桜井淳 発言研究まとめ@Wiki

新幹線は自動運転できる

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新幹線は自動運転できる

 桜井氏はATCによって自動運転(始動、加速・減速、ホームへの据え付け)できると盲信。

 ATCとは、あくまで先行閉塞区間の状況に応じて、当該閉塞区間の最高速度を制限し、その速度以下に自動減速させるものである。

 マスコミでの珍コメントに対する指摘があったのだろうが、そのコメントに真摯な反省・分析をすることなく、あくまで自説を曲げない。

 新幹線での珍事件に、例をとり自説の保障を行っているが、この例自体が誤った理解によるものであるし、作り話の域を出ないものだ。

この事件は、1976/07/09にこだま号が熱海駅での発車の際、側扉の閉扉不全のため、戸締め回路が構成されず運転士が点検のためにホームに降りた事から始まる。

このとき、運転士は禁じ手の「待ちノッチ」をかけたまま、ホームに降りてしまった。「待ちノッチ」とは、こういう事である。 安全上、扉が開いていると、たとえ、出発したくて力行位置にマスコンを移しても、力行できないように回路がくんである。 扉がしまれば、力行が可能になるため、マスコンをあらかじめ力行位置に移しておいて、扉が閉まると同時に発進できるようにしておくのが、「待ちノッチ」といわれるものだ。

さて、当該運転士はそうした「待ちノッチ」を加えたまま、故障していると思われるドアの点検のためホームに降りてしまう。で、閉扉不良のドアを発見し、不具合をなおし(といっても、蹴りを加えただけといわれているが)た。当然、戸締め回路が構成されるので、運転士不在のまま発進してしまった。ま、この事件を隠匿しようとしたのが後にばれたというのが当時の国鉄らしいところである。

 その後、客室添乗の運転士が代わりに運転したという話は、事実と同じだが、「新幹線事故」(柳田邦男 中公新書)のP213によれば、新丹那トンネル内を13キロも走行したところで、客室添乗の運転士が代行運転を開始した、とされている。それが、次駅でホームの定位置据え付けできた証明にもなっている。

以上の事実関係からつぎの結論が導ける。新幹線は、無人発車してから、つぎの定められた駅まで、しかも定められた位置に、正確に停車した。

と、新幹線の珍事件(上記URLに同じ。)に言うが、「定められた位置に停車」しては、暴進の危険性から言ってあり得ない。金沢工大=永瀬教授の「鉄道を斬る 新幹線名古屋駅 「こだま」号におけるオーバーランの意味するところ」にもあるとおり、

運転士がブレーキをかけるタイミングを失し、オーバーランして「信号冒進」しそうになると、列車は進入が禁止された区域の約50メートル手前で緊急停止信号を受け非常停止する。

(太字引用者による)定められた位置に停止し得ない。

 ちなみに客室内からは容易に(忍錠さえあれば)運転室内に入ることができる。

(その事実自体は困ったことで、事実、乗客用の扉を施錠してしまう輩が問題になったことがある。忍錠はほぼすべての車両施設の錠前として使われているようですから。)

 さて、運転室添乗した経験のある桜井博士はいったい何を観察しておられたのでしょうか。科学者たる者観察眼がすべてではないですか?)。


(追記)

新幹線では、通常の駅停止時は最終的に30信号が現示される。この時、列車速度が30km/h以下になった時点で「確認」扱いをしないとATCによる常用最大ブレーキが掛かったままとなりそのまま停止してしまう。即ち、確認操作をしないと目標停止点の遥か手前で停止してしまうことになる。

通常の運転では、30km/h以下で確認ボタンを押し、ATCブレーキが緩解した後は手動でブレーキ操作をして所定の目標停止点に停止させることになる。


(追記)

ノッチを最大にしておけば、制限速度を上回るごとに常用ブレーキで減速されるので、一見制限最大スピードでの似非自動運転ができることは確かです(乗り心地は最悪でしょうが)。しかしながら、駅ホームへの据え付けは30信号からの確認操作以降マニュアル運転になりますので、上段追記にあるように常用最大ブレーキにより停止目標の遙か手前で止まってしまいます。本文にありますように、しばらく内部告発まで発覚しなかったことを考えると、次駅停車までに代行運転士が運転を行い始めたことは容易に想像されます。

桜井ハクシにおかれましては、先先年問題となったSRSによる居眠り運転の問題も考察していただきたいと思います。


(追記)
今月のテーマ(2005年7月)

