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光市母子殺害差し戻し審 被告人質問の主なやりとり
9月18日22時19分配信 産経新聞


 山口県光市の母子殺害事件で、殺人などの罪に問われた元会社員の男性被告(26)=事件当時(18)=に対する差し戻し控訴審の第8回公判が18日、広島高裁(楢崎康英裁判長)で開かれ、弁護側の被告人質問が行われた。被告人質問の主なやりとりは次の通り。
 《差し戻し控訴審での被告人質問は4回目。被告はこれまでの公判では長かった髪を切り、グレーのジャケットにズボン姿だった》
 弁護人「きょうは供述の変遷について聞きます。事件を起こしたことについて逮捕されたころどういう気持ちだったか」
 被告「ひと言ではなかなか言い表せませんが、たいへん重大なことをやってしまったという認識です」
 弁護人「逮捕翌日の検察官からの取り調べでレイプ目的の犯行だとする調書が作成されているが、このとき償いについて何か言われたか」
 被告「『生きて償いなさい』ということを言われた。『亡くなった奥さんとエッチした』と話したのだが、検事さんは『だんなさんがいるんだから、死後でもレイプじゃないか』という風に話を持っていかれた」
 弁護人「レイプ目的を認めなくて、何を言われたか」
 被告「『このまま言い張るようだったら、死刑の公算が高まる。でも、ぼくは生きて償ってほしい』と言われたので、調書にサインした」
 弁護人「調書についてはどう説明されたか」
 被告「調書というものはしゃべったことがそのまま載るのではなく、取り調べた人の印象や感想が載るものだと言われた」
 弁護人「言いたくないことは言わなくていいという説明はあったか」
 被告「受けていない」
 弁護人「当番弁護士は頼んだか」
 被告「頼んでいない」
 弁護人「だれかが頼んでくれたのか」
 被告「はい」
 弁護人「弁護士について検察官は何か言っていたか」
 被告「弁護士はうそをつくし、費用も莫大にかかるけえ、親に迷惑をかけることになる、と」
 弁護人「それを聞いてどう思ったか」
 被告「頼る人はいなくて、取り調べ官に頼るしかないという感覚になった」
 弁護人「『生きて償いなさい』と言われて信用したのか」
 被告「はい」
 弁護人「結局、捜査段階では弁護人はつかなかったのか」
 被告「はい」

