ベースの色を服の色に流用するのも可能です。(例、ユリアンのズボン) 夢魔の催眠攻撃時に色が変わらないという制限が一応あります。気にする必要は無いと思います。 ○色の決め方のコツ ・残りの9色の決め方について。 髪の色、上着の色、シャツの色、等々、色のセットを作ります。 (例えば、ユリアンは髪の緑、上着の橙、シャツと靴の青、という3セット) 大抵は髪、服1、服2の3セットです。(ハリードやエレンは4セットあります) まず、髪のセットには3-4色使います。白以外に3色が標準だと思います。 髪の色が薄いキャラは01の白を流用できます。 髪の長いキャラは白を含めて4色以上使った方が表現が豊かになって良いと思います。 ハリードのような黒髪はベースともう一色で済ますことも出来ます。 残り(通常5-6色)は服等の色となります。 だいたい一つのセットに2-3色使います。明らかにメインの色があれば4色使います。(例、ミカエルの鎧) (なお、1色だけ目立つ色ををワンポイントで使うということも出来ます。ここではセット、と呼んでいません) 色数の決定基準は、主としてドットを使う面積です。そのセットを使う部分の面積が大きいほど多くの色数を 割り振ると、ハイライトが付けやすく、表現に深みが出しやすいので、書きやすく、仕上がりも良いです。 また、濃い色を使う場合、ハイライトが付けにくいので、色数を減らす変わりに模様を充実させる、という方法もあります。(ハリード参照)   服の色については、髪の色、ベースの色等、他の色を流用することもできます。 (髪の色を流用している例、トーマスのズボン) それぞれのセットに使う色の数が決まったら、実際に色を作ります。 基本的に同じセットの色は同じ色調で、RGB比が近似します。同じRGB比で、明暗の違う色を色数に合わせて作ります。 このとき、RGB比が近いほど、整った印象に、外れているほど雑な印象になると思います。 また、3色以上ある場合は、明暗の比率が近いほど、整った印象を与え、比率が変わっているほど、明るい色が浮く印象になる、と思います。   色が上手く作れないという方は、他のキャラ(他のゲームでも可能)から流用して、調整すると良いです。 RGBのうち二つを、値を動かさずに入れ替えてみる、という方法もあります。 ボストンは全体的赤っぽいですが、上手くRGB比を変えて描画しています。 また、色が浮く印象と01の白を利用すれば光沢が出せるかもしれません。狙ってできたら凄いと思います。   ③描画 実際絵を書いてみます。作成したいキャラの形に合わせて下絵を塗り潰していく感覚です。 キャラ毎の差が大きいですが、一般的なコツを示してみました。具体例は<セリス正面の絵>(後述)を参照してください。 また、拳の位置、靴の位置を変えると動作した時に他のグラフィックとの整合性が取れなくなるので、全部合わせて変える気がなければ変えない方がいいです。 **☆☆描画の一般的なコツ☆☆ より作りたいものに近づける、または試行錯誤の回数を減らすためのコツ。 ○色を塗るコツ 基本的には、領域に色のセットを割り当てて、ハイライトを付けていく、という方法になります。 例えば、ユリアンならば、髪の領域には緑色のセット、上着の領域には橙のセットを、ハイライトを付けながら塗っていくということになります。 その上で、模様をつけるなど、微調整を行います。(トーマスのマント、ミカエルの鎧等参照) ◎ハイライトの付け方 基本的には、手前の方が明るい色、後ろの方が暗い色になります。 また、強調したい流れがある場合、その方向にまず明るい色を打ち、その流れを崩さず流れに沿った形で、 徐々に暗い段階の色を打っていきます。裏を返せば、流れを断ち切りたい場合、別の方向に流れを持って いってみるか、流れに逆らう形で違う色調の色を打つ、ということをすると良いと思います。 流れに沿う形で目立たせたい部分がある場合、明るい色の隣に2段階以上暗い色を流れにそって打ちます。 (流れの出し方についてはモニカの髪をよく参照しましょう) ドットが正方形であるというの性質上、ドット数にもよりますが、縦横に流す方が、斜めに流すよりも強い流れになりやすいです。