2008-08-06
クレーター錯視
下の写真は、ESA(欧州宇宙機関)の火星探査機Mars Express が撮影した火星の山脈です。
こちらも同じくMars Express が撮影した火星の峡谷です。
実は上の2枚の写真はまったく同じ写真です。1枚目の写真は、2枚目の写真の上下を、ただひっくり返しただけなのです。そうは見えないでしょ?
2枚目の写真が正しい向きの写真で、実際にはここは、イーチャス裂溝帯とよばれる最大高低差4000mの崖になっています。
私たちがこのような写真を見るとき、凹凸の判断は影を手がかりにします。そして通常光源は上にあるものとして、影の向きから凹凸の判断を行います。そのため写真の上下を入れ替えたときでも、光源は変わらずに上にあるものとして判断するので、凹凸を逆に推定してしまうのです。この錯視は最初に月のクレーターの写真で発見されたので、クレーター錯視とよばれています。
ボタンの凹凸錯視
下のボタンはAが凸面に、Bが凹面に見えますね。
これも上下をさかさまにすれば、凹凸が逆転して見えます。
凹凸ギャラリー
左写真は上下さかさまにしたもので、右の写真は正しい向きの写真です。
大きい写真へのリンクは最下段にあります。
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最終更新:2008年08月07日 22:32