日々是栄和
【 役作り 】 その10
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匿名ユーザー
【 役作り 】 その10
さて、【 役作り 】編 第10回。今回は【 トイトイ 】のお話。
麻雀のスタイルをごく大雑把に分けるとすると、 【 面前派 】 と 【 鳴き派 】に分かれます。
で、麻雀というものは不思議なことに、一度はこの【 面前派 】を通ります。特に上手くなろうとする人ほどそういう傾向がある。
その【 面前派 】最大の敵(笑)、【 トイトイ 】が今回ご紹介する役。
ではまずいつもの通り、その定義から。
○ 【 トイトイ 】は、面子構成が すべて刻子 であること
いじょ。
これだけです。補足するなら、
○ 刻子は槓子であっても構わない
という一文だけですかね。
刻子、槓子についてわからない方は以前の麻雀雑考を参考にしてください。
すなわち、 ポンポン鳴いてオッケェな役である と言える。
逆に鳴かずに完成させるには難易度が高い。
麻雀を覚えたての初心者は、【 トイトイ 】を好む傾向がアリマス。まーわかりやすいからね。対子があったら鳴けばいい、みたいな。
んでは、実際のところドウナノカ? メリット・デメリットでみてみよう。
● メリット
1.ポンを有効活用することができ、聴牌までが早い(時が多い)
2.単騎待ちもしくはシャボ待ちになるので、当たり牌を読まれにくい
3.ドラを複数抱えることができるので、爆発力が大きい
● デメリット
1.牌を晒すことが多くなり、防御力が下がりやすい
2.牌効率が実は悪く、ツモ牌では面子系に枚数負けしやすい
3.他の役との複合がやや難しい
こんなところかな。
では解説。
配牌が以下だったと仮定する。
東一局 南家
東パツから、もぉやる気ナッスィング。
一応4面子1雀頭あるので中途半端な印象。
が、ここで第一ツモが
ツモ
なんてくるとこれはもう【 トイトイ 】ターイム。
こりゃもう 切って一直線ですな。
ここで冷静に手牌をみてみよう。
対子 :
孤立牌 :
以上のような構成の中、4面子1雀頭を刻子で作り上げるには、
1. 対子の4つをすべて刻子化
2. 対子3つを刻子化、孤立牌のうち1つを対子化
で完成する。
この1. もしくは 2. を成立させるために ポンが活用される。
もちろんツモっても良いわけだ。
だが、ツモは【 1巡で1枚 】に対し、他人の捨て牌は【 1巡で3枚 】ある。
ここが大きなポイント。あとで【 トイトイ 】の狙い方のところでも出るので要チェック。
極端に言えば、一度もツモらなくても和了がれる
まー実際には見たことありませんが。
ではメリット2.
こんな捨て牌はどうか。
ポン
で、 何気なく を切るとロン。
わかるか。
いぁ、 → と切っているところで警戒しなくてはいけないんですけどね。
このように、 相手一人の捨て牌を見て待ちや聴牌を察しようとする人ほど 単騎待ち、シャボ待ちに刺さります。
やはり全体を見なければいけない。
交差点の出会い頭で車と衝突しないようにと、一時停止線をギリギリまで突っ込んでくる人ほど歩行者を轢きます。ご注意あれ。
3.はもうおわかりですね。
ドラをポン した快感(優越感)は誰しも経験あるはず。
得点が一気に4倍になります。雀頭で2枚でも同じ。これは強力。なかなかないけどね。
また、 鳴いても食い下がりがない のも【 トイトイ 】の魅力の一つ。
では逆にデメリット。
1.はわかりますかね。
防御力ゼロ。たまに緊張感を味わうにはイイデスが。。。
こういう状態をリアル麻雀でやってると、オープンリーチをかけられ、その夜の枕を涙で濡らすことになります。
2.は効率のお話。
メリットのところでも触れたが、【 トイトイ 】 は 聴牌までは ポンできる分早い。
しかし、聴牌してしまうと、待ち牌の数は限られる。
例1 :
例2 :
明刻が暗刻になる部分を考慮に入れないと、待ちは上の2種類しかない。
注 : ただし複合面子による【 トイトイ 】にならない状態がある場合を除く
1.の例では2種4枚。
2.の例では1種3枚。
非常に待ちが悪いと言える。
よって、【 ピンフ 】系の追っかけに負けることもしばしば。
【 チートイツ 】 と同じく、 【 和了がりやすさ 】 を常に考慮しなければならない役の一つである。
3.は例によって以下の表を参照してください。
難易度 易 | 難易度 中 | 難易度 難 | 難易度 不可 |
---|---|---|---|
○【 ヤクハイ 】 | ○【 ホンイツ 】 | ○【 タンヤオ 】 | ○【 チートイツ 】 |
○【 サンショク 】 | ○【 サンカンツ 】 | ○【 ピンフ 】 | |
↑ ※三色同刻の方 | ○【 リーチ 】 | ○【 イッツー 】 | |
○【 ホンロウトウ 】 | ○【 ツモ 】 | ○【 リャンペーコ 】 | |
○【 サンアンコウ 】 | ↑ ※四暗刻になる | ○【 チャンタ 】 | |
○【 ショウサンゲン 】 | ○【 チンイツ 】 | ○【 イーペーコ 】 | |
○【 ジュンチャン 】 |
まーこんなところですか。幅が狭いのぉ。。。
総論すると、【 トイトイ 】は機動力がある分、発展性には欠けます。
どっしりと構えられると意外に苦しい。
つまり【 トイトイ 】の最大の武器は 機動力 にあるわけで、ここのところをはきちがえると
【 和了がれないトイトイ 】になってしまい、周りの餌食と化す。
機動力が武器であるからには、当然序盤勝負。
すると必然的に、「 鳴きやすい牌 」というものが出てくる。
順序良く並べると、
① 字牌
② 1・9牌
③ 2・8牌
となる。
つまり、上記のような対子があるときに【 トイトイ 】を狙うべきで、そうでない時は困難である。
例を。
【 トイトイ 】狙い の配牌 :
【 トイトイ 】狙いっぽいが、難しい配牌 :
同じ【 4対子 】でも鳴きやすさに差が出ます。
下の例だと狙うのはムリっぽいね。
さて、こんなところ。
【 トイトイ 】は鳴きが重要な要素を締める分、手作りよりは戦術的要素が大きい。実はベテラン向きな役なのです。
特に中級者の方はこの【 トイトイ 】を軽視しがちだが、ゲリラ戦術として、あるいはもう一つ別の、
非常に強力な完成型があって戦術として活用できる。
次回はその【 トイトイ 】究極奥義(というほどでもないが)、【 四暗刻 】について解説しよう。
僕が最も好きな役でもあります。単に個人的な思い入れという気がしないでもないが。