俺とさとりと時々ゆうかりん


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…さとりと喧嘩をした。
理由?わからない。
怒らせるような事は言った覚えは無いが…もしかしたら知らず知らずの内に彼女を傷つけていたのだろうか…?
それなら明日謝ろう。
…そういえば前回もこんな事があったが、その時は何故か謝る前に許してもらったな…
心の中で謝罪の言葉を反芻していたが、それがいつの間にか口に出ていたのだろうか?

誠心誠意謝罪すれば彼女はきっと許してくれるだろう。
そして、私がずっと心に秘めている…彼女を本当に愛している気持ちを伝えよう
裏表の無い性格が私の唯一のとりえなのだから・・・





~所変わって地霊殿~

…あの人と喧嘩をしてしまった…
理由?どう考えても私の我侭。
私の能力を伝えていないあの人には、なんで私が怒ったのか検討もついていないだろう

‐心を読む程度の能力‐
怨霊も恐れ、怯むこの力こそがさとりの能力である。
そんな力を持っていることを普通の人間が知ればどうなるか…どうなるかは火を見るより明らかである。

「なんで、こんな事で迷わなくちゃいけないんだろう…」
彼女は悩んでいた。
この能力はいつかは「あの人」に知られてしまうだろう。それならば自分から言った方がマシではないかと…
それを躊躇っているのは、少しでも「あの人」と一緒に過ごしたいからなのだろうか。(さとり本人は否定しているが)

「嘘を付いて少しずつ嫌われるか…本当のことを言って一気に嫌われるか…」
「なんとか嫌われない方法は無いのかしら…」
そんな事を考えながら地霊殿の夜は更けていく…明日になればこの関係が崩れるとも知らずに…



~次の日~
さっそく私はさとりに謝りに地霊殿に行く用意をした。
‐何か持って行った方がいいかな…?
謝りに行くのだからてぶらではマズイのではないだろうか…?そう思っていると一軒の花屋が目に付いた。
そこには色とりどりの季節の花が所狭しと並べられていて、店主と客が談笑していた。
『いらっしゃい!どれか希望の花はあるかい?特に無いならこの人に見繕ってもらうってのもあるがどうする?』

この人…?
私が視線を向けるとその先には日傘を差した女性がニコニコとした様子で話しかけてきた。
「どうも初めまして、風見幽香といいます。よろしくね。」
そう微笑んできた緑髪の女性は、優しそうな雰囲気と恐ろしい雰囲気の二面性を備えているようで不思議な気分になった。

‐実は…
私は恥を忍んで彼女に事の顛末を伝えた。
さとりと喧嘩した事、さとりと仲直りしたい事、そして、さとりに自分の気持ちを伝える事も…
初対面の彼女にこんなことを話すのは正直気が引けた…。が、何故か彼女には、何でも話せるような不思議な雰囲気を持っていた。
それだけ彼女には魅力があるのだろう。と、そんなことを考えていると彼女は口を開いた
「さとりって地霊殿の主のことかしら?彼女の能力を知ってて告白するなんて・・・フフッ、あなたも好き物ね」

‐彼女の能力?

「あら、あなた…そんな事も知らないで告白しようとしてるの?…そうねぇ、それならこの花がいいかしら」
そういって彼女が私にすすめてきたのは紫色とピンク色の鮮やかな色の花だった
‐これは?
「綺麗でしょう?これはね、゛アネモネ゛っていう花よ。今のあなたにピッタリだわ」
‐そうなんですか?確かに綺麗な花ですねぇ…
特に何を買うかなど決めていなかったので、私はこのアネモネを持ってさとりに謝りに行く事にした…

『まいどあり!』
しかし、今思えば、そう言ってる彼女の顔は心なしか今まで見た笑顔とどこか違う笑顔だった…。

・・・・・・『幽香さん…いいんですか?アネモネの花言葉って確か・・・』
「フフフ、だって面白いじゃない?彼女の能力を知ったらあの子はどう行動するのか…考えただけでゾクゾクしちゃうわぁ…」
『やっぱりこの人は恐ろしいな…』



