2008-11-05
2008-11-15追記あり



紙コプター


コピー用紙でできたヘリコプターです。高いところから落下させると、くるくると回転しながらゆっくり降りてきます。岐阜物理サークルで、岐阜工業高校のN野先生に教えていただきました。
動画をご覧ください。


つくり方


paper helicopter.pdf をダウンロードし、A4のコピー用紙に印刷してください。1枚で22個分です。PDFファイルの表示、印刷にはAdobe reader が必要です。お持ちでない方はこちらでダウンロード&インストールしてください。

実線に沿って切り離し、点線は山折りに、一点鎖線は谷折りにしてください。アルファベットのY字の形になります。翼はあまり広げすぎないほうがいいです。折り線の部分は、鉄筆やインクの出なくなったボールペンでなぞって、折り目をつけてから折り曲げるときれいに作れます。



いすの上に立ち、高いところから落下させると、くるくる回転しながらゆっくりと落ちてきます。いろんな姿勢で落下させてみましょう。軸を下に、翼を上にした姿勢に立て直して落下していきます。手を放す前は、翼はあまり開いていないのですが、落下中は回転の遠心力により翼が開きます。


つくり方のバリエーション


翼を折って広げるのではなく、親指と人差し指でしごいてカールさせてみました。


翼の折り曲げるところを、軸に対して斜めに折り広げます。


翼の先端を上に曲げます。これは、最近の旅客機の翼につけられているウィングレット(ウィングチップ)と同じ役割なのでしょうか?
ウィングレットは、翼端の失速を防いで空気抵抗を減少させるためのものです。ウィングレットつきの紙コプターは、速く回転しているのでしょうか? どうしたら回転数を計測できるでしょうか?


植物の種子散布


自分で移動できない植物の繁殖は、種子をいかに広い範囲に届けるかに大きく影響されます。親植物の足元では、日陰になるので大きく成長することが期待できません。そのため、植物はさまざまな手段で種子を遠くまで運びます。

動物を利用する

そもそも果実は、鳥や哺乳類に食べてもらうことで、代わりに種子を遠くまで運んでもらうためのものです。果実を食べた鳥類や哺乳類は、移動した先で糞(つまり肥料)と一緒に種子を落とします。これはある種のギブ&テイクですね。
また、ひっつき虫(オナモミ)は、種子表面のカギで動物の体毛に絡まり、運んでもらうという戦略です。こちらはヒッチハイカーですね。
photo from Wikipedia

海流を利用する

ヤシの実は、海流によって運ばれます。島崎藤村の「名も知らぬ遠き島より……」という詩をご存知の方も多いと思います。

空を飛ぶ

紙コプターは、実はフタバガキという植物の種子を元にしています。紙コプターのように、空を飛ぶことで種子を遠くまで運ぶ植物も多いです。カエデの種子も羽を持っています。この羽でくるくる舞い降りてくるのです。アルソミトラは熱帯のウリ科植物で、グライダーはこの種子を参考にデザインされたのだそうです。フタバガキとアルソミトラの種子の写真はこちらのリンク先をご覧ください。

photo from Wikipedia

タンポポは、綿毛のパラシュートに種子をぶら下げ、風に乗せて遠くまで種子を飛ばします。大西洋の両岸で、タンポポの遺伝子が完全に一致した、すなわち、タンポポ種子のパラシュートがハリケーンに飛ばされて大西洋を横断した、というニュースを聞いたことがあります。


2008-11-15追記

かんたん紙コプター


もっと簡単な紙コプターの作り方です。
材料はB5のコピー用紙とクリップです。クリップは金属製のゼムクリップだと重すぎるので、プラスチック製のもののほうがいいです。


まずコピー用紙の短い辺に沿って1cm幅に切ります。これを少しずらしてV字になるように半分に折ります。ずらす幅はほんの少しで大丈夫です。折ったところにクリップをつけます。ヘリコプターの翼をしごいてそらせます。これもほんの少しでOKです。


高いところから落とすと、くるくると回転しながら降りてきます。




参考サイト




  • タンポポの綿毛が種をつけたままで大西洋を横断したというのは、素晴らしいですね!
    タンポポさんは「やった~!!」って気分だったことでしょう(笑)
    ヤシの実のお写真はすてきです。
    どちら海なのでしょう?  本当に流れてきたのですね!

    オナモミも、在来種がほとんどなくなりました。
    オオオナモミばかりで、一つだけからからに渇いたオナモミの実を持っていますが、貴重品になってしまいました。 -- 森のどんぐり屋 (2008-11-27 09:24:20)
  • ヤシの実の写真は、Flickr のマップを見ると、バハマのHope town というところで撮影されたようです。
    ということはフロリダ沖の大西洋の島ですね。

    ところでオナモミとオオオナモミは違う種なんですね。
    知りませんでした。
    Wikipedia の記事によれば、オナモミは史前帰化植物、オオオナモミは帰化植物となっていますね。
    いまではオオオナモミが圧倒的に優勢とのことなので、私が見ているオナモミも、実際はオオオナモミかもしれませんね。
    参考になりました。
    教えていただいてありがとうございます。
    -- yu-kubo (2008-11-27 23:30:25)
  • 面白いですね -- 冨 (2009-12-13 13:11:12)
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最終更新:2012年11月20日 14:37