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【 棒テン理論 】 そのⅲ

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【 棒テン理論 】 そのⅲ

 【 棒テン理論 】編、第3回。
 今回は「 捌く 」ということを念頭に考察してみよう。

 当たり前のことではあるが、麻雀は必要な牌だけをツモってくるとは限らない。
 となると、必然的に牌の優先順位を付けて残す牌、切る牌を区別する。
 それは個別の「 何切る 」的な判断ではなく、全体的な牌効率を左右する考え方なので、ここで詳細をみてみよう。


 まずは基本的なおさらいから。


 麻雀は聴牌に至るまでに、3つの面子と1つの雀頭を作っていくことにより進行する。
 そして面子の種類には2種類ある。


 1. 順子
 2. 刻子


 槓子というものもあるが、これは刻子に含めることとする。


 この場合、面子はすべて暗順、暗刻として考える。【 棒テン 】は面前で進めなければならないからだ。


 となると、2.の刻子を作ることが出来る確率は非常に低くなる。
 順番に考えてみよう。話を単純化するために  で考える。


 ① 単独  から塔子・対子になる比較
 

 1.塔子     4種16枚
 2.対子     1種3枚


 ② 塔子・対子から面子になる比較

 
 1.塔子  +    +   +   +  6種24枚


 2.対子  +  1種2枚

 

 と、単純に考えただけでもこれだけの違いがある。


 仮にこれが最も使いづらい  であったらどうか。


 ③ 単独  から塔子・対子になる比較
 1.塔子   2種8枚
 2.対子   1種3枚


 ② 塔子・対子から面子になる比較
 1.塔子  +   +  2種8枚
 2.対子  +       1種2枚


 となり、ここでもかなりの差がある。


 つまり、以下のように結論がでる。


 暗順 > 暗刻


 塔子 > 対子


 また、字牌は順子に出来ないことを考えると、


 数牌 > 字牌


 である。


 厄介なことに、麻雀は面子だけを作ればいいというわけではなく、雀頭も作らなければならない。

 よって対子に利用価値がないというわけではもちろんない。


 さらに数牌の中での利用価値を見てみよう。


 刻子を作る確率は字牌を含めてすべての牌で同じであることがわかった。
 ではそれを考慮せず、順子を作るために各々の数牌が寄与する力配分はどの程度であるか。順に追ってみよう。


 1. 
  塔子   2種
  面子     2種


 2. 
  塔子    3種
  面子       4種


 3. 
  塔子     4種
  面子         6種


 4. 
  塔子     4種
  面子         6種


 5. 
  塔子     4種
  面子         6種
 
 以下、  =  、  =  、  =  、  =  である。


 このように比較すると、


  >  > 


 となることがわかる。


 ここまでは基本中の基本。だれでも感覚的に掴んでいるであろう。


 では  =  =  であるのか。


 これを説明するためには「 塔子の進化 」を追わなければならない。
 中間的に念を押すが、あくまで手を進めるための利用率である。


 塔子には以下の種類がある。


 1. 辺塔 【 ペンター 】  1種4枚
 2. 嵌塔 【 カンター  】  1種4枚
 3. 両塔 【 リャンター 】  2種8枚


 前回の雑考でも、この【 両塔 】が優秀であることがわかった。


 では 【 辺塔 】 = 【 嵌塔 】 かというと、そうではない。
 それは、これらが両塔に変化できるかどうかによる。


 嵌塔は1枚で両塔に変化することが出来る。
 まずは嵌塔の種類を細分化してみよう。


 1. 嵌塔A
  →  +  → 
  →  +  → 
  →  +  → 
  →  +  → 


 2. 嵌塔B
  →  +  →  or  +  → 
  →  +  →  or  +  → 
  →  +  →  or  +  → 


 嵌塔Aよりも嵌塔Bのほうが2方向に変化できる分優秀である。

 一方、辺塔の変化を見てみると、


 3. 辺塔
  →  +  → 
  →  +  → 


 というように、辺塔は嵌塔Aにしかなり得ない。よって、


 両塔 > 嵌塔B > 嵌塔A > 辺塔 


 がまず成り立つ。
 
 この「 塔子の進化 」の際に、両塔に変化するのに必要な牌をもう一度みてみよう。

 1. 嵌塔Aからは  が2回、  が2回
 2. 嵌塔Bからは  が2回、  が2回、  が2回


 となり、これに辺塔からの変化を合わせると以下のようになる。
 (  は単独牌なので便宜上2倍する)