~地霊殿~
地霊殿は空の見えない、旧地獄の中心にある灼熱地獄跡に建っている。
普通の人間である私がこうして行ける様になったのも、博麗の巫女とやらが異変を解決してくれたおかげらしい。
そういう意味では博麗の巫女には感謝しなければいけない。賽銭は死んでもやらないが。
そうこうしている内に地霊殿に到着した。いつも通り、いつもの場所に彼女はいた。

「またあなたですか…良く飽きませんね」
そう言って普段と変わらず無表情で私に話し掛けてきた。

「無愛想で悪かったですね。そんな奴に会っても楽しくないんじゃないですか…?」
!?口に出てしまっていたのか…?謝りに来たのに逆効果になっては色々とマズイな。さっさと本題に入ろう。

‐実は昨日の事で謝りに来たんだ。お詫びに花も持ってきたんだけど…それと、大事な事も言いたくて。
「大事な事…ですか。それにしても…綺麗な花ですね。なんていう名前なんですか?」
‐゛アネモネ゛っていうらしいんだ。花に詳しい人に「あなたにピッタリ」って薦められたんだ。理由は知らないけど。
「フフッ、相変わらず適当ですね…まぁ、花に免じて昨日の事は許してあげます。
…それと、大事な事を言う前に、私から1つ言ってなかった事があるのですが…聞いてくれますか?」

言ってなかった事?彼女が妖怪というのはもちろん知っている。
もしかして、幽香さんが言っていた゛彼女の能力゛の事だろうか…?
地獄の妖怪は忌み嫌われる能力を持っているとは聞く…でも、それは人じゃなくて妖怪に嫌われる能力じゃないのか?
そんな事を思っていると、彼女は 唐突に 口を 開いた。

「いいえ、私の能力は人にも妖怪にも忌み嫌われる能力です。」
あぁ、また口n「あなたは…さっきから、一言も喋って…いませんよ。」

‐え?じゃあ…なんで…
「私の能力は…゛心を読む程度の能力゛つまり…あなたの思ってる事はすべて私には筒抜けなんです。」

…と言う事は、今まで考えていた事は全部彼女に知られていたって事なのか…?
下らない事も。邪な気持ちも。隠していた事も。…秘めていた 想いも。
「えぇ、そうです。すべて聞こえていました。」

だが、そんな事で今更彼女への気持ちが変わるはずが無いだろう。
相手に自分の気持ちはもう伝わっている。
伝わっていて、私に会ってくれているという事は、彼女もこの気持ちを受け入れてくれたという事だ。
あとは、それを声にして、言葉にして、伝えるだけ。
伝えるだけなのに…
気付けば 私は さとりのもとから ニゲダシテイタ
彼女のために持ってきたアネモネの花を残して…



……「あの人」に私の能力は伝えた。
こうなることは火を見るより明らかだった。なのに、心のどこかで(もしかしたら)って気持ちが残っていた。
それは、ただの私の願望であり我侭に過ぎないというのに…
「私は…どうしてこんなに愚かなんでしょうね…。」

さとりは、誰に言うでもなく1人ポツリと呟いた。「あの人」が帰ったあと、1人そこに立っていた。
さとりは動こうとしなかった。…いや、動けなかったのかもしれない。
最後まで葛藤していた。自分の能力を伝えるのか…それとも、誰かに知らされるまで黙っていようか…
さとりは「あの人」の裏表のない誠実さに惹かれたのであった。
だから、自分も正直に自分の能力を伝えた…誰かに言われるぐらいなら自分で言った方がマシだと判断したのだろう

「あれ…?おかしいですね…地霊殿が雨漏りするなんて」
今日も地霊殿は空の見えない旧地獄に存在している。
ただ、この瞬間だけ…そう、この瞬間だけ…さとりの周辺には、雨が降っていたのかもしれない…

