「蒼弓ノート」 別館

Rockbox

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匿名ユーザー

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 既にご存知の方も多いと思いますが、Rockbox(http://www.rockbox.org/)と呼ばれる携帯プレイヤー用のオープンソース・ファームウェアについてちょっと書いてみたいと思います。

 このプロジェクトは2001年に開発がスタートし、公に姿を表したのは2002年のことです。当初はArchos Jukeboxのためのプロジェクトで、ハードウェアの解析から始まったそうです。当然のことながらこの手のハードウェアの詳細は公表されていないため、まず動作を調べるところから始めなければなりません。そして解析結果を元に開発を進めて行きます。

彼らは手間隙をかけて成果を上げていきました。そして、2004年には全く新しいハードウェアにチャレンジすることになりました。それはH1x0(iHP)シリーズでした。

H1x0シリーズはそれまでのArchosに比べるとはるかにパワフルなハードウェアで、多くのフォーマットに対応できる地力がありました。結果として速い段階でMP3とVorbisに対応しただけではなく、可逆フォーマットにも対応して行きました(現在の対応状況に関してはhttp://www.rockbox.org/twiki/bin/view/Main/SoundCodecsを参考に)。
最近iPod(これもまた、強力なハードウェアです)への対応にも大きな進歩が見られ、急速に開発は進んでいます。

Rockboxはまだ発展途上とはいえ、多くの特徴を備えています。

 1.オープンソースであること。
 RockboxはGPLによるオープンソース・ソフトウェアです。そのため、興味を持った多くの人が開発に参加できる土壌があります。また既存のオープンソース・ソフトウェアを利用できることも利点です。そして実際に利用されています。例えばデコード可能なフォーマットのプログラムは、既存のソフトウェアをベースとしています(MP3/MAD, Vorbis/Tremor etc)。

 2. 自由度の高いインターフェイス
 1.にも関連しますが、好みは個人個人で異なります。そのためRockboxではカスタマイズの自由度が非常に高い設計になっています。メーカー製のお着せなインターフェイスに満足できない人には朗報でしょう。プレイ画面の変更、マルチリンガルでフォントを自由に変えられるのも魅力です(日本語にもほぼ完全に対応)。

 3. 強力な機能
 Rockboxには現段階でも多くの優れた機能が備わっています。ギャップレス再生、豊富なフォーマットへの対応、クロスフェード、他に類を見ない5バンド・パラメトリック・イコライザなどは、ほんの一部です。また、プラグイン機能がありいろいろなソフトウェアを実行することができます(ゲーム、画像ビュアー、ツールなど)。

開発は毎日のように進んでおり、見てるだけでも楽しいです。

以上のように非常に興味深いものではありますが、問題はこのファームウェアを使用するにあたり、メーカーのサポートを受けられなくなることを覚悟しておかなければならないことです。そういった意味では万人向けではありません。
しかし、既存のプレイヤーに満足できない人は試してみる価値があると思います。
現段階の各プレイヤー用の最新バイナリはhttp://www.rockbox.org/daily.shtmlにあります。

カテゴリ: [ソフトウェア] - &trackback() - 2006年03月14日 22:14:44
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