桜井淳 発言研究まとめ@Wiki

のぞみ連結器カバー破損

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のぞみ連結器カバー破損

アルミ・ステンレス車体は弱い という自説を補強したとされる事故。

走行中の新幹線「のぞみ」に大穴 愛知・蒲郡の男性、フェンス越え自殺?
2004.02.10 読売新聞中部朝刊

 九日午前九時二十分ごろ、愛知県蒲郡市の東海道新幹線豊橋―三河安城間で、走行中の東京発博多行き「のぞみ5号」の運転士が「バーン」という異音を聞いた。約十五分後に到着した名古屋駅で、車両先端部に直径約四十センチの穴が開いているのが見つかった。

 同じころ、のぞみ5号とすれ違った新大阪発東京行き「のぞみ112号」でも、乗客から異音がしたと訴えがあり、現場に一時停止した。新幹線と並行して走るJR東海道線の三河大塚―三河三谷間でも、下り快速電車の運転席前面ガラスにひびが入った。
(略)
穴が開いた部分は繊維強化プラスチック製で、厚さ十ミリ。名古屋駅で点検した結果、走行には問題がなく、午前十時ごろから運転を続行し、112号も同九時四十五分に運転を再開した。

 この事故で、新幹線は上下四十四本が最大一時間二十一分遅れ、約三万八千人に影響が出た。東海道線も上下四本が運休したほか、最大一時間十七分遅れ、約二千七百人に影響が出た。


  
穴が空いた部分は~部分は、編者(SunnySide)がマークしたもので、ここでもあるとおり、500系のノーズは「繊維強化プラスチック」で、車体本体に使われている、アルミ合金ではない。加えてノーズそのものは、非常連結器カバーで車体の構成物ではない。走行に影響するとすれば、安定走行が出来なくなって危険等と言うことはなく、風切り音が激しくなって騒音基準値を突破してしまうことである。(*1)
(東北新幹線では、山形・秋田新幹線の連結の際には、連結器カバーは開いた状態で走行する。)

また、新幹線鉄道における列車運行の安全を妨げる行為の処罰に関する特例法にもあるとおり、線路内立ち入りそのものが厳しく処罰されていて、停止まで2キロ以上かかる新幹線の、線路への危険因子を排除し安全を図っている。(そういえば、ブラジルの方が立ち入って逮捕される事件があったな)

 すなわち、

  • 先端部分はFRPで、これに穴が空いたことを持って、アルミ合金の車体の脆弱性を語るのは無茶。(自家用車で言えば、バンパーが事故などでゆがんだ(壊れた)ことをもって、車体がゆがんだかのような論法をする、あるいはヘッドライトカバーが割れたことをもって車体強度が足りないと議論するようなもの)
  • そもそも、人が立ち入ることは想定外で、法律・フェンスなどの施設・減速や運休などの対処によって、安全を図る思想。
  • 運動エネルギーの公式、K=1/2×(質量)×(速度)^2、("^"記号はべき乗)を鑑みて、250Km/hで動く数百トンの物体のエネルギーの莫大さから、穴の空かない材質など、あるのだろうか?

ではあるが、

 ひとりの人間の体重は高々50kg程度であり、にもかかわらず、適切な強度設計されて250km/hでの運動エネルギーを持った車両の先頭車両に衝突のよる直径約30cmもの穴が開くとは、お話にもなりません。(市民的危機管理入門 No350

 と発言している。

 前提条件のちがう部材を持って、「アルミ車体は弱い」というのでは、JR東日本が異論を出すのも当然である。この回答が出た後のJR東日本社内の反応は、おそらく「失笑」ではなかろうか。