【アネモネの花言葉 期待 はかない恋 薄れゆく希望】





~前回の出来事から数日がたった…

「ねぇ幽香!何かお話をしてよ!」
鈴蘭の花畑で、人形のような容姿の少女が、幽香と呼ぶ女性に話しかけている。
『お話?そうねぇ…こんなお話はどうかしら?』

……むかし むかし あるところに 一人のわかい男がいました。
男は一人のわかいむすめに恋をしました。
むすめも、だんだん男の事が好きになりました。
しかし、むすめにはひみつがありました。それは、むすめが心を読むようかい「さとり」だったのです。
むすめは自分の力を男に伝えるかなやみました…なやんだ結果、むすめは男に自分のちから正直にをつたえました。
男はおどろきました。今まで自分が考えていた事がすべてむすめに知られていたからです。
男はきょうふのあまりにげだしてしまいました。
むすめはいつまでも…そう、いつまでも泣いてすごすことになりました。もしかしたら、男が戻ってきてくれるかもしれない…
そんなことを思いながら…アネモネの花をそばに置いて…

幽香が話を終えると、少女は難しそうな顔をして考え込んでいる。
『あら?あなたにはまだ難しすぎる話だったかしら?』
幽香はニッコリと微笑みながら訊ねた。
「うーん…よく分からないなぁ…」
「その男の人は女の人が好きだったんでしょう?それなのに、能力を知ったぐらいで逃げ出すなんて変じゃない?」

『フフッ。人間はね、妖怪みたいに心は強くないのよ?』
『それにね?』
『自分の知られたくない隠し事が相手に勝手に知られるのはあまり気持ちのいいものじゃないわ』
『そうでしょう?』
幽香は、そう言ってニッコリと私の方を向いた。

「え?今の話って作り話じゃないの?」
少女は驚いた様子でこちらを見ている。当たり前だ。作り話だと思ったら実際に起こった話で
その当事者が目の前にいるのだから…

『で?あなたはどうしたいのかしら?』
『彼女にもう二度と会わない選択肢と…逃げ出しておいてわざわざ戻ってくる選択肢があるけれど…』
『あなたはどっちを選ぶのかしら?』

この数日間…私は悩んだ。
自分独りで勝手に先走って、勝手に行動してしまった事。
彼女なりに悩んだ末の決断を最悪の形で応えてしまった事。
そして…自分の気持ちを伝え切れなかった事。
そして、私は決意した。今度は私が彼女の想いを受け止めるという事を。

‐幽香さん
『何かしら?』
‐また…花を選んでくれませんか?
『そうねぇ…じゃあカンパニュラでどうかしら?あの花屋の店主に注文すればいいわ。』
『それとね…さとりっていう妖怪はね、思っても見ない事をされると驚くものなのよ?』
‐そんなアドバイスを貰っても…

『あら?結構役に立つと私は思うわよ?』
うーむ…どうして彼女の笑顔がこんなにも不気味なんだろうか…?
思っても見ない事か…あれしかないよなぁ…?

‐とりあえず、やれるだけの事はやりますよ
『健闘を祈っているわ』
「何だか良く解らないけどがんばれー」
二人に励まされて、私はカンバニュラを片手に地霊殿に赴く事にした…
【カンバニュラの花言葉 誠実 不変 後悔 思いを告げる】






~地霊殿~
今日も地霊殿は空の見えない旧地獄に存在している。
そして彼女もいつもと変わらない場所にいる。


……「あの人」がここに来なくてもう何日経ったのだろうか…?
数日しか経っていないかもしれない。
もしかしたら数年経っているのかもしれない…

「もう会えないんだろうな…」
そうポツリと呟いていると、何処からか…懐かしくて…今まで聴きたかった声が聞こえてきた。
(さとり…?おーい?聞こえてる?)
幻聴まで聴こえるなんて…「あの人」の存在は私の中でそこまで大きくなっていたのかしら。
(もしかして無視されている?うーん…幽香さんが言ってた事をやればいいのかな?)
そんな事を考えていると急に体の自由が無くなった。
動こうにも何かに動きを遮られて動けない…
「なんで動けないの…?」
‐俺が抱き締めているからじゃないかな?

「!!!???」

なんで? なんで「あの人」が目の前にいて、私を抱き締めているの?わからない!
(お、やっと気付いた)
いや、そうじゃなくて!え?何で?わからない!ここは一旦離れよう!

「人間ってのはわからないものですねぇ…」
そう言って離れようとしたのに、「あの人」に抱き締められているせいで離れられない。
(お、急にバタバタしだした)
そりゃぁ、本気をだせば私だって妖怪の端くれだもの、離れる事ぐらい簡単だ。
でも、今まで会いたかった人に抱き締められてる状況で本心から離れたいなんて思えるわけないじゃない!

