2008-07-26

石油の次は真水

2008年の夏は原油市場の高騰で、ガソリンが値上がりし、市民生活にも大きな影響が出ています。でも、石油以上に将来大きな問題になることが間違いないもの、それが真水(淡水)です。GIGAZINEで、世界の水の分布を示す図が紹介されていました。それが上の図です。これは国連環境計画(United Nations Environment Program:UNEP)がリリースしているものです。
一部を切り出して詳しく見ていきましょう。


海水と淡水

図の最上段は地球上の水、約14億立方kmの、海水と淡水の内訳です。
その97.5%は海水(Oceans)で、2.5%が淡水(Freshwater)です。逆浸透膜で海水を淡水化することは可能なのですが、かなりのコストを必要とします。現実的にヒトが利用できるのは2.5%分の淡水だけです。しかしこの2.5%の淡水も、全てが簡単に利用できるわけではありません。


淡水の内訳

図の中段は2.5%分の淡水を100%としたときの、その内訳です。
Glaciers68.7%は氷河です。そのほとんどは南極にあり、残りはグリーンランドにあります。その他にアルプス、アンデスなどの高地にも存在しますが、これらも、地球温暖化により減少が続いています。
Groundwater30.1%は地下水です。汲み上げ過ぎは、地盤沈下や生態系の破壊を招きます。
Permafrost0.8%はシベリアやアラスカの永久凍土です。こちらも地球温暖化で永久凍土が溶けはじめており、その上に建てた建物が倒れるなどの被害が出ています。
残りの0.4%は地表と大気中にあります。


地表と大気中の水

図の最下段は0.4%分の地表と大気中の水を100%としたときの、その内訳です。
Fleshwater lakes67.4%は淡水の湖や池を示しています。
Soil moisture12.2%は土壌中に浸み込んだ水分です。
Atmosphere9.5%は大気中の水蒸気です。
Other wetlands8.5%は湿地などの水分です。
Rivers1.6%は川の水です。
Plants and animals0.8%は、植物と動物がすでにもっている水です。

これらのうち、ヒトが簡単に利用できるのは淡水湖と川です。これは、地球上に存在する水のうちのほんのわずか、0.007%以下に過ぎません。
しかしこれらも水質の汚染により利用が難しくなっているものが多いです。国連によれば、世界人口66億人のうち、6分の1の11億人には安全な飲用水がなく、さらに26億人には、上下水道の十分な分離がなされていないそうです。


参考サイト


GIGAZINE>夏に向けて水不足が心配、地球上の水の分布を図式化するとこうなる。
国際連合環境計画>GEO>Global Environment Outlook 4
          >GRAPHICS AND PHOTOS>High Resolution Graphics
Wikipedia>水の危機、海水淡水化、氷河、永久凍土


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最終更新:2008年07月29日 00:07