新幹線の無人運転は可能か
―読者からのメールに答える―
において、読者メールにより、永瀬教授の論を突きつけられ、
 

 このようなことを把握していないわけではありません。件の珍事件のように、たとえ運転士がいなくても、つぎの停車駅に安全に到着することはでき、友人運転と無人運転の差は、レールの表面状態によって、停止位置が数十メートルくらい異なることがあるといった程度です(大きめに見て100メートルくらいか)。睡眠時無呼吸症候群の運転士による居眠り運転は、ブレーキ解除をしなかったため、定められた停止位置より、確か、数十メートル手前に停止しただけした。

 それでも乗客からすれば、正常な乗り降りができないわけですから、どうでもよい問題ではありません。ただ、運転士のしていることは「停止位置合わせ」程度ですから、出発から停止までの間にATCによる速度変更やブレーキ作動などの条件設定の総数に比べ、運転士の手出しは、百分の一未満であり、ないに等しいくらい自動化されています。

と、先の、

以上の事実関係からつぎの結論が導ける。新幹線は、無人発車してから、つぎの定められた駅まで、しかも定められた位置に、正確に停車した。

とする、新幹線の珍事件(上記URLに同じ。)の内容を撤回。しかしなお、桜井氏の著作、「崩壊する巨大システム」との齟齬は残ったままである。氏は先述の著書において、

「すべてをATCに頼るのは危険である。機械は故障するし誤作動することもある。そのような場合、最後は人間が判断しなければならない。」(p75)

と、述べている。

 ところが、その一方で、運転士がいなくても安全に走行できるシステムになっている。とし、運転士は何故いるのかと言えば、一言で言えば、発生確率は極めて低いかも知れないが、CTCやATCのような工学的安全装置ではカバーできない範囲を補うためである、と述べている。

 さらに。先の著作では、運転士2名体制途中交代制になったことに対し

「ただでさえ精神的疲労が極限に達しているにも拘わらず、さらにずたずたに酷使しようとしている」('P28)
「東京から大阪に向かう場合、東京-浜松間を運転した運転士はそれまで車掌をしていたもう1名に運転を任せ、今度は車掌に変身する。このパターンが交互に繰り返される。これでは運転士の疲労が激しく、咄嗟(とっさ)の判断を要求される場合にその判断が狂うかもしれない。」(p75)

と述べているが、その一方では、運転士は、何もしないと眠くなる環境にある。とあり、運転士は単なる監視要員で、万が一の対応時に寝てました、ということのないためだけのため、指差確認をおこなっている、と、論じている。

ATCには頼れない。でも運転士はいなくても新幹線はATCにより自動運転で走れる。
運転士はぼろぼろ。でも運転士は監視要員としてのみ存在していて、何もしないと眠くなる環境にある。

結局どうすれば安全になると言うのだ?という点が全く不明のまま残っている。


http://www.smn.co.jp/JPN/security/art/405.html

どうしても敗北宣言は出したくないご様子です。

たとえ、多少の説明不足や誤解を招く表現があったとしても、大筋において、私の鉄道技術、特に新幹線に対する認識に誤りはなかった。その証拠は『崩壊する巨大システム』(時事通信社、1992)の43-45頁に示してある。

 「多少の説明不足や誤解を招く表現」ですと? 明らかに、当Wikiお読みになっているご様子なのは解りますが、反論をなさるのであれば堂々と根拠を述べられるべきです。
 また、当該書籍の43-45頁には、「みすぼらしいビルの中で」「コンピュータで集中管理」「誤信号で大惨事寸前」の章があり、その中に鵜飼事故等ATCトラブルが過去3度あったことがある、とあるが、ATCのシステムについて実際に述べられているのは46頁で、そこでは

 新幹線にはこのような(在来線のような:編者追記)信号はないが、(閉塞区間の)考え方は全く同じである。3キロごとに閉塞区間が定めてあり、地上装置からレールに信号電流が流されている。

 列車が閉塞区間に入ると、その後方の閉塞区間の信号電流の周波数が(※1)、段階的に変わるようになっている。たとえば、ある地域では、一つ後方の閉塞区間では、「時速30キロ以下で進行せよ」という30信号周波数の電流が、2つ後方の区間では、160信号周波数の電流が流れるようになっている。

 そのため、後続列車が一つ手前の区間にはいると、ATCの車上装置で検出した信号電流により、自動的にブレーキがかかり、30キロ以下の速度に減速される。そして、列車のいる閉塞区間の100m手前で、完全に停止する。