(流れの幅のドット数が少ないほど差異が顕著です) ○造形のコツ 基本的には、手前の方が大きく、後ろの方が小さい形になります。 前後の方向に大きな位置の違いがある場合、手前の方の外側にベースなどの暗いドットを打つと遠近感が強調されるかもしれません。 大きさの見え方は、ドット数の他、塗ってある色にも依存します。周りの色の明るさや色調と乖離しているほど目立つので、その分大きく見えます。 特にベースの隣1ドット等において、明るい色ほど大きく見えるという例が顕著です。これを応用すると、ベースのとなりで大きく見せたい部分がある場合は明るい色に変更する、それでも足りなければ1ドット最も暗い色を増やしてみましょう。小さくしたい場合は逆です。 また、領域の境界が斜めになっている部分に明るさの差異の大きい色をもってくると、とがっている感じが、差異が小さい色ををもってくると丸い感じが出せます。 この方法は、領域の境界付近でない場所ではお勧めしません。非常に効果が薄い上、明暗の比率がズレてキャラの色の印象がかわってしまうからです。   キャラの外周は基本的にベースで塗ります。キャラの一番外側の部分に縦、横、の方向に打ちます。 斜めの方向に打つ必要はありません(黒くなりすぎる)。忘れると背景と同化してしまいます。 造形の関係上、頭のてっぺんを1ドットを削ることは可能です。 また、原則どおりに打っても造形が削られすぎてイマイチという場合には、ベースの色で「遊び」ドットを1ドット余分に打って形を整えます。 ※個別グラフィックについての注意点 いろんなGIFを参照にしながらやってみてください A1(32X24),A2(24X24),A3(24X24)→正面グラフィックです。言うまでもなく重要です。 A2,A3の上部(8X24)はA1が使われます。A2とA3左右対称の部分は反転させれば済むので、実質同じグラです。 手前向きの歩行、ダッシュ時、ステータス画面等に使われます。 顔は概ね縦に3ドット分(2ドットのキャラあり)の目を中心に、下に2ドット、上に2-3ドットというのが一般的です。 A1で拳は2X2ぐらいです。篭手等を着けているともう少し大きくなるようです。 A2とA3では、前の拳と足が大きく、後ろの拳と足が小さくなります。 ダッシュ時に後ろの腕を体の外側の方へ多少ズラすとダッシュ時のグラフィックに違和感がなくなると思います。 A4(32X24),A5(24X24),A6(24X24)→横歩行グラフィック。A5が静止グラフィックで、よく使われます。 どれもやはり重要です。 A4の上部はA5,A6,A7にも使われます。拳の位置を多少動かしても問題はありませんが、足の位置を動かすのはかなり危険です。 なお、A7(24X16)攻撃時に使われます。A4から右腕を取り除いたものと考えればよいでしょう。(他にも違いはありますが、トーマスのグラ見ればわかりやすいです) B1,B2,B3→背面グラフィック。主人公にするなら重要です。他のキャラならば重要ではないと思います。 マントのあるキャラはだいぶ楽です。ちなみに、後ろ髪の印象が静止時と移動時では変わってしまう場合、色の明暗の比率を近づければ上手く作動します。 B4,B5,B6→ダッシュグラフィック。主人公では超重要ですが、メニュー画面にも使われるので、他のキャラでも手を抜けません。なお、D1とD2は上部がB6と一致するようです。(ダッシュ時のグラフィック) C1→キックポーズ。よく目にします。体術でも使われるので、キックを維持してください。 C2→パンチ。コマンド入力後のグラフィックでもあります。手を離すと武器が浮きます。 拳の位置は動かさないようにしましょう。また、体術でも使われるので、パンチを維持してください。 C3,C4→術詠唱。宿屋の就寝時に使われることがあります。 C5→術発動。アイテム装備時など結構見かけるような気がします。タイガーブレイクにも使われます。 C6→ダメージ。 C7→瀕死状態。他に着地時などにも使用されます。 D3→HP切れ状態。 ④起動確認 実際に起動して確認してみる。変な動作はないか、色が浮いていないか等です。 