「どうして…」
‐ん?
「どうして…今更会いに来たんですか?私の能力は教えましたよね?」
「あなたの考えてる事は全部わかるんですよ?隠している事も!知られたくない事も!嫌な事も!」
「こんな能力だから私は地霊殿にいるというのに…!」
そう言って、私は初めて「あの人」の前で大粒の涙を零してしまった…
心を読む能力を気付かれないように「あの人」の前ではずっと感情を表現しないようにしていたのに…


…驚いた。彼女がこんなに感情を露にしたのは初めて見るかもしれない。
無表情だと思っていたが…あれは彼女なりの優しさだったのだろうか?
私も゛心を読む程度の能力゛を持った彼女に自分の気持ちを、正直に「自分の口で」伝える事にした。

‐この数日色々悩んで…後悔して…決心したんだ。
‐君の能力と正面から向き合おうって。…ワガママかな?

「ズルイです…そんなの…」
「そんなこと言われて…断れる訳ないじゃないですか…」
そう言って彼女は私を抱き締め返してきてくれた。
私も抱き締め返したが、彼女の体は今にも折れそうなほど華奢だと感じてしまった。
怨霊も恐れる彼女の能力だが、彼女自体はこんなにも儚く、繊細だった…

「私は…あなたの考えている事は全部わかるんですよ?」
‐知っているよ。
「浮気したらすぐわかるんですよ?橋姫より嫉妬狂いかもしれませんよ?」
‐それでも構わないよ。
「私は…私は…グスッ」

そう言って彼女は言葉に詰まってしまった…
彼女の感情の箍が外れてしまったのだろう。
私は彼女をそっと抱き締めて、頭を撫でる事しか出来なかった…






今日も地霊殿は空の見えない旧地獄に存在している。
普段と違うのは…地霊殿の主であるさとりの傍に2種類の花と…1人の男がいることだろう…

‐ところでこの花は何?
「実は風見幽香って方がお燐にですね
『この花を地霊殿の主に渡しててくれないかしら?彼女にピッタリの花なのよ』って渡してくれたんですよ。」
(そしてピッタリな理由は知らない…と。)
「誰かさんもそんな事がありませんでしたっけ…?クロッカスって花らしいんですけどねぇ…何処がピッタリなんでしょうね?」
以前よりも、さとりは表情が豊かになった。
嬉しい時は笑い、悲しい時は泣き、嫌な事があると怒り、喜怒哀楽がわかりやすくなった。
彼女は本来はこんなにも感情豊かな少女だったのだろう。あの能力がなければ…

‐まぁ、どうだっていいんじゃない?それより1つだけ聞きたい事があるんだけど…いいかな?
「えぇ、なんでしょう?」
‐あの日…なんで怒ってたの?出来たら理由が知りたいんだ。      ※あの日=初日
「あぁ…あの日ですか…どうしても知りたいですか?」
‐いや…無理にとは言わないけどね?直さなきゃいけない事なら直しておきたいし…
(是非!是非とも知りたい!)
「フフッ…私の能力はもう知ってますよね…」

しまった!?本音が出てしまったか…
「実は、少し恥ずかしい理由なんですけどね…絶対に笑いませんか?」
‐多分…いや、絶対!絶対だから!

「…まぁいいでしょう。私の能力は心を読む程度の能力ですよね?ですから…あなたが私に…そのこ、好意を持ってるのはわかってたんですよ。」
「でも、あなたは全然それを私に言ってくれないじゃないですか!」
「だから…その…ですね」
珍しく彼女にしては歯切れが悪い。そんなにも言い辛い事なのだろうか?

「心でわかっていても…言葉で伝えてくれないと…その…心に…届かないんですよ?」
そう言った彼女の顔は…今まで見たことがないくら真っ赤で…とてもいとおしく思えた。

おわり

【クロッカスの花言葉 あなたを待っています 私を裏切らないで】



【あとがき】
6000文字くらいですかね?
読破どうもありがとうございます。
居民の紳士の2レスがここまで膨らみました。
また機会があれば読んで頂けたら幸いです。今度はちゃんと纏められるように・・・
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