日々是栄和

【 棒テン理論 】 そのⅹ

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【 棒テン理論 】 そのⅹ

 

 【 棒テン理論 】編、第10回。
 今回で【 棒テン理論 】はいったん終了となる。お付き合いいただき多謝。

 最終回のテーマは 【 面子 + 浮き牌 】 つまりは連続形の応用をみてみよう。

 前回で【 浮き牌 】を使用することにより手牌の自由度が増すことがわかった。
 その応用として、単に【 浮き牌 】を使用するよりもはるかに柔軟性が高い【 面子 + 浮き牌 】を検証してみる。

 まずは全体的なメリットは何か。

 ① 単独浮き牌よりも有効牌の枚数が格段に増える
 ② 最終待ちが多面待ちになりやすい
 ③ ドラなどを複数枚抱えることが可能

 となっている。

 中級編【 複合面子 】のところでも解説したが、上記の3点が【 面子 + 浮き牌 】の主なメリットである。
 【 複合面子 】編の中には  のような 【 塔子 + 浮き牌 】もあるが、【 面子 + 浮き牌 】
 であればこのメリットは格段に増える。

 逆に言えば、単独浮き牌を払って【 面子 + 浮き牌 】の形にした方が良い場合が多い。

 では順を追って個別の例をみてみよう。

 ex sample : 【 面子 】 

 1. CaseStudy ①   +   【 ノベタン型 】

 【 面子 】  に 【 浮き牌 】  を持ってきた形である。
 この  の連続形の有効な牌を検証してみる。

  + α

 ⅰ  →      3種11枚
 ⅱ  →      3種11枚

 ⅰ ⅱ は共に3面チャンの形が残る組み合わせである。最終待ちにこの形が残ると非常に効果的。
 ただし、イーシャンテン以前であれば3面チャンのこの形が必ずしも待ち牌を増やすことにはならない点に注意。
 ※注1 参照

 ⅲ  →     2種7枚
 ⅳ  →     2種7枚

 ⅲ ⅳ は両塔が一つ生まれた形。通常の両塔2種8枚に比べると、自分で牌を使用しているため1枚少ないが良い形である。

 ⅴ  →   雀頭 + 面子
 ⅵ  →   雀頭 + 面子

 ⅴ ⅵ はトイツになった場合。他にトイツがあった場合はシャボ待ちの2種4枚の待ちになる。
 例えば  というトイツがあったならば、   引きはもちろん    でも両塔に変化する。
 直接的に両塔になったわけではないが、変化期待という点では充分形である。

 ⅶ  →    1種4枚
 ⅷ  →    1種4枚

 割といただけない形である。ツモ切りで  継続でもいいし、仮にとっておいてもよい。
 保持する場合は第6回の個別牌効率に詳細があるので参照のこと。

 ざっと見ても  以外は有効牌になることができる。
 その数は8種28枚で圧倒的に多い。

 ※注1

 以下の2種類の手牌がある。各々の有効な牌の枚数を良形聴牌の観点のみで比較しても、、

 1.
   5種19枚  は不要牌

 2.
   6種22枚  は有効浮き牌

 となり、圧倒的に2.の方が勝る。カンチャン待ちを含めるとさらに多い。

 2. CaseStudy ②   +   【 中膨れ型 】

 【 面子 】  に真ん中の【 浮き牌 】  を持ってきた形である。
 初心者はこの  をツモ切りしてしまうことが多いが、非常にもったいない。
 同じく有効牌を検証してみる。

  + α

 ⅰ  →     2種7枚
 ⅱ  →     2種7枚
 ⅲ  →     2種7枚
 ⅳ  →     2種7枚

  は  と  の二つの両塔と見ることが出来る。
 一枚の浮き牌を持ってくるだけで2つの両塔が生まれるのだからなかなかに効果的である。
 待ちは重なって通常の両塔よりも少なくなり、手がダブついた印象を与えるが、ドラや赤牌を複数持つことが可能である。
 最終的にも必ずリャンメン待ちになるので、良形聴牌を目指すのならぜひとも意識したい形。

 3. CaseStudy ③   +   【 端膨れ型 】

 【 面子 】  に 端の【 浮き牌 】  を持ってきた形。
 この形をみてみると、

  + α

 ⅰ  →     2種7枚
 ⅱ  →     2種7枚

 という良形聴牌がある。これは単独浮き牌  と同じ。
 ほかに、

 ⅲ  →    1種3枚
 ⅳ  →    1種3枚

 というカンチャン待ちがある点も同じである。ただし【 イーペーコ 】がつく可能性が残る。
 また、単独浮き牌  との違いは、

 ⅴ  →     + シャボ 3種7枚
 ⅵ  →    + シャボ 2種4枚

 と、とりあえず聴牌形が取れること。
 最終待ちは悪くなりやすいので、【 ノベタン型 】や【 中膨れ型 】には大きく譲る。
 それでも単独浮き牌よりは重宝するだろう。

 これは面子を細分化した際に、

 1.  + 

 というだけでなく、

 2.  + 

 という形に見られる点にある。
 特に【 食いタン 】においては、  から  をチー し、  を残すのは手筋である。

 4. CaseStudy ④   +   【 トビカンチャン型 】

 【 面子 】  に、【 浮き牌 】  を引いた形。忘れやすい形である。
 この  を早めに切ってしまうと横の伸びを悪くする。

  + α

 ⅰ  →      3種11枚

 という形が理想形。これは誰でもわかるであろう。
 3面待ちにはなるが、基本的には単独浮き牌  が 両塔に変化したものである。
 だが【 トビカンチャン型 】にはもう一つ、以下の形がある。

 ⅱ  →    1種4枚

 嵌塔ではあるが連続形。ここからの変化は第6回の個別牌効率を参考にしていただきたい。

 以上4つが主な【 面子 + 浮き牌 】の形である。
 1.~ 使用しやすい順になっているので、優先順位をつけて覚えておきたい。

 では実戦での使用例をみてみよう。

 例1 : 配牌

 

 配牌で一面子あるが、辺塔が2つあり非常に重い形。
 ここからの展開を探る。

    ツモ  切り

 しばらくして、字牌を払って上の形。
  の2面子ができたが、辺塔2つは捌ききれていない。
 一つは雀頭に使うとして、【 面子 + 浮き牌 】で形を作る。
  を面子にくっつけ、  切り。

    ツモ  切り

    ツモ  切りリーチ

 幸運にもペンチャンの  をツモり面子化。
 その後  をツモって    の3面待ち聴牌。

 この手はイッパツで上家より  で出和了した。

 例2 : 配牌

 

 配牌でピンズのない2色に寄っている。

    ツモ  切り

 字牌を整理し、雀頭がない形。
     でピンフ聴牌だが、ここで  を持ってきた。
 配牌から変わらないソウズの塔子を整理し、ワンズの好形を生かして  の塔子落し。

    ツモ  切り

 いったん安全牌に入れ替えて  ツモ
    待ちで聴牌。

 イッツーを待たずにリーチ、数巡後、  をツモって和了。

 以上、10回にわたって【 現代棒テン 】の基礎を紹介してきた。
 ハンゲ荘ルールにおいては【 現代棒テン 】の戦術を選択する機会は多いと思うので、各人の好みに応じて改変を加えていって欲しい。
 更なる改良を加えて【 棒テン理論 】が進化したときに、また新たに紹介していきたいと思う。


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