気に入らない点があったなら微調整することになります。 確認の方法ですが、主人公に当ててみて、動かしてみるのが一番いいです。 確認するポイントは ・フィールドにおける上下左右のダッシュ(A1,A2,A3、B1,B2,B3、B4,B5,B6) ・ニューゲームの主人公選択画面での前後歩行、左歩行(A1,A2,A3、A4,A5,A6) ・メニュー技の攻撃グラ(A5,A7,B2,A4) ・メニュー術の術詠唱グラ(C3,C4,C5) ・アイテム装備時(A4,C5) ・陣形変更時(C7等) 等です。 なお、最後は1ドット単位の調整になるかと思います。 EDGEのストックウインド(オプションで3倍にしたもの)と、エクスプローラーで拡大したもの双方で確認しながら1ドットずつ打っていくと良いでしょう。(プレイ環境によって見え方がどうも違うようです) どうも納得がいかないのに、色々試してみてもいい方法が分からない、という場合には画像掲示板で具体的に質問してみるといいかもしれません。 **<セリス正面についての解説> #ref(http://www3.atwiki.jp/romancing/?cmd=upload&act=open&pageid=4&file=%E3%82%BB%E3%83%AA%E3%82%B9.png) ①素材の決定 RS3踊り子の正面グラフィックです。 セリスと似たような格好には他に女兵士もいますが、より作ってみたい踊り子の方を選びました。 ②色の決定 RS3とFF6は色数も大きさも違うので、色の選び方も考えなければなりません。FF6は色数が少ないので、開いている分の色を面積が大きい部分の色を増やせば上手くいきます。 (ちなみに、RS2の最終皇帝のように、色々な系統の色を色々にちりばめているキャラは半端じゃなく難しいです。縦に長くなった部分面積が増えるのですが、そこで一色の部分の面積を増やすとすぐ浮くという理由です) マント(青系)三色、髪(黄系)三色(白を含めて四色)、服(緑系)三色にしました。 肌の色は女性の一般的な色をもってきました。黄色は素材の色を3色にしてベージュに近づけました。 緑は別の踊り子から取りました。薄い緑は派手な色ですね。マントの青は自作です。 ③セリス正面の絵の作成過程を解説してみます。 (1)髪の毛 踊り子の方は分け目が真ん中にありますが、セリスは頭の右の方にありますよね。 そのため目の上辺りをコピペで左に1ドットずつずらして整合性持たせたのが前髪です。 それと左右対称になるように後ろ髪をつけて、順次色を塗っていったのがセリスの髪になります。 FF6のセリスはグラ全体の感じから少し上から見たような印象を受けたので正面から見るとこんな感じかなあ、と想像して形を作りました。上下比が違うゲームのグラを忠実に再現しても調整しないと (ほぼ間違いなく)浮きます。 外枠を濃い目の色にして、あとはだいたい原則どおりに塗った感じです。 髪型にもよるのですが、強調したい流れを明るくする、というのは髪で顕著です。 (2)目 多くのキャラと同様3縦にドット、左目の形は女性に良く見られる形としました。 目の上から2ドット目は暗い色、3ドット目は少し薄い色というのが多いパターンです。 今回は青い目にしてみようと、印象が一番大きい変わる2ドット目を中くらいの青にしてみました。 (3)首のあたり 顔や首は大きさや色等を変えるとことごとく失敗するような気がします。 RS3風というのがあるとすれば実はこのあたりかもしれません。勿論いじりません。 (4)胸 踊り子のままではぺチャパイの様に見えるので、もうちょっと膨らましてみましょう。 胸の中心辺りに周りより1つ明るい色を置きました。また、首の二つ下の色を白から肌色に変えて、より胸の中心が手前にあるかのようなコンストラクトを付けました。 (5)足腰 服の形を整えました。手順としては、服を着せた部分はハイライトをつけただけです。 服を取った部分は、服がなければこんなであろう、という形を想定して形を作っていきます。 セリスの足は、まず形を想定して一番濃い肌色を打ちます。その後、試行錯誤により、今の形に落ち着きました。 