 弁護人「当時、『強姦』や『レイプ』をどう理解していたのか」
 被告「別の意味と理解していた。レイプは押しの強いエッチのこと、強姦は女性を襲うことと認識していた」
 弁護人「では平成11年4月18日に警察に連れていかれる経過を。警察官が家に来た理由はすぐ分かったか」
 被告「はい。ぼくが人を殺してしまったから」
 弁護人「傷害致死と殺人の区別はついていなかったのか」
 被告「はい。そもそも傷害致死という言葉を知らなかった」
 弁護人「逮捕当日に警察で作成された調書には、弥生さんを死なせたことについて『右手で首を絞め続けた』とあるが」
 被告「ぼく自身は弥生さんの首にぼくの手があったことを言っているのだが、『押さえた』というのはどうしても理解してもらえず、『絞めた』ということに、調書ではなったのだと思う。無我夢中だったため押さえたか絞めたか断定できないので、違和感はあったけど否定しきれなかった」
 《これまでの判決は「被告が弥生さんに馬乗りになり両手で首を絞めて殺害した」と認定。しかし、差し戻し控訴審で被告は「無我夢中で弥生さんを押さえつけていた」と供述している》
 弁護人「『夕夏ちゃんの首をひもで絞めて結んだ』という記載は」
 被告「死因はぼくが(抱き上げようとして)床に落としてしまったせいと思っていたので、ひもは警察官の方から言ってきたと思う」
 弁護人「『ひもで絞めた』とは言っていないのか」
 被告「はい」
 弁護人「弥生さんを姦淫したことは認めたのか」
 被告「性行為があったことは認めた」
 弁護人「翌日の検察官の取り調べでは」
 被告「姦淫という言葉を知らなかったので、『裸にしてエッチな行為をした』と話したら、それをレイプと決めつけられた」
 弁護人「この日の取り調べで、自分の言ったことがそのまま調書にとられていないという意識はもったか」
 被告「はい。でも『生きて償いなさい』と言ってくれたことが嬉しくて、これだけ自分のことを考えてくれるのだから、と調書にサインした」
 《休廷をはさみ、弁護人が交代》
 弁護人「次は逆送後と1審の被告人質問での供述について。弁護人は選任していたが、逆送について説明はなかったのか」
 被告「なかった」
 弁護人「逆送後の調書には『強姦した』とあるが」
 被告「調書の読み聞かせのときには『エッチした』と読まれているはず」
 弁護人「弁護人に相談しなかった理由は」
 被告「取り調べの人がいい加減なので、弁護人もいい加減と決め付けていた」
 弁護人「1審の際に弁護人と打ち合わせは」
 被告「なかった」
 弁護人「父親は面会に来たか」
 被告「2、3回来たが、『死ね』と言われた」
 弁護人「罪状認否で『間違いない』と起訴事実を認めているが、そう答えることの意味は弁護人から聞いていたか」
 被告「聞いていない」
 弁護人「検察側の冒頭陳述を聞いていて、それが自分の記憶と違うとは思わなかったか」
 被告「違和感はあったが、異議申し立てができる権利があることを知らなかったので、していない」
 弁護人「弁護方針について、弁護人から説明はあったか」
 被告「無期懲役だろうから、変に争うよりも情状面で主張していくと言われた」
 弁護人「調書の内容が違うと話したときの弁護人の反応は」
 被告「頭を抱えていた。引っ繰り返すのは難しい、と」
 弁護人「被告人質問についての打ち合わせは」
 被告「なかった」
 弁護人「弥生さんを死なせた経緯について、現在は『最初にスリーパーホールドをした後、弥生さんから反撃されて2度目に押さえつけた』としているが、1審ではなぜそう供述していないのか」
 被告「弥生さんを死なせるまでに長い間かかっているのは残虐な感じがしたので、身勝手ながら途中の経緯をカットした」
 弁護人「弥生さんを姦淫した理由を、生き返らせようとしたのではなく、性欲のためとしたのは」
 被告「生き返らせようとしたと話せば、馬鹿にされると思ったから。人として扱われていなかったので、人として扱ってほしくて、人と共通する性欲だと説明した」
 弁護人「人は生き返ると1審当時も信じていたのか」
 被告「はい」
 弁護人「遺体を押し入れに入れたことを『発覚を遅らせるため』としている。今は『ドラえもんが何とかしてくれると思った』と話しているが」
 被告「ドラえもんの話は捜査段階でもしたのだが、馬鹿にされた。だから、裁判官の前では話をしかねた」
 弁護人「求刑が死刑だったときはどう思った」
 被告「『生きて償いなさい』と言ってくれた検事さんだったので、ショックだった」
 弁護人「判決が無期懲役だったことは」
 被告「人を死なせて無期でいいのかな、と思った」
 弁護人「2審で問題になった不謹慎な手紙のことだが、相手は被告から受け取った手紙を捜査機関に提出しながら、9カ月も文通を続けていたことを知っていたか」
 被告「知らなかった」
 《2審では、被告が「無期はほぼキマリで、7年そこそこで地上にひょっこり芽を出す」「犬がある日かわいい犬と出合った。そのままやっちゃった。これは罪でしょうか」などと記した知人あての手紙が検察側によって証拠申請され、採用された》
 弁護人「『7年でひょっこり芽を出す』という記述があるが、無期懲役でも7年で仮釈放される可能性があることを、どうやって知ったのか」
 被告「文通相手から本村さんの著書を差し入れてもらったのだが、『7年で出る』と書いてあった。だったら、7年で出てやるわいと思って書いた」
 弁護人「『ある日犬が出合った』との記述は」
 被告「犬とは、鬼畜あつかいされていたぼくのこと」
 弁護人「犬の交尾に例えたわけではないのか」
 被告「それは誤認です」
 弁護人「親に見捨てられ、友達に裏切られ、検察官にも死刑求刑で裏切られた思いをし、弁護人にも十分な弁護をしてもらえずに、孤立していたわけか」
 被告「(涙声で)はい」
 弁護人「上告審の段階で、(現在の主任弁護人の)安田弁護士らと初めて会ったのは平成18年2月か」
 被告「はい」
 弁護人「事件の事実関係について聞かれたか」
 被告「ぼくの方から話した。ただ、安田先生に言う前に教戒師の先生にも同じことを話している」
 弁護人「教戒師に話せたので、安田弁護士にも話せた面があるのか」
 被告「はい。教戒師に会うまでは人間不信のような感じだった。そうでなければ、安田先生にも話すことができたか分からない」
 《この日の質問はここまでで終了。被告は傍聴席に向けて一礼した後に退廷した》

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