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克目せよ!竜王戦最終局

    

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渡辺竜王か羽生名人か、初代永世竜王の座を掴むのは。いよいよ竜王戦最終局が明日午前9時に始まる。

竜王位は名人位と並ぶ将棋界の最高タイトルであり、唯一無双の最高額タイトルである。挑戦者はアマや女流を含めた実績考慮の変則的トーナメントで決定されるため、トーナメント出場資格以上の実績が無くとも連勝さえすれば最底から一気に挑戦者となることができる。7回の保持または5連続の保持で永世位の資格を得る。



羽生は最強の棋士である。7大タイトルの独占後も無冠に落ちたことはなく、7戦以上して負け越している相手はゼロ。勝ちまくるため自然と強い棋士との対戦が多く組まれてゆくにもかかわらず生涯勝率は38歳にして7割を優に超えている。複数回や連続年度獲得すると得られる永世名誉位も6つ手中にし、残る永世竜王位もあと1局を残すのみとなっている。あらゆる戦形を指しこなし、長期的視野にたって目先の1局だけでなく後々に経験が生きるように指すことも多いと自他共に言われていたが、今期竜王戦だけは勝利に徹した差し回しを選択していると噂されている。

迎え撃つは24歳の渡辺である。羽生と同じく中学生でプロ棋士になり、若干20歳で竜王位を奪取した。その後も強敵相手に防衛を重ね4連続保持の最中のため、この1局に勝てば永世竜王位の資格を得る。しかし獲得したタイトルが竜王だけであり、また羽生を倒してのタイトル獲得防衛ではなかったため、他の一流棋士に厳しく評されることもあった。将棋の純文学と形容される本格的な戦法である居飛車、矢倉、穴熊に強い。

二人は5年前にタイトル王座を巡ってフルセットを戦ったが、最終局終盤で羽生は手が震えて駒がまともに持てなかった。しかしその後は不思議なことにほとんど対局は行われず、今年の五月にネットでの対局が組まれたときは、なんと羽生のコンピューター操作にトラブルがあったようで時間切れ負けとなってしまう。そのために事実上最強の羽生と最高タイトル竜王を保持する渡辺が並存するという奇妙な状態が5年も続いていた。しかし、遂に羽生が竜王位に復位せんと勝ち上がってきたのである。

こうして若手の渡辺竜王に最強の羽生名人が挑戦するという、感覚とは逆の不思議な大勝負が実現した。



第1局はパリで行われた。これで勝つはず筈とほとんどのプロ棋士が思った渡辺竜王の攻めを、羽生は自分だけが観えていた大局観で凌いで羽生挑戦者勝利。格の違いを見せ付けられたようだった。

第2局は細かい攻防が続いたが、渡辺竜王の苦心の手もそれまでの僅かな劣勢を跳ね返すに至らずに羽生挑戦者連勝。第1局での後遺症が響いたのかと噂される。

第3局は渡辺竜王の新手を羽生挑戦者が咎め初日の夜から大差になり、以降渡辺竜王はいいところなく無残な敗北を喫する。渡辺竜王からは沈痛な感情がありありとみえ、ブログでは「内容が悪くて申し訳ない思いです」とまで記された。単なる一局の敗北に留まらず決定的な精神的ダメージを負ったのではないかとまで噂される。ともかく羽生挑戦者3連勝で渡辺竜王を追い詰めた。

第4局も羽生挑戦者は不思議な駒の使い方をして、渡辺竜王を専守できないように誘導してから自陣をガチガチに固めることに成功する。なんという一方的な展開だったのかと次々に観戦者から悲鳴が上がり、また別の者は羽生挑戦者の勝利とみて永世竜王位の祝杯を早々とあげはじめる。

ところが。

何度も敗北を覚悟しながらも妻に応援された通りか粘っていた渡辺竜王の玉は、羽生挑戦者の猛攻を打歩詰めの筋というギリギリでかわしていたのだ。後に本人でさえも「最初はそんなことがあるわけないよな、と信じられませんでしたが・・・。」と語るほど不思議な決着で、奇跡の逆転を果たす。まるで第1局を映したかのように。

第5局は渡辺竜王が序盤から少しずつリードを重ねていき、羽生挑戦者の仕掛けた深遠な罠をことごとく見破って勝利した。大局後の検討で様々な質問に対して深いところまで丁寧に回答していたという。この一局はがっぷり四つの横綱相撲のようであり、まるで第2局を映したかのようでもあった。

第6局は渡辺竜王が矢倉から早々に戦いを仕掛けていき、そして一日目の昼下がり、誰にも語らずに温めていた新手を放つ。これは大丈夫なのかとの声が観戦者から上がる。……しかし羽生挑戦者の様子がおかしい、僅か数手で持ち時間がみるみる減っていく。深く検討すると既に羽生挑戦者がかなり苦しい事がだんだんわかってきた。それから羽生は食事もあまりとらず、あるいはとれなかったのかもしれない、膝元に毛布を置いていたのだから風邪とも噂されるが、過去に羽生挑戦者は風邪の方が緊張がとれてかえってよかったと言いながら勝った事があるため不明。ともかくその後は羽生挑戦者にいいところが全く無く……そう、まるで第3局を映したかのような惨敗を喫したのである。



最終戦終局は明後日の午後6時前後と予測される。