ちょっとO脚かもしれませんが、それもあり、ということで。 この辺はほんの1ドットで大きく印象が異なってしまうので気を使いました。 (6)肩、腕 肩について。FF6のグラによると端が薄い色になっています。一応そのように塗ってみて、さらに白を混ぜることで光沢を出しました。 その後試行錯誤して今の形になりました。肩の横端の下1ドットにより、「遊び」で形を出しています。 腕はちょっとだけいじりました。 (7)マント 小さめにすることで形を付けました。最初は大きめに書いていてかっこ悪かったので、色々やってみた結果、今の形になりました。 (8)靴 足にあわせるため小さめにしました。FF6に忠実にするならもう少し大きくなります。 これで、一応正面グラが完成しました。 なお、起動時にほかのグラフィックとの整合性および色の浮き具合から色及び形を変える羽目になる可能性が高いです。 実際、正面グラだけ髪の大きさが小さく不自然だったので、少しだけドットを増やしました。 **<おわりに> いいものを作りたいならば、とにかく試行錯誤を繰り返すしかないと思います。 センスもあった方がいいでしょうが、いろいろと試しているうちに磨いていけるものだと思います。 こまめにバックアップを取って、ちょっとでも良くなったら上書きしましょう。 時間をかければかけるほど良いものができます。 結局どれだけそのキャラを作りたいかでどこまで作りこむか、いい作品が出来るかが決まると思います。 ぜひ頑張ってください。
&bold(){&sizex(5){[[ロマサガ3 キャラドット絵マニュアル(by 相良)>http://www.wikihouse.com/romasaga3/index.php?plugin=attach&pcmd=open&file=%C1%EA%CE%C9.zip&refer=%A5%A2%A5%C3%A5%D7%A5%ED%A1%BC%A5%C0]]}} ---- &bold(){&sizex(5){RS3風ドット絵作成マニュアル(by 8-691)}} #contents **<はじめに> このマニュアルは「RS3風のドット絵を描きたいが初心者なので何をすればいいのかがさっぱり分からない」という方や「作った作品に改善したい部分があるがどうすれば改善できるか分からない」という方のために具体的なドット絵の作成手順をコツを交えて具体的に解説したものです。一般的な人型キャラを作成することを念頭においています。 **<準備> 用意するもの ・ドット絵エディタ→[[EDGE>http://takabosoft.com/edge]] ・下絵となるキャラのgif(◆adlr2rIoDc氏作成テンプレ形式) #ref(http://www3.atwiki.jp/romancing/?plugin=ref&page=%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%83%BC&file=temp.gif ) ※キャラのgifの用意について。方法は以下の2つ。 (1)RS3ExTool2でsmcからgifを吸い出す。 (2)ドット職人がr3pに同梱しているgifを使う。 →すべてのキャラのgifを集めて同一フォルダに保存しておくと非常に便利です。ぜひ作成することを推奨します。 確認、参照、比較、等々が思いついたときに手軽に実行できます。 眺めているだけでも楽しいし、いろいろと気付くことがあると思います。 ※テンプレへの移植 まず、素材から欲しいポーズを含む部分を一部保存して、未使用色を削除します。(余計な色を排除) 次に、素材の移植するポーズを記憶範囲(32X32)に含めて保存し(設定でクリップボードにもコピーする)、 移植先のテンプレを開いて、一番右下の使われていない領域にクリップボードからコピーします。 すると、後は右ドラッグでテンプレの正常な位置にコピーできます。 テンプレへの移植で色化けする場合、移植前にパレットの色を交換しなければなりません。 移植元と移植先の色を左から一番目はこの色、二番目はこの色、というのをそろえなければなりません。しかしこれは正直めんどくさいです。 