【 棒ﾃﾝ理論 】 そのⅵ - 日々是栄和

【　棒ﾃﾝ理論　】　そのⅵ

　

　棒ﾃﾝ理論編、第6回。今回からいよいよ個別の牌効率をみてみよう。

　とはいっても、基本的なおさらいになるのでそういうつもりでお付き合いいただきたい。

　○　-TyapeA-　面子　＋　両塔

　

　5枚の牌があり、　　の面子と　　の両塔が組み合わさっている。
　当然　　　がくればめでたく2面子となるわけだが、実際にはすんなり

　　　を引くとは限らず、　　だったり　　だったりする。

　１．　　＋　

　　をﾂﾓった場合、【　ｲｰﾍﾟｰｺ　】を意識して　　切り、　

　　にする人は多い。

　
　これはこれで間違いではないが、ｳﾗﾄﾞﾗの乗る確率を一枚分少なくする。
　ﾀﾞﾏﾃﾝに移行するなど、それに見合ったメﾒﾘｯﾄがあるのであれば、手をﾞﾌﾞつかせても良いであろう。
　「ｲｰﾍﾟｰｺが出来たら儲けもの」程度で狙うのが良い。

　２．　　＋　

　一般にこの状態になったときにここで　　を切り　　の状態にする人が多い。
　

　何度も言うが【　棒ﾃﾝ　】はﾘｬﾝﾒﾝ命である。【　ｲｰﾍﾟｰｺ　】を狙うのであればﾘｬﾝﾒﾝ待ちを採ったほうが良い。
　

　「競技麻雀ﾙｰﾙ」など、ｲｯﾊﾟﾂ、ｳﾗﾄﾞﾗが存在しないﾙｰﾙでは【　ｲｰﾍﾟｰｺ　】のｳｪｲﾄは大きくなるが、通常のﾊﾝｹﾞ荘ﾙｰﾙであれば、

　【　ｲｰﾍﾟｰｺ　】は敢えて狙う役ではない。
　

　どうしても狙いたい人は【　棒ﾃﾝ　】には向かない。

　３．　　＋　

　多面待ちが好き、という人は多いが、　　　をﾂﾓれ、と念じるあまりにこの　　を忘れる人がいる。
　　を切れば　　という基本3面待ちになる。

　　　が　　　　になるわけだ。
　

　「そんな基本的なことはわかってるよ」と言われるかもしれないが、面子構成が複雑になると意外に見落とされがちである。

　例えば、

　　＋　　　雀頭　＋　面子　＋　両塔

　この形できちんと　　を切れるだろうか。牌効率を高めるということは、常にこういったことを意識することである。

　４．　　＋　

　真ん中が重くなってきた。ここで　　を切る人をたまに見かけるが、牌効率上はあまり意味をなさない選択である。
　

　ﾂﾓ切りした状態と比較すると、同じ2種7枚で効率の面で言えば同じであるが、何度も言うようにｳﾗﾄﾞﾗの乗る確率がだいぶ違ってくる。

　この場合最大で2枚分変わる。
　

　ﾘｬﾝﾒﾝ　→　ｼｬﾎﾞ　への待ちの変化はあまり好ましくない。
　結局、もう一度ﾘｬﾝﾒﾝ待ちに変化を期待しなければいけないからだ。であるなら、最初からﾘｬﾝﾒﾝを残した方が良い。
　山や相手の手牌を読むのを念頭に入れて待ちを変化させるのは、もう少し別の理論である。

　ここまでは基本中の基本。【　牌効率　】というよりは【　常識　】である。
　では次の例はどうか。

　○　-TyapeB-　面子　＋　嵌塔

　

　5枚の牌があり、　　の嵌塔、　　の面子である。
　　待ちで、「　　をﾂﾓらないかなー　」と漠然と考えているとその変化を見落としがちである。

　１．　　＋　

　基本3面待ちへの変化。これは誰でもわかるであろう。　　を切って　　である。

　２．　　＋　

　その次に良い変化であろうか。これでも面子＋両塔である。
　

　　を切って　　の　　　待ちに変化する。

　３．　　＋　

　これも面子＋両塔に変化した。まーいいだろと　　切りであろうか。
　

　良くご覧いただきたい。

　

　別の捨て牌候補を切ったとして、この6枚の状態からは　　　だけではなく、　　も面子になることがおわかりだろうか。

　　＋　　→　　切り　　

　としてしまうと、次巡　　をﾂﾓって来たときに

　　となってしまい、3面待ちを諦め、泣く泣くﾂﾓ切りか、ﾌﾘﾃﾝにの憂き目にあう。
　

　ここに　　があれば　　となり、　　を切って2面子完成である。

　つまり、　　とあったときに、

　　ﾂﾓ　・・・　　が浮き牌となる
　　ﾂﾓ　・・・　　が浮き牌とならない

　ということがわかる。

　すでに聴牌していて待ちを変えるだけならともかく、ｲｰｼｬﾝﾃﾝ以前の変化の多様性を断たないよう気をつけなければならない。

　牌効率を考える上で、この「浮き牌ができるかどうか」が大きなﾎﾟｲﾝﾄとなる。
　

　浮き牌が多い手はそれだけﾑﾀﾞを孕んでいる。このﾑﾀﾞをなくし、手牌全体で効率を上げていくことが最速の和了につながっていく。

　今回は基本をさらっと撫でる程度にしておいて、次回【　嵌塔とｼｬﾎﾞ　】について雑考してみよう。

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