月館の殺人 - どーなつの書庫

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・月館の殺人　上
佐々木倫子　漫画・綾辻行人　原作　　IKKIcomix(小学館)

「十角館の殺人｣「暗黒館の殺人｣などの館シリーズでおなじみの綾辻行人と「動物のお医者さん」「Heaven?」の佐々木倫子のコラボ作品です。
どちらも大好きなわたしは、単行本が出るのを心待ちにしていました。
本屋さんで見かけて、即購入。

沖縄に住む女子高校生　空海（そらみ）は列車に乗ったことがない。
その原因であった列車嫌いの母親が亡くなり、天涯孤独になった空海は母方の祖父を訪ね、北海道に行くことになる。
そこで生まれて初めて列車に乗ることになった空海に起こった出来事は・・・・

ネタばれ厳禁なので書評の書きにくいミステリ、
それも上巻だから完結してないし非常に書きにくいです＾＾；

まず、月館は「つきだて」と読みます。
北海道が舞台なので、函館なんかと同じ読み方ですね。
「館｣の字で、館シリーズを連想した方、残念でした。
と言い切っていいのかなぁ・・・・・

本格ミステリの王道っぽい筋立て。
さらに乗り合わせた鉄ヲタさんたちの薀蓄。
それに佐々木倫子独特のキャラクターのボケが軽さを与えています。

絵による表現だと情報量が多いので、
字だけよりもさりげない感じで伏線が張ってあります。
原作が漫画になることを意識して書かれたことが伝わってきますし、
小説と違った漫画表現の面白さも感じられます。

また、あとから振り返って読み返すとき
小説だと目当てのところがどこにあったのか探すのに苦労するときがありますが
漫画だと絵も一緒に情報として入っているので
目で検索しやすいんですね。
あとで読み返して確認が必要になるミステリは
漫画と相性がいいのかな、と
いまさらに思いました。

佐々木倫子ファンにはおなじみのテンポで読みやすく感じると思いますが、
佐々木倫子を知らずに、本格ミステリを期待して読む方にはやや物足りないかも。
しかしまだ完結してませんから、これからも楽しみです。


（2005-8-25）