フリーのテンプレへのへの移植の場合、移植先のテンプレを開く時にパレットを変更せずに開くと色化けの被害が最小限で済み、便利です。 **<手順> ①下絵の決定 下絵となるキャラを決定します。下絵は必須ではありませんが、 下絵がないと動作確認が難しくなります。 色は比較的容易に改変できるので、決定のポイントは、キャラの形及びポーズです。 このとき、キャラの大きさが同じ方が作成が容易です。 前述のテンプレへの移植の方法により、複数のキャラからポーズごとに下絵をもって来る事も可能です。 ※キャラの大きさ→テンプレをEDGEで起動したときのA1の眉毛の位置で確認する。 (RS3のキャラの一部で、下絵としての汎用性の高そうなキャラを例に取ると) 10→レオニード 11→トーマス、ハリード、ブラック、フルブライト、ミカエル、少年 12→ユリアン、ティベリウス、ウンディーネ、エレン、カタリナ、ツィーリン、ミューズ 13→サラ、シャール(汗)、タチアナ、モニカ 等でしょうか。 ※簡単な色の変え方 変えたい色のセットの色数と同じ色数のグラデーションを作り、色の濃淡の順番を入れ変えずに変えると、比較的違和感無く色が変えられます。 グラデーションは、作っても他のキャラから流用しても良いです。 ※RS3にRS1、RS2のキャラを移植する場合の注意点 RS3の画像がRS2、RS1と違うはの大きさと色です。 そこで、造形についてはRS3の比率に合うように縦長に修正する必要があります。 潰れている部分の補完については小林絵の造形が参考になります。 また、選色も見直す必要があります。 RS1,2のキャラは少ないドットで特徴を際立たせるために色のセット数が多く、減らさないと浮きます。 特に大きなキャラほど面積が増えるので浮きやすいです。ご注意を。 ②選色 色を決定します。 00-0Fの16色のうち、 00は背景色、01は白(R=F7,G=F3,B=D6目、髪)、02は黒(31,30,31キャラの縁取り、影) 03は使用不可色,06,07,08は肌色と決まっているので、自由になる色は9色です。 00〜0Fという色番号はr3pを作成するときに気をつければよく、この時点では色の数以外に気にする 必要はないです。 肌の色のパターンは製品のキャラでは数パターンしかありません。真似するのが無難です 肌は毒状態により色が変更されるので、肌自体は色数を変更しない方がいいでしょう。 肌の色を服の色に流用するのも、目立たない程度なら可能です。(例、ユリアンの上着) ベースの色を服の色に流用するのも可能です。(例、ユリアンのズボン) 夢魔の催眠攻撃時に色が変わらないという制限が一応あります。気にする必要は無いと思います。 ○色の決め方のコツ ・残りの9色の決め方について。 髪の色、上着の色、シャツの色、等々、色のセットを作ります。 (例えば、ユリアンは髪の緑、上着の橙、シャツと靴の青、という3セット) 大抵は髪、服1、服2の3セットです。(ハリードやエレンは4セットあります) まず、髪のセットには3-4色使います。白以外に3色が標準だと思います。 髪の色が薄いキャラは01の白を流用できます。 髪の長いキャラは白を含めて4色以上使った方が表現が豊かになって良いと思います。 ハリードのような黒髪はベースともう一色で済ますことも出来ます。 残り(通常5-6色)は服等の色となります。 だいたい一つのセットに2-3色使います。明らかにメインの色があれば4色使います。(例、ミカエルの鎧) (なお、1色だけ目立つ色ををワンポイントで使うということも出来ます。ここではセット、と呼んでいません) 色数の決定基準は、主としてドットを使う面積です。そのセットを使う部分の面積が大きいほど多くの色数を 割り振ると、ハイライトが付けやすく、表現に深みが出しやすいので、書きやすく、仕上がりも良いです。 また、濃い色を使う場合、ハイライトが付けにくいので、色数を減らす変わりに模様を充実させる、という方法もあります。(ハリード参照)   服の色については、髪の色、ベースの色等、他の色を流用することもできます。 (髪の色を流用している例、トーマスのズボン) それぞれのセットに使う色の数が決まったら、実際に色を作ります。 基本的に同じセットの色は同じ色調で、RGB比が近似します。同じRGB比で、明暗の違う色を色数に合わせて作ります。 このとき、RGB比が近いほど、整った印象に、外れているほど雑な印象になると思います。 また、3色以上ある場合は、明暗の比率が近いほど、整った印象を与え、比率が変わっているほど、明るい色が浮く印象になる、と思います。   色が上手く作れないという方は、他のキャラ(他のゲームでも可能)から流用して、調整すると良いです。 RGBのうち二つを、値を動かさずに入れ替えてみる、という方法もあります。 ボストンは全体的赤っぽいですが、上手くRGB比を変えて描画しています。 また、色が浮く印象と01の白を利用すれば光沢が出せるかもしれません。狙ってできたら凄いと思います。   ③描画 実際絵を書いてみます。作成したいキャラの形に合わせて下絵を塗り潰していく感覚です。 キャラ毎の差が大きいですが、一般的なコツを示してみました。具体例は<セリス正面の絵>(後述)を参照してください。 また、拳の位置、靴の位置を変えると動作した時に他のグラフィックとの整合性が取れなくなるので、全部合わせて変える気がなければ変えない方がいいです。 **☆☆描画の一般的なコツ☆☆ より作りたいものに近づける、または試行錯誤の回数を減らすためのコツ。 ○色を塗るコツ 基本的には、領域に色のセットを割り当てて、ハイライトを付けていく、という方法になります。 例えば、ユリアンならば、髪の領域には緑色のセット、上着の領域には橙のセットを、ハイライトを付けながら塗っていくということになります。 その上で、模様をつけるなど、微調整を行います。(トーマスのマント、ミカエルの鎧等参照) ◎ハイライトの付け方 基本的には、手前の方が明るい色、後ろの方が暗い色になります。 また、強調したい流れがある場合、その方向にまず明るい色を打ち、その流れを崩さず流れに沿った形で、 徐々に暗い段階の色を打っていきます。裏を返せば、流れを断ち切りたい場合、別の方向に流れを持って いってみるか、流れに逆らう形で違う色調の色を打つ、ということをすると良いと思います。 流れに沿う形で目立たせたい部分がある場合、明るい色の隣に2段階以上暗い色を流れにそって打ちます。 (流れの出し方についてはモニカの髪をよく参照しましょう) ドットが正方形であるというの性質上、ドット数にもよりますが、縦横に流す方が、斜めに流すよりも強い流れになりやすいです。(流れの幅のドット数が少ないほど差異が顕著です) ○造形のコツ 基本的には、手前の方が大きく、後ろの方が小さい形になります。 前後の方向に大きな位置の違いがある場合、手前の方の外側にベースなどの暗いドットを打つと遠近感が強調されるかもしれません。 大きさの見え方は、ドット数の他、塗ってある色にも依存します。周りの色の明るさや色調と乖離しているほど目立つので、その分大きく見えます。 特にベースの隣1ドット等において、明るい色ほど大きく見えるという例が顕著です。これを応用すると、ベースのとなりで大きく見せたい部分がある場合は明るい色に変更する、それでも足りなければ1ドット最も暗い色を増やしてみましょう。小さくしたい場合は逆です。 また、領域の境界が斜めになっている部分に明るさの差異の大きい色をもってくると、とがっている感じが、差異が小さい色ををもってくると丸い感じが出せます。 この方法は、領域の境界付近でない場所ではお勧めしません。非常に効果が薄い上、明暗の比率がズレてキャラの色の印象がかわってしまうからです。   キャラの外周は基本的にベースで塗ります。キャラの一番外側の部分に縦、横、の方向に打ちます。 斜めの方向に打つ必要はありません(黒くなりすぎる)。忘れると背景と同化してしまいます。 造形の関係上、頭のてっぺんを1ドットを削ることは可能です。 また、原則どおりに打っても造形が削られすぎてイマイチという場合には、ベースの色で「遊び」ドットを1ドット余分に打って形を整えます。 ※個別グラフィックについての注意点 いろんなGIFを参照にしながらやってみてください A1(32X24),A2(24X24),A3(24X24)→正面グラフィックです。言うまでもなく重要です。 A2,A3の上部(8X24)はA1が使われます。A2とA3左右対称の部分は反転させれば済むので、実質同じグラです。 手前向きの歩行、ダッシュ時、ステータス画面等に使われます。 顔は概ね縦に3ドット分(2ドットのキャラあり)の目を中心に、下に2ドット、上に2-3ドットというのが一般的です。 A1で拳は2X2ぐらいです。篭手等を着けているともう少し大きくなるようです。 A2とA3では、前の拳と足が大きく、後ろの拳と足が小さくなります。 ダッシュ時に後ろの腕を体の外側の方へ多少ズラすとダッシュ時のグラフィックに違和感がなくなると思います。 A4(32X24),A5(24X24),A6(24X24)→横歩行グラフィック。A5が静止グラフィックで、よく使われます。 どれもやはり重要です。 A4の上部はA5,A6,A7にも使われます。拳の位置を多少動かしても問題はありませんが、足の位置を動かすのはかなり危険です。 なお、A7(24X16)攻撃時に使われます。A4から右腕を取り除いたものと考えればよいでしょう。(他にも違いはありますが、トーマスのグラ見ればわかりやすいです) B1,B2,B3→背面グラフィック。主人公にするなら重要です。他のキャラならば重要ではないと思います。 マントのあるキャラはだいぶ楽です。ちなみに、後ろ髪の印象が静止時と移動時では変わってしまう場合、色の明暗の比率を近づければ上手く作動します。 B4,B5,B6→ダッシュグラフィック。主人公では超重要ですが、メニュー画面にも使われるので、他のキャラでも手を抜けません。なお、D1とD2は上部がB6と一致するようです。(ダッシュ時のグラフィック) C1→キックポーズ。よく目にします。体術でも使われるので、キックを維持してください。 C2→パンチ。コマンド入力後のグラフィックでもあります。手を離すと武器が浮きます。 拳の位置は動かさないようにしましょう。また、体術でも使われるので、パンチを維持してください。 C3,C4→術詠唱。宿屋の就寝時に使われることがあります。 C5→術発動。アイテム装備時など結構見かけるような気がします。タイガーブレイクにも使われます。 C6→ダメージ。 C7→瀕死状態。他に着地時などにも使用されます。 D3→HP切れ状態。 ④起動確認 実際に起動して確認してみる。変な動作はないか、色が浮いていないか等です。 気に入らない点があったなら微調整することになります。 確認の方法ですが、主人公に当ててみて、動かしてみるのが一番いいです。 確認するポイントは ・フィールドにおける上下左右のダッシュ(A1,A2,A3、B1,B2,B3、B4,B5,B6) ・ニューゲームの主人公選択画面での前後歩行、左歩行(A1,A2,A3、A4,A5,A6) ・メニュー技の攻撃グラ(A5,A7,B2,A4) ・メニュー術の術詠唱グラ(C3,C4,C5) ・アイテム装備時(A4,C5) ・陣形変更時(C7等) 等です。 なお、最後は1ドット単位の調整になるかと思います。 EDGEのストックウインド(オプションで3倍にしたもの)と、エクスプローラーで拡大したもの双方で確認しながら1ドットずつ打っていくと良いでしょう。(プレイ環境によって見え方がどうも違うようです) どうも納得がいかないのに、色々試してみてもいい方法が分からない、という場合には画像掲示板で具体的に質問してみるといいかもしれません。 **<セリス正面についての解説> #ref(http://www3.atwiki.jp/romancing/?cmd=upload&act=open&pageid=4&file=%E3%82%BB%E3%83%AA%E3%82%B9.png) ①素材の決定 RS3踊り子の正面グラフィックです。 セリスと似たような格好には他に女兵士もいますが、より作ってみたい踊り子の方を選びました。 ②色の決定 RS3とFF6は色数も大きさも違うので、色の選び方も考えなければなりません。