(引用『崩壊する巨大システム』(時事通信社、1992)46頁

と、述べるに留まり、運転士の操作についてはなにも語られていない。これでは「ATCとATOとを混同している」という疑惑を晴らすには、あまりにも証拠不十分である。

 新幹線がホームで停車する場合、ATCの30信号で減速するものの、そのままだとすぐに停止してしまうため、運転士は、確認ボタンを押して、ブレーキを解除し、所定の停車位置に微調整するようにしているが、そのようなことは、1971年当時、認識していた。

 それは、私の技術のタネ本であり、私の先生の星野芳郎が書いた『岩波講座基礎工学8技術の体系II』の183頁に図入りで載っており、発売当時の1971年に読んでいた。

そうならばですね、、、、

新幹線は、無人発車してから、つぎの定められた駅まで、しかも定められた位置に、正確に停車した。

とか

新幹線の運転は、実質的に、いまの最新技術の列車自動運転ATOに限りなく近い条件で運転しており、通常、何もなければ、ATCに依存し、スタート操作と停止位置微調整操作とドアの開閉操作しかしていない。

 また、NHKの日曜討論でも全国民に向かって「新幹線のATCは加速と速度維持を行う」と公言されたのはついこの間のことでした。(参考 WMV:5.1MB)
 もし本当に分かっていたなら絶対、こんなこと書いたり言ったりしないでしょう。 桜井博士。

 加えて、その星野芳郎氏の著作は、『岩波講座 基礎工学9 技術の体系II』(参考:千葉大図書館の書誌)である。

 慌てて引っ張り出してきたようですが泥縄になるので、みっともないことはしない方が身のためですよ。 

(※1)この文を入力していたら「『の』が多すぎる」と、ATOKに怒られてしまった。はっきり言って悪文ですな。


2006/03/06追記
またこの章を更新することになろうとは思わなかった。
桜井氏が新設したBlogに久々に新幹線の運転に関する記述が現れた。
それによると

スタートする時、いまは操作レバーを"力行"に入れますが、それ以後は、突発的なことでもない限り、ATCによる自動速度調整運転になります。"力行"に入れることくらい何もしないに等しいでしょう。

という風に、「ATCが自動的に速度を調整する」とのことなのです。
ATCはAutomaticTrainControlの略で自動列車制御装置と訳されます。
ATCは当該閉塞区間での制限速度を現示し、その速度を超過した場合に常用最大ブレーキをかけ、
列車の速度が制限速度以下となるようにするシステムで、端的に言えばブレーキをかけることしかしません。
速度超過を制限するシステムであり、速度を調整するシステムではありません。
しかし氏は日本語訳の意味から自動的に列車の速度を制御してくれる装置だと勘違いされているようです。
また、

駅で停車する時には、ATCでブレーキがかかりますが、そのままでは、レールの表面状態等の相違によって、摩擦力に差が生じ、停車位置が数十メートル異なりますので、所定の位置に正確に停車させるため、運転士は、ATCによるブレーキを解除し、マニュアルで微調整します。その程度の操作は何もしないに等しいでしょう。

ともあります。
新幹線のATC(ATC-1及びATC-2)では、駅停車時には基本的にATCは30km/hを現示しています。
30km/h現示時には速度をATC現示を下回ってもATCによるブレーキが続くシステムになっており、
実際の停車時にはそのブレーキを解除、正確には緩解(ゆるめること)してやる必要があります。
30km/h現示の位置から停車位置まではかなりの距離があり、ATCのブレーキというのは前述の通り、
常用最大ブレーキなため、常用最大ブレーキを続けてしまっては遥か手前で止まってしまいます。
その為、運転士はATCブレーキの緩解をし、完全な手動で列車を定められた位置に停車させるのです。
運転士は微調整をしているのではありません。自動制御に全く頼らず、自らの手で列車を停車させています。
しかし、氏はそれを「摩擦力による誤差の修正」と述べています。
ATCの動作原理を全く分かっていない証拠です。

氏には是非2006年5月閉館予定の交通博物館にある展示「新幹線の安全システム」をごらん頂きたい。
ここには200系2000番台の運転台を利用したATC体験シミュレーターがあり、ATCを理解するのには最適な教材です。
ATCの基礎を理解していない氏にはぴったりです。閉館の前に是非一度訪問されることをお勧めします。


【番外】JR西日本脱線事故の背景と教訓(高圧ガス Vol42No12(2005))の検証 も参照あれ)

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