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高血圧

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概説
 循環器系の病気の中で最も一般になじみのある病名が、この高血圧ではないかと思われます。高血圧とは、その名前のとおり、血圧が何らかの原因で異常に上昇している病態です。血圧上昇の原因から本態性(一次性)高血圧と二次性高血圧とに分けられます。高血圧の大部分は前者の本態性高血圧であり、血縁関係に高血圧の人がおり、その発生に遺伝的要因があると考えられていますが、正確な原因についてはいまだ十分に明らかにされていません。二次性の高血圧は、腎疾患、ホルモン異常などがあって血圧の上昇をきたすもので、高血圧の家族歴がなく、比較的若年で発症した高血圧の場合には二次性の疑いをも
つ必要があります。高血圧の状態が長く続くと、心・血管系の異常、具体的には脳出血、脳梗塞、心筋梗塞、狭心症、心不全、腎不全などの種々の臓器障害をきたし、生命予後あるいは生活の質(これをQOLと呼ぶ)を低下させることが、疫学的データからよく知られています。したがって、正常な血圧をできるだけ維持することが、これらの臓器障害を防ぐ上で極めて重要となります。

症状
 高血圧による自覚症状としては、肩こり、頭痛、頭の重い感じ、めまいなどがよくいわれますが、むしろ自覚症状はなく、健診などで高血圧を指摘され、来院されることのほうが多くなっています。

診断
 診断は血圧測定で、上の血圧(収縮期血圧)が140mmHg以上、または下の血圧(拡張期血圧)が90mmHg以上ある場合を高血圧とします(WHOの血圧判定値)。高血圧と診断する基準については以前と比較し低下してきていますが(以前の基準では収縮期血圧160mmHg以上、拡張期血圧95mmHg以上)、その背景には血圧をできるだけ至適血圧(収縮期血圧120mmHgかつ拡張期血圧80mmHg未満)に近づけることで臓器障害の発生頻度を予防できると考えられているからです。血圧測定時に注意しなければならないことは、血圧測定前にはカフェイン摂取、喫煙などは控え、測定は静かな暖かな環境で行い、2回の測定から判定することです。また、正確な高血圧の診断には1週間以上の間を置き、再度測定することが望ましいとされています。血圧測定以外の検査として、臓器障害の有無あるいは程度をみる目的で、採血・尿検査、心電図、胸部レントゲン写真、眼底検査、心エコー検査などがあわせて行われます。

標準治療
 一般的な注意として、塩分の制限、カリウムの摂取、体重のコントロール、禁煙、アルコール摂取の制限、適度な運動などが必要ですが、これらによっても十分な血圧低下が得られない場合には薬物治療を行います。高血圧治療に用いられる薬剤は降圧剤と呼ばれ、たくさんの種類がありますので、それぞれの薬剤の特徴および副作用につては担当医からよく聞くことが大切です。


※「標準治療」は診療活動をする専門医により行われている一般標準的な治療法の解説です。厚生労働省や学会で作成した「ガイドライン」そのものではありません。
病後の経過/生活上の注意
 健診で以前から高血圧を指摘されていても、自覚症状がないと来院されない方が意外と多いのが現状です。高血圧を放置し、臓器障害を起こしてくると予後が不良となりますので、まず第一によりよい血圧値を維持することがいかに重要かを認識することが大切です。これはすでに治療を受けている方についても同様です。降圧薬内服中であっても、良好なコントロールレベルに血圧が維持されている方が意外と少ないのが現状です。最初の降圧目標は140/90mmHg未満ですが、高齢者での目標レベルにはまだ論議があるところです。

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