FF6は色数が少ないので、開いている分の色を面積が大きい部分の色を増やせば上手くいきます。 (ちなみに、RS2の最終皇帝のように、色々な系統の色を色々にちりばめているキャラは半端じゃなく難しいです。縦に長くなった部分面積が増えるのですが、そこで一色の部分の面積を増やすとすぐ浮くという理由です) マント(青系)三色、髪(黄系)三色(白を含めて四色)、服(緑系)三色にしました。 肌の色は女性の一般的な色をもってきました。黄色は素材の色を3色にしてベージュに近づけました。 緑は別の踊り子から取りました。薄い緑は派手な色ですね。マントの青は自作です。 ③セリス正面の絵の作成過程を解説してみます。 (1)髪の毛 踊り子の方は分け目が真ん中にありますが、セリスは頭の右の方にありますよね。 そのため目の上辺りをコピペで左に1ドットずつずらして整合性持たせたのが前髪です。 それと左右対称になるように後ろ髪をつけて、順次色を塗っていったのがセリスの髪になります。 FF6のセリスはグラ全体の感じから少し上から見たような印象を受けたので正面から見るとこんな感じかなあ、と想像して形を作りました。上下比が違うゲームのグラを忠実に再現しても調整しないと (ほぼ間違いなく)浮きます。 外枠を濃い目の色にして、あとはだいたい原則どおりに塗った感じです。 髪型にもよるのですが、強調したい流れを明るくする、というのは髪で顕著です。 (2)目 多くのキャラと同様3縦にドット、左目の形は女性に良く見られる形としました。 目の上から2ドット目は暗い色、3ドット目は少し薄い色というのが多いパターンです。 今回は青い目にしてみようと、印象が一番大きい変わる2ドット目を中くらいの青にしてみました。 (3)首のあたり 顔や首は大きさや色等を変えるとことごとく失敗するような気がします。 RS3風というのがあるとすれば実はこのあたりかもしれません。勿論いじりません。 (4)胸 踊り子のままではぺチャパイの様に見えるので、もうちょっと膨らましてみましょう。 胸の中心辺りに周りより1つ明るい色を置きました。また、首の二つ下の色を白から肌色に変えて、より胸の中心が手前にあるかのようなコンストラクトを付けました。 (5)足腰 服の形を整えました。手順としては、服を着せた部分はハイライトをつけただけです。 服を取った部分は、服がなければこんなであろう、という形を想定して形を作っていきます。 セリスの足は、まず形を想定して一番濃い肌色を打ちます。その後、試行錯誤により、今の形に落ち着きました。 ちょっとO脚かもしれませんが、それもあり、ということで。 この辺はほんの1ドットで大きく印象が異なってしまうので気を使いました。 (6)肩、腕 肩について。FF6のグラによると端が薄い色になっています。一応そのように塗ってみて、さらに白を混ぜることで光沢を出しました。 その後試行錯誤して今の形になりました。肩の横端の下1ドットにより、「遊び」で形を出しています。 腕はちょっとだけいじりました。 (7)マント 小さめにすることで形を付けました。最初は大きめに書いていてかっこ悪かったので、色々やってみた結果、今の形になりました。 (8)靴 足にあわせるため小さめにしました。FF6に忠実にするならもう少し大きくなります。 これで、一応正面グラが完成しました。 なお、起動時にほかのグラフィックとの整合性および色の浮き具合から色及び形を変える羽目になる可能性が高いです。 実際、正面グラだけ髪の大きさが小さく不自然だったので、少しだけドットを増やしました。 **<おわりに> いいものを作りたいならば、とにかく試行錯誤を繰り返すしかないと思います。 センスもあった方がいいでしょうが、いろいろと試しているうちに磨いていけるものだと思います。 こまめにバックアップを取って、ちょっとでも良くなったら上書きしましょう。 時間をかければかけるほど良いものができます。 結局どれだけそのキャラを作りたいかでどこまで作りこむか、いい作品が出来るかが決まると思います。 ぜひ頑張ってください。

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