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【 棒テン理論 】 そのⅶ

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【 棒テン理論 】 そのⅶ

 【 棒テン理論 】編、第7回。
 今回は【 嵌塔かシャボか 】というテーマで考察してみよう。
 
 ○ -TyapeC- 嵌塔 + シャボ

  
 
 
 残りの牌は3面子出来ているものとする。聴牌である。
 この場合何を切るか。
 
 1.  切り
 
  で嵌塔待ち。待ちは1種4枚。
 
 2.  切り
 
  でシャボ待ち。待ちは2種4枚。
 
 でどちらも同じに見える。
 
 だがそれは、この手を最終形としてとらえた場合であり、『 変化 』を考えれば自ずと違ってくる。
 
 一昔前までは 『 シャボより嵌塔 』という格言がまかり通っていた。
 その理由は、嵌塔は両塔に変化しうるから、であるが、
 
 
 
 この形から両塔に変化するには  引きの1種4枚しかない。
 それに対し、
 
 
 
 この形から両塔への変化は   の2種8枚。
 つまり、『 変化 』を期待してもシャボ待ちの方が優秀であるといえる。
 
 最終的にこの2つを判断するには、出和了の確率を抜きにして語れない。
 よって、仮に不必要な牌を切るという前提で出和了しやすい牌を並べると、以前の雑考にあった
 『 牌利用率 』を逆にして考えればその確率が算出される。
 
 ④⑥ > ⑤ > ③⑦ > ②⑧ > ①⑨ > 字牌
 
 念のため付け加えるが、これはある一局だけをみてこの順番が正しいというものではない。
 その局面では、  が非常に重要な牌かも知れない。
 だが1,000戦、2,000戦と打てば、この序列に集約すると考えてもらいたい。
 
 この順序を逆にすると、出和了しやすい牌というものは、
 
 字牌 > ①⑨ > ②⑧ > ③⑦ > ⑤ > ④⑥
 
 ということになる。
 これにある程度信頼できる統計の数字をいただいて、各牌の和了率を並べると、
 
 字牌 > ①⑨ > ②⑧ > ③⑦ > ⑤ > ④⑥
 1.57%   1.34%    0.95%   0.69%   0.60%  0.60%
 
 となる。ただしこれは赤牌が入っていない統計なので、赤アリの場合は⑤、④⑥の数字がもっと
 低くなり、⑤と④⑥に差がつくと考えられる。
 
 この数値を認識して、最初の例に戻ろう。
 
 1. 
 
 カン  待ちなので、その出和了の確率を計算すると
 
 0.69% × 4枚 = 2.76%
 
 となる。
 
 2. 
 
   待ちでその確率は、
 
 0.95% × 2枚 + 0.60% × 2枚 = 3.10%
 
 となり、この状態でもやはりシャボ待ちに軍配が上がる。
 
 では次の例を検討してみよう。
 
 
 
 1.  切り
 
  で  待ち。出和了率は
 
 0.60% × 4枚 = 2.40%
 
 両塔への変化は   で 2種8枚。
 
 2.  切り
 
  で   待ち。出和了率は
 
 0.69% × 2枚 + 1.57% × 2枚 = 4.52%
 
 両塔への変化は  で 1種4枚。
 
 出和了期待なら圧倒的にシャボ待ち。両塔への変化期待なら嵌塔待ちとなる。
 
 この違いを検討するにはどうすればよいか。
 次の例を見てみよう。
 
 
 
 1.  切り
 
 上の例をと同じ。
 出和了率 2.76%  両塔への変化 1種4枚
 
 2.  切り
 
 出和了率は
 
 0.60% × 2枚 + 0.60% × 2枚 = 2.40%
 
 で、嵌塔待ちに今度は劣る。
 だが両塔への変化は    で3種12枚ある。
 この【 嵌塔 + シャボ 】の形から両塔へ変化するのは3種12枚が最大である。
 
 ここで各【 嵌塔 + シャボ 】の場合分けをしてみよう。
 この内訳に関しては以前の雑考を参考にしていただきたい。
 
 ① 嵌塔A + 対子 そのⅰ
 
 
 
 ② 嵌塔A + 対子 そのⅱ
 
 
 
 ③ 嵌塔B + 対子 
 
  or 
 
 ① :
 
 対子部分 :
 ④⑥ ⑤ ③⑦ 両塔への変化 シャボ > 嵌塔 2種8枚  出和了率 シャボ > 嵌塔
 ②⑧       '両塔への変化 シャボ = 嵌塔 1種4枚  出和了率 シャボ > 嵌塔
 ①⑨ 字牌   '両塔への変化 シャボ < 嵌塔 1種4枚  出和了率 シャボ > 嵌塔
 
 ② :
 
 対子部分 :
 ④⑥ ⑤ ③⑦ 両塔への変化 シャボ > 嵌塔 3種12枚 '出和了率 シャボ < 嵌塔
 ②⑧       '両塔への変化 シャボ > 嵌塔 2種8枚  出和了率 シャボ < 嵌塔
 ①⑨ 字牌   '両塔への変化 シャボ = 嵌塔 1種4枚  出和了率 シャボ > 嵌塔
 
 ③ :
 
 対子部分 :
 
 ④⑥ ⑤ ③⑦ 両塔への変化 シャボ > 嵌塔 3種12枚 '出和了率 シャボ ≒ 嵌塔
 ②⑧       '両塔への変化 シャボ = 嵌塔 2種8枚  出和了率 シャボ > 嵌塔
 ①⑨ 字牌   '両塔への変化 シャボ < 嵌塔 2種8枚  出和了率 シャボ > 嵌塔
 
 概ねおわかりか。
 
 結論から言うと、
 
 『 嵌塔 vs シャボ 待ちの選択は、シャボ待ちのほうが出和了、両塔への変化ともに優秀 』
 
 であると言える。そして、
 
 『 出和了期待か変化期待かは、対子部分での牌に左右される 』
 
 ということになる。
 
 対子部分が ④⑥ ⑤ ③⑦ などの場合は両塔への変化が最大3種12枚期待できる。
 ①⑨ 字牌 などであれば 出和了への期待が高まるわけだ。
 
 『 初心者の待ち 』としてなぜかベテランに嫌われがちのシャボ待ちであるが、『 シャボより嵌塔 』
 という通俗的なセオリーを再検討すると、
 
 シャボ > 嵌塔
 
 なのである。これはもっと複雑なリャンメンカンチャンとリャンメンシャボとの選択などにも言える。
 
 次回は『 早切り 』、つまり両面確定か対子残しかを検討してみよう。


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