尻とレーザーリメイク


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「尻とレーザーリメイク」







「おい、霊夢」

今日も、一人の黒魔法使いが神社に遊びに来ていた。

「なんだぜ魔理沙?」
「……私の真似事か?よして欲しいぜ」

霊夢が魔理沙をからかい、魔理沙が必死になって切り返す。
これもやはりいつもの光景だった。

「いいじゃない、地に足につかない口調」
「いやそれはどうかと思うぜ……庭師じゃないんだから」
「地に足がつかないのが私の能力ですわ」

会話だけを聞くと口げんかをしているようにも聞こえなくなくはないが
実は縁側でお茶をすすりながらのお話であり
ババァが井戸端会議をしてるようにしか見えない。そこはお酒ではないのか。
なんか急に宴会開きたくなってきた。宴会。いいよねぇ宴会。

っと、ここらへんで何か違和感を感じてきた。
いつもなら、そのうち吸血鬼とか、地下から無意識に覚りの妹、とか、これはめったに無いことだが紫が異変を引っさげて
3人、4人、いやもっと多くなるはずであった。
古代からの私の勘がビンビン鳴り響いている。これはきっと何か起こるのだろう
全く退屈させてくれないなあ、この巫女は。……本当にこいつは人間なのだろうか。

半分ぼーっと、半分目の前の紅白の少女に思いをめぐらせていると
少しの寒気とともに、小学生くらいの背格好の少女が蝶のようにひらひらと(ふらふらと?)神社に入ってきた。

「やっほい。……お、黒魔術師じゃん」

あれは確か、紅魔館の周りの湖で遊んでる妖精だったか
いつだったか、からかってやったこともあったなぁ。

「ふんっ、私は黒魔術師なんかじゃない
普通の魔法使い様だぜ。―――そもそも魔法とは魔術とは違い近代技術ではなしえないことを魔法と言い現在5種類の魔法が確認されてるが」
「また霖之助さんのところで変な本を買ってきたのね」

怪しげな物語について語り始める魔理沙をやんわりと牽制する霊夢
息はぴったりであった。

「……げほんっ。いいか、チルノ。お前じゃ私には敵わない。
 そろそろ良い加減につっかかってくるのをやめることだ」

キリッっという音が聞こえてきそうなほどに胸を張って威張る魔理沙
努力してるんだから、それ相応に実力者ぶればいいのに。やはり普通の魔法使い止まりなのか。

「えっ あたいこれであんたと会うの二回目なんだけど」
「えっ 何それこわいぜ」
「えっ」
「えっ」

妖精のほう、チルノと言うようだ、は相当な健忘症らしい。
鳥の血筋でも流れているのかもしれない。

「とにかくあの日で会ったが地獄の沙汰!一石二鳥がどうのこうの!今すぐ勝負しなさい!魔法使い!」
「……見せてやるよ!ブレイブルーの真の力を!!!!」

成り行きで勝負をすることになった二人だが
巫女は何をしているのだろうか……一応人間と妖怪の争いごとだとは思うのだが。
冷めた顔でお茶を啜る霊夢の横顔からは、ただ面倒くさいという文字しか読み取れなかった。







さて、魔理沙たちご一行は紅魔館前の湖に到着した。
霊夢は連れてこられたらしい。が何やらにやけている……きっと茶柱でも立っていたのだろう。

「はじめるぜ!バトォワァン!ディサイドザディスティニー!」
「はぁぁぁぁあぁぁぁぁぁ!黙想ッ!!!!!」
「はいこのスペルカードバトルははくれいのみこがみてますんでがんばってねー」

血潮に滾る二人と対照的に、博麗の巫女はどこまでも適当だった。
一瞬その顔を見ていると何かとてつもない怖さを感じてしまったが、すぐに気のせいだと思い直す。
私は別に人間から逃げたわけでも何でもないのだ。

「地獄はねぇよ!あるのは無だけだ!マスタアアアアアスパアアアアアアアアク!」
「こっちはこれだ!凍符!北斗!有情破顔拳!はぁーっ!」

最早二人とも弾幕戦になっていなかったが、これはこれで面白いと思い直した。
いかに極太のレーザーを撃つか。いや、一介の妖精がなんであんな太いレーザーを撃てるのかとか考えてはいけない気がする。
よく考えたら人間がレーザーを打てること自体おかしい、いやおかしくない。
ここでは当たり前。そうでしょ?私がそうでしょって言ったらうんって答えてね。出ないと音止めちゃうよ?あれ?

レーザーの応酬。
魔理沙の熱とチルノの冷気。二つのレーザーとその持ち主は、中々美しい戦闘を繰り広げていた。
消耗戦になるのか。そう思われたその時、チルノが急に叫んだ。

「ふんっ、やるわね魔法使い!だが、あたしと霊夢の合体攻撃には耐えられまい!」
「ええ、私?」
「何が来るって言うんだ、おそろしい震えてきやがったマジ怖いです」

ほほう、どうやら切り札を切ろうとしているようだ。
実際ここまではこの弾幕戦(?)は互角に推移していた。ここで切り札を切るというのは中々の状況判断力で
やはりチルノが妖精であることを疑わせる。

「亜空穴っ!!!!」

チルノが攻撃の名前を大声で唱えて、……いや、何で大声で唱えるのさ

「しまった、後ろッ!?」

完全に後ろを取った。今攻撃をすれば致命傷になるだろう。
チルノが動いた……魔理沙はまだ振り向けない。チルノの勝ちか!

