生理学研究所一般公開


愛知県岡崎市にある国立生理学研究所一般公開に行ってきました。とても面白い経験でした。次回はしっかり時間を取って、隅から隅まで参加したいです。

自然科学研究機構の3つの国立研究所が名鉄東岡崎駅南側の丘の上にあります。研究者向けのシンポジウムは年に何度も行われているのですが、年に一度3つの研究所のうちのひとつが一般に公開されます。今年2005年は生理学研究所の番で、その一般公開が10月15日に行われました。


生理研サイエンスレンジャー


サイエンスレンジャーはあらかじめ申し込みの必要な体験型イベントです。今年は、脳波測定器を用いた嘘発見器の実験でした。

一般参加者から選ばれた被験者に4枚の写真を見せてそのうちの1枚を覚えてもらいます。脳波をモニターした状態で4枚の写真をランダムに見せ、そのときに得られる脳波から覚えた1枚を当てようという実験です。もちろん参加申し込みをしました。模擬犯人役に立候補したのですが採用してもらえませんでした。ざんねーん!

上の写真右はサイエンスレンジャーの柿木教授、左は被験者で、頭に脳波をモニターする電極をつけています。
通常の嘘発見器では質問者の質問に「ノー」の返事をしてもらい、そのときの被験者の心拍や皮膚の電気抵抗を調べることで緊張の度合いを判定します。
今回の実験では、まず被験者に4枚の写真を見てもらい、そのうちの1枚を覚えてもらいます。被験者は脳波をモニターしたままテレビ画面にランダムに現れる4枚の写真を見るだけです。ある写真を見た瞬間の脳波から、覚えた1枚の写真を割り出そうという実験なのです。

上の写真は脳波のモニター画面です。左から順に各写真を見たときの被験者の脳波が表示されています。これを見て柿木教授が当てるのです。

最初に、参加者は被験者がどれを覚えたのか知っているが、柿木教授は知らないという状況で実験が行われました。次に、参加者も柿木教授も知らないという状況で、脳波のモニター画面を見て参加者も当てる、という実験を行いました。

上の被験者(テレビの前で電極をつけている)は「どれを覚えてたのか忘れちゃった!」なんていう強敵の少年だったのですが、さすがは教授、すべての実験で覚えた写真を当てることができました。私は3回中2回を当てることが出来ました。


研究部門の公開展示


普段は実験を行っている研究室を会場に公開展示が行われました。
実際に実験に取り組んでいる大学院生や研究者が、自身の研究を一般向けにわかりやすく紹介してくれました。子供連れの家族や老夫婦も含めて、多数の参加者でにぎわっていました。

  • アポトーシスとネクローシスのちがい
  • 神経細胞どうしのコミュニケーションを音に変換
  • 温度によるタバスコ、メントールの感じ方の変化
  • ゼブラフィッシュ、アフリカツメガエルの発生過程を顕微鏡で観察
  • 肥満マウスの動きを正常マウスと比べてみる
  • ホヤの電気刺激に対する筋肉の反応 などなど

クイズラリーもあって、公開展示の中にその答えが隠されていました。その答えを記入して最後に提出すると、細胞のペーパーモデルがお土産としていただけました。


細胞ペーパーモデル


これがお土産にもらえた細胞ペーパーモデルです。4ピースからできていて、細胞を分割して中を見ることができます。これは素晴らしいアイデアですね。




公開講演


岡崎コンファレンスセンターでは公開講演が行われました。「温度を感じるメカニズム」、「視る脳と触る脳」というタイトルで行われたのですが、こちらには参加しなかったのでどんな様子だったのかわかりません。


参考文献

生理学研究所のホームページ
生理学研究所一般公開のホームページ


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最終更新:2005年11月08日 22:38