「蒼弓ノート」 別館

音割れ(クリッピングノイズ)について

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匿名ユーザー

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音を録音したことのある人は解ると思いますが、機器にはそれぞれヘッドルームが有り、それを超えると音が歪みます。この現象はデジタル機器でより目立つ問題です。CDなどではリミッタを使ったりダイナミックレンジを圧縮することでピークを抑えたりして聴覚上の歪みを抑えるようにしています(この場合、正確には歪みを抑えながら聴覚上の音量を上げるという意味合いもあります)。

さて、この問題は実は非可逆圧縮にとって大きな問題です。特にソースの時点でピークが極端に潰されている場合、デコード時にその潰されている部分が容易にクリップします。これは低いビットレートで特に顕著です。この問題が聴覚上大きく問題になるかどうかは、強くソースに依存します。オリジナルの録音が瞬間的なピークを(リミッタなどで)抑えているだけならばそれほど問題は無いのですが、常にピークが出ているような録音やマスタリングをしていると、聴覚上大きく影響が出てきます(注1)。

この問題を解決する一つの方法は、replay gainというプログラムを使うことです。これは曲の音の強さを記録しておき、その情報に基づいて、再生・デコード時に圧縮データからPCMへのスケーリングを変化させます。これは再生プレイヤーさえ対応していれば、現状もっとも良い解決方法です。欠点は、再生プレイヤーが限られることでしょう。

もう一つはエンコード時にソースの音を小さめにしておくことです。ただ、クリップはソースそのものに強く依存するので、これは完全なソリューションではありません。どんなソースでも一律にクリップを防ごうとすれば、余裕をもってかなり小さくしなければならないでしょう。しかしこれは現実的な方法です。
またこの方法はデコード時に行うこともできます。長所・欠点も上記と同様ですが、最終的なD/Aコンバーターの量子化ビットが16bitを超えていれば、音質を保ちつつ、より安全にクリップを抑えることも可能でしょう。ハードウェアプレイヤーなどではそういう余裕のある設計をして欲しいものです。

[Winampを使ってOgg Vorbisを聞いている方へ・・・ディザの設定は切りましょう! 初期状態ではONになっていますが、音割れし易くなります。また、クリップによる音割れについては、preampを小さくすることで解消できるでしょう]

(注1付記)
CDによっては元から明白に歪みが聞こえるものがありますが、正直に言って悲しくなります。ライブ録音ならともかく、スタジオ録音でなんでこんなことが起きるやら。音割れなんか気にならないのかね。


カテゴリ: [音声圧縮] - &trackback() - 2005年07月14日 22:30:33
  • winamp -- 名無しさん (2006-11-08 15:25:43)
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