  ・・・ 0回
  ・・・ 2回
  ・・・ 2回
  ・・・ 6回
    ・・・ 4回


 これらをまとめると、


  >  >  >  >  > 字牌


 という結論が出てくる。

 ここまで非常に基本的なことをずらずらと並べてきたが、まとめると、


 ① すべての牌の優先順位を並べると
  >  >  >  >  > 字牌 である

 ② 面子の候補という意味では
 塔子 > 対子 である

 ③ 塔子の中での優先順位は
 両塔 > 嵌塔B > 嵌塔A > 辺塔 である

 実はこのほかにさまざまな規則があり、条件別の差異も存在するのだがこれは別途説明する。
 とりあえずこの基本を頭に叩き込んでおきたい。


 では個別に実戦例をみてみよう。


 【 例① 】
  ツモ  →  切り


 めでたくカンチャンが入り、捨て牌候補は    の三つ。
 上記の不等式に当てはめると、  >  >  なので当然の  切りとなる。


 【 例② 】
  ツモ  →  切り


  と  同じ浮き牌で数も同じ3とくれば、どちらを切ってもいいように思える。
 が、  は  と  の好形の両塔である。よって  切り。


  ツモ  →  切り


 次巡このようになった。ここでは    の中から一つの塔子を落とすことになる。
 先ほどの不等式では 両塔 > 嵌塔 なのでここでは  を落とす。


 【 例③ 】
  ツモ  →  切り


 この例を細分化すると、     の4つの塔子があることになる。
 よって 嵌塔 > 辺塔 であり、  切りが正しい。
 対戦を観戦していると、ここで  や  を切ってしまい、最終待ちがペン  になってしまう人も意外に多い。


 【 例④ 】
  ツモ  →  切り


 好形のほうがやはり伸びてきた。ここで何を切るか。
 嵌塔 > 辺塔 なので  切りのように見えるがそうではない。
 この  は  の3種8枚の待ちで面子+雀頭になることが出来る。

 よってこの好形は取っておいて、  か  を落とす。
 同じ嵌塔なら 嵌塔B > 嵌塔Aなので、ここでは  切りが正しい。


 【 例⑤ 】
  ツモ  →  切り


 ここで  を切る手は一応ある。が、  が 

 に発展する可能性を考えると、この  は雀頭候補として残しておきたい。
 ではここでは    が候補だろうか。
 ここに  がある。この  は浮き牌と考えても良いだろう。よってここは  切りが正しい。
 この状態で  や  を切ってしまう人は牌効率が悪い人である。


 【 例⑥ 】
  ツモ  →  切り


 このあたりになると一気に難しくなる。
 イーシャンテンにおいて  をツモった。最も待ちが広くなる選択肢は何であろうか。細かく見てみよう。


  切り           10種33枚
  切り       6種20枚
  切り             12種39枚
  切り           10種33枚


 となり、雀頭確定の 切りが多いように見える。
 しかしリャンメンの変化を見ると、


  切り          9種30枚 (ノベタン含む)
  切り        7種23枚 (ノベタン含む)
  切り        7種23枚


 となり、  切りが最も広い待ちになる。


  ツモ  →  切り


 さて、次巡、裏目の  を持ってきてしまった。
 「 あーあ 」とボヤきながらツモ切りだろうか。


 【 棒テン 】では仮に裏目になっても、より良い可能性を追求しても良いと思われる。
 この辺りは各人の慎重さによって変えても良いと思うが、あくまで【 棒テン 】はツモ和了を目指すので、僕としては、


 待ちさえ良ければフリテンを恐れなくても良い


 と考える。それを考慮に入れると、


  切り              12種39枚 ( フリテンを考えると10種32枚 )
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