2008-11-07



バラック・オバマ


photo by basile12 @Flickr

アメリカの2008年大統領選挙は、民主党のバラック・オバマの大勝で終わりました。
シカゴで行われたオバマの勝利演説はとてもすばらしいものでした。もともと、演説のうまさが評価されてここまで進んできた政治家なのですが、それもなるほどと思わせる感動的な内容でした。演説(日本語訳英語原文)はリンク先でお読みください。

オバマの勝利演説の動画がYouTubeにありました。
もしあなたが高校生や大学生なら、原文を味わうために、自分の耳で聞き自分で翻訳してみることをお勧めします。
Yes, we can!

オバマのミドルネームはフセインです。バラック・フセイン・オバマです。そのため、選挙運動のなかで、オバマをわざわざフセイン氏と呼んだり、あるいはオバマをわざとオサマと間違えたりして、イスラム過激派やサダム・フセインのイメージにかぶらせようとするネガティブキャンペーンが行われました。


コリン・パウエル



多くの著名人がオバマへの支持を表明してきましたが、その中にはコリン・パウエルも含まれています。共和党員であり、ジョージ・ウォーカー・ブッシュ大統領(息子のブッシュ)の1期目政権の国務長官であり、統合参謀本部議長(アメリカ陸軍大将)としてジョージ・H・W・ブッシュ大統領(父親のブッシュ)とともに湾岸戦争を指揮した元軍人でもあります。そのパウエルが、党派を超えてオバマへの支持を表明したのは2008年10月19日のことでした。

ワシントンポストは以下のようにパウエルの言葉を報じました。

NBC のMeet the Press という番組のインタビューでパウエルは、オバマがイスラム教徒だという噂を広めようとする人々を非難しました。
「彼(オバマ)はキリスト教徒だし、ずっとそうだった」

しかし、パウエルの発言で大事なのはその後です。

「でも本当に正しい答えは、もし彼がそうだったとして(そのことに何か問題はあるのか)?」
とパウエルは答えたのです。
「この国において、イスラム教徒であることは間違ったことなのだろうか? それが間違いだというのなら、それはアメリカではない。7歳のイスラム教徒であるアメリカ人の少年少女が将来大統領になれると信じることは間違ったことなのだろうか?」

But the really right answer is, what if he is?
Is there something wrong with being a Muslim in this country?
The answer is no, that's not America.
Is there something wrong with some 7-year-old Muslim American kid believing that he or she could be president?

自分が同じような質問にさらされたとき、すぐにこのような返事ができるようでありたいと思います。そして、現在のブッシュ政権は(そして大統領候補としてのジョン・マケインも)このような良心から見放されてしまったのだと、今さらのように感じます。


ジョン・マケイン



共和党の大統領候補だったジョン・マケインは元海軍パイロットです。ベトナム戦争に従軍し、撃墜されて捕虜となり、拷問に耐えて生還した国民的英雄です。共和党内では穏健派として知られ、テーマによっては党派を超えて行動し、時として「一匹狼(maverick)」と形容される彼の行動のベースになっているのは、自分の人間としての弱さを思い知った捕虜生活時の経験のようです。

大統領選挙の集会である女性支持者から
「彼(オバマ)はアラブ人だから信用できない」
と言われたとき、ジョン・マケインはこう答えました。
「いいえ、奥様。彼は礼儀正しい家庭的な市民の1人です。ただ、私たちと基本的な点で意見の相違があるだけです」
と、その女性をたしなめたのです。

マケインは
「もし彼がアラブ系アメリカ人だとして、そのことの何が問題なのでしょうか?」
と言うこともできたはずです。
「アラブ系アメリカ人は大統領になってはいけないのでしょうか?」と。
たぶん、マケインにそう言うだけの知性が無かったわけではないのでしょう。おそらく、大統領選挙に勝つために、保守派の支持を失わないために口をつぐんでいただけなのでしょう。マケインは、共和党内ではとりわけ穏健派として知られていたのですから。大統領選挙が終わり、重しの取れたマケインは私たちに何を語るのでしょうか?




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