2008-08-13

毎年恒例の科学技術週間ポスター。今年は光マップです。



「この光マップは、光が自然界や私たちの生活の中でどのようにつくられ、どのように使われているかをまとめたものです」だそうです。



振動数と波長


光は横波です。横波とは、進行方向に対して垂直に振動して進む波のことです。一方、音は縦波です。縦波は、進行方向に平行に振動します。振動数は1秒間に繰り返す波の数によってあらわします。単位はHz(ヘルツ)です。波長は波の山と山の間の長さです。真空中の光の速度は秒速30万kmですから、振動数=光速÷波長 あるいは 光速=振動数×波長になります。
この光マップは横長の構成(縦向きのA4を横に4枚並べている)になっており、左側の長波長側から右に向かって短波長が並んでいます。
まず驚いたのは、マップの左端です。振動数は直流、波長は∞となっています。つまり波長無限大の交流は直流ということなんですね。考えてみれば確かにそうかも。


電波




電波も物理的な実体は光とまったく同じです。というか、これら全てをあわせて電磁波と呼び、それらを波長ごとに電波とか可視光とかX線とか、必要に応じて呼び分けているのです。テレビは90~220MHzを、携帯電話は800MHz~2GHzを、電子レンジは2.45GHzを利用しています。2.45GHzの電磁波は食品中の水分に吸収され、水分子を振動させ、これが熱を生み出すのです。


可視光




パルスオキシメーターという医療機器があります。これは親指のつめをはさむクリップのような装置なのですが、爪の色から、酸素飽和度(ヘモグロビンに酸素が結合している割合)をモニターする装置です。鮮紅色の動脈血は850nmの赤外線領域に吸収のピークがあり、暗赤色の静脈血は770nmの可視光(赤色)に吸収のピークがあります。爪の色はこの2つの血の色が同時に見えているのですが、動脈は拍動しているので、これを利用して動脈血の酸素飽和度を測定することができます。



私たちはこの世界をそのままの色として見ているつもりですが、他の動物はこの世界を私たちとは違った色で見ています。ヒトの網膜には赤、緑、青の3種類の錐体細胞をもっていますが、動物によっては2~4種類の錐体細胞をもつものがおり、また、その吸収のピークは動物ごとに異なっています。昆虫の多くは紫外線を見ることができます。チョウが見る花びらの模様は、私たちが見るものとは違っているのです。


X線




ワトソンとクリックがDNAの二重らせんモデルをつくる際に最も重視したデータの一つは、X線によって得られました。DNAの結晶のような、原子が規則正しく配列したものにX線を当てると、回折という現象によりX線が曲げられ、あるパターンがフィルムに写し取られます。そのパターンから、ワトソンとクリックは二重らせんモデルを導き出したのです。


ガンマ線




ガンマ線バーストという、宇宙で最も強い光が放たれる天体現象が知られています。1980年代までは、ガンマ線バーストが宇宙のどこで起こっている現象なのかさえわかっていませんでした。そして今までにわかったのは、このガンマ線発生源が私たちの天の川銀河の外にあること、そして、100億光年もの彼方にあってもこれほどのガンマ線が地球に届くのだから、ものすごく強い光を放っているのだ、ということです。超新星爆発によるという意見が有力のようですが、確定ではないようです。また、天の川銀河内での超新星爆発によりガンマ線が地球に降り注ぎ、それが過去の生物の大量絶滅につながった、とする考えもあるそうです。


通信販売で買えます




(財)科学技術広報財団で、一家に1枚シリーズのポスターを買うことができます。サイズにもよりますが、1枚100円で過去に発行された周期表やヒトゲノムマップも買うことができます。フォルダ付きのセット販売もありましたので、光マップと一緒に通販で購入してみました。Faxで注文してから3日で品物が届きました。お役所仕事とは思えない対応に満足です。


参考サイト


(財)科学技術広報財団
Wikipdia>パルスオキシメーター、ガンマ線バースト



名前:
コメント:

Copyleft2005-2008, yu-kubo.cloud9 all rights reversed
最終更新:2008年08月15日 20:36