注)桜井の主張はこちら(WEBアーカイブ)に収録されているので参照されたい。


【追記】
まさか、これを追記することになろうとは。

今月のテーマ(2005年12月)
炭素繊維強化プラスチックとアルミニウムではどちらが強い


において、

「穴が開いた箇所は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)のカバー部分で、中には連結器が収納されているだけであるから、強度を必要とせず、問題はない」というのである。
(略)
「のぞみ」車両のアルミニウム外壁厚さについては、広報にいくら質問しても、「答えられない事項」とくり返すだけであった。私は機密事項と解釈している。内部の知人に調査してもらうこともできたが、迷惑がかかると悪いと思い、そうしなかった。私の推定では、1.5mmから3.0mmの間であろう。

 その「のぞみ」先頭車両のカバー部分の炭素繊維強化プラスチック厚さは、ニュース映像の穴から判断して、1.5mmから3.0mmの間とは思えず、確実にもっと厚いと判断できた。

 仮に両者が同じ厚さならば、どちらの機械的強度が強いか、その時に検討した。炭素繊維強化プラスチックは、船やロケット噴射口、より一般的には、広く産業分野で利用されている。機械的特性や温度特性が優れており、具体的には、ステンレススチールやアルミニウム、チタンより、比強度や比弾性率は優れ、「軽くて強い」と評価されている(http://www.carbonfiber.gr.jp/tanso/03.html)。その他の学術的資料を基に検討しても、その「のぞみ」の炭素繊維強化プラスチックが、アルミニウム外壁より弱いという結論は導けなかった。

 500系のぞみの外板肉厚は、側板アルミハニカム板30ミリ。参考ノーズのCFRP厚は10ミリと上の記事に書かれているのだが・・。余談ながら、100系(鋼鉄製)は1.6ミリ。

しかしこれでは、CFRP > アルミ合金 とは「素材」としてはそう読み取れるが、構造物としての強さがまるで示されていない上、

 

高速化のためにアルミニウム構造材を採用した新幹線がもし脱線事故を起こしたならば、構造材が破壊され、乗客にどのような被害が生じるか、今回のことから容易に想像できるであろう。

と、先頭部分がCFRPであることを知っていてこの文章を書いたのであれば、相当に不実であり、文章力に問題有りと言わなくてはなるまい。
(しかも、新幹線の車体をアルミ合金製にしたことで弱くなった、という氏の意見にJR東日本が反論し、それの再反論にも、「500系のノーズに穴が空いた
のは、アルミ合金にかえた事によるものである」という持論の根拠にも使っている。そこにいきなりCFRPを出すのは、苦し紛れにも程がある。)

また、

先頭車両のカバー部分の炭素繊維強化プラスチック厚さは、ニュース映像の穴から判断して、1.5mmから3.0mmの間とは思えず、確実にもっと厚いと判断
して
仮に両者が同じ厚さならば、どちらの機械的強度が強いか、その時に検討

したというが、部材の前提条件が違いすぎる。(少なくとも鳥の激突は考えなくてはならない先頭部分と、なぜ側面部分と同じ条件で強度を考えなくてはならないのか?)

また、炭素繊維強化プラスチックが強いとした、当該ページのグラフには、「スチール」の項目があるだけで、「ステンレススチール」の項目がない。

つまり、桜井氏は意図的にステンレスを貶めるべく、引用データをゆがめたと推察出来る。
(ステンレスは、正確に記すなら「ステンレススチール」で、意訳すれば「腐食しない鉄」。何度も記すが、鋼鉄にクロムなどの合金で、強度特性は鋼鉄に近い。このことは、ステンレス協会の「特徴」に詳しい。) 

 


 *1 そもそも連結器カバーが破損したことによって生じる気流の乱れに起因する力によって運行に支障が生じるほど外乱に敏感な運動特性を持つような車両は通常運行は出来ないと思われる。トンネル内ですれ違いが行われた際の空気による力の方がよほど大きいだろう。すなわち連結器カバー破損状態で走行して許容範囲をこえるような振動等が発生する車両は、普段から列車すれ違い時に異常挙動を示して運行できないはずである。

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