「食らえッ……ゼロ距離アイシクルフォール!」

い、いや、まだだ。まだ魔理沙は諦めていない。
その目にはむしろ勝利への道が見えてるかのような光が宿っていた。

「チルノ。お前の敗因はたった一つ。『てめーは私を怒らせた』
 スパークとか非想の剣のようなッ!超高密度のエネルギーはッ!!尻からも出せるんだよッ!!!!」

壮絶な爆発音が辺りに響き、湖が割れた。
後には勝ち誇った表情と呆れ返った表情とただの水が残った。
どうせ妖精だからどうにでもなるだろう。氷ででも冷やしておくか。

「今のは?」

霊夢が呆れ帰った声で魔理沙に訊いた。

「尻レーザー」

魔理沙が勝ち誇った声で霊夢に答えた。

「……今のをどう思う?」

なんて酷いオチなんだ。出オチだ。出オチとかそういうレベルじゃない。
尻からレーザーとか小学生でも考えやしまい。そういう次元だ。ってあれ?

「魔理沙。幻滅したわ……二度と神社に立ち入らないでね」
「えっ ちょっと待ってくれよ!ただのジョークじゃないか!」
「面白くないジョークは嫌いな性質なの。……チルノ!萃香!神社に戻って、お茶でも飲みましょう」

あれ?頭の中が疑問でいっぱいになる。
なんで、私、バレて、るの……?

「ちょっと、無視は酷いと思わない?ねぇ聞いてる?えっ……まさか、それ、隠れてたの?」

えっ

「っしぬかと思ったー!あ、あたい死なないんだっけ?あれ?死ぬって何だっけ」
「気持ち良いことだぜ!」
「なるほど、気持ち良いことなのか!なるほど!
 っと。さっきからそこにいた妖怪!」

あれっ

「んお、子鬼っち。どうした?また私の研究を受けたくなったのか?それとも酒か?
 さっきから黙ってそこにいるもんだから、てっきり話せないのかと思ってたぜ?」

あれー……?

「ちょっと、何よその顔は……そりゃあんたが本気出せば私も本気出さないと見つからないけど。
 自分から寂しそうにしておいてそれはないんじゃない?」

そうか。私は寂しかったのだろうか。
いつも通りにしていたつもりなのだけれど。それならいつも寂しいのだろうか。

「おい寂しかったのか?……そうか、そういや、んー……宴会異変からもうずいぶん経つな
 たまには宴会開くか」

寂しくなんて、ないはずなんだけれどな。

「え、また準備私ぃ?」

いや、寂しくなんて無かったよ。

「いやなのか?」
「またお酒持ってきてね」
「そろそろ私もお金がやばいんだが。……異変起きないかな」

だからこの温かさも別にどうってことない。

「おい、妖怪。ぼーっとしてどうしたん?もっともっと騒ごうよ!」
「……ん、ああ、そうだねぇ。……あのさ、すっごく恥ずかしいんだけど」

すっごく恥ずかしい。これじゃあまさに頭隠して尻隠さず、壁から目が出て障子に耳が出る。
顔がまっかっかになっていくのが分かる。
これはちょっと分が悪い。逃げ出そうとした手を……掴まれた。

「知ってるわよ。寂しかったんでしょ?とりあえずあんたも弾幕していったら?
人が好きな鬼なんて珍しいわねぇ」

霊夢がにやにやしながらこっちの目を見てくる

「ふぅ、まぁ私の尻レーザーにスキはなかったというところだな。
おいチルノ、酒は飲めるか?」

魔理沙もにやにやしながらこっちを見てくる

「フッ、好きにしろ」

チルノも空気を読んだのか楽しそうだ。一番こいつが腹立つ……

「よっしゃあ霊夢、今から宴会だぜ!」
「はいはい。宴会というには少なすぎる気もするけどね」

霊夢と魔理沙はこっちに気を使っているのか

「こいつに任せればあっという間に二千人単位になるぜ」
「そうね。……で、お金は?」

それともただやりたいことやってるのかがわからなくて

「知りません。尻れーざーだけに。」
「「えっなにそれこわい」」

それでもやっぱり良い人間なのだなと

「おい、なんだよこの微妙な空気は……私のお陰だろ?なんかこんなほんわかな空気になったのは
 おい紀伊店のか、oi、おい……すいまえんでした;;」
「とりあえず私はこの足で里に買い物行くから、魔理沙とチルノは料理でもしてなさい。ただしきのこ料理はしたらいけない」

私は思った。

「ほら、萃香、行くよ!」
「全くもう、霊夢たちは強引だなあ……」
「あなたがやって欲しそうな目で見てたんでしょうが……ああ、もういいわ。鬼はそういう奴らばっかりなんだから本当にもう」
「ちょっとー、それ聞き捨てなら無いね!鬼は人
「はいはい、じゃあチルノ、魔理沙をよろしく」
「まかされた!」


今日も、どうやらいつもどおりらしい
ああ、やっぱり人間なんて大嫌いだ。多分。                 ( 完 )
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