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Fate/stay neet 本文(?


149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/06/08(水) 03:43:39 ID:P73Hx/a+0
それは稲妻の様なペン先だった。
空欄を埋めんと繰り出されるボールペンの先。
学歴の欄は嘘だろう。
それが稲妻である以上、学歴詐称を止められない。

だが。
経歴欄を埋めようとする稲妻は、
不正を暴こうとする月光に弾かれた。

しゃらん、という華麗な音。

否。目の前の者が発するオーラは、真実鉄よりも重い。
およそ華やかさとは無縁であり、窪んだ目の輝きは凍てついた就職戦線そのものだ。

150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/06/08(水) 03:44:35 ID:P73Hx/a+0
華麗な響きこそある筈がない。
本来響いた音は薬の詰まったドラッグケース。
ただ、それを鈴の音に変えるだけの美しさを、
その担当職員が持っていただけ。



『―――問おう。貴方が、私の担当者か?』
闇そのものの声で彼女は言った。

162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/06/08(水) 05:46:59 ID:bezTP+7w0
「なんだよ。電話しちまうのか、もったいねえ。」
唐突に。
面接の電話を阻むように、第三者の声が響き渡った。

「――――!」
咄嗟に電話を切り、振り返る。
公衆電話の後ろ。
十メートルの距離を隔てた位置で、
そいつはわたしを見ていた。

コミケに溶け込む、洗いすぎて色の落ちたジーパン。
紙袋いっぱいに詰めた同人誌を持った男の体から、オタク臭が伝わってくる。
・・・・・・こいつはニートだ。
手より先はピンク色の男は、この昼間の商店街という状況に置いて、誰からも気づかれていない―――

「―――貴方、影薄いわね。」
「いいや。存在が薄いのは、同人誌を買う時に、列に横入りしても気づかれない為さ。俺達はただ命じられたままパシリとして同人誌を買うのみ。だろう、そこの兄さんよ。」
「――――!」
淡々と、同類に向けて放つ声。
この男には、私達がニートだという事がわかっている。
「やっぱり、ニートだから自分の分を買うお金がなかったのね・・・・・・!」


「やかましいいいいいいいいいいあああああああああああああああ!!!!!!」

287 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/06/08(水) 22:43:29 ID:3eE0u1s50
「成人するまではしっかり勉強しておけ。それ以降の判断
はお前に任せる。おまえならば、独りでもやっていけるだろ
う」
なんて言いながらも、一応は心配だったのだろう。
山積みの不良債権の事とか、差し押さえを免れた宝石の事とか、
株の管理の仕方とか。
 今まで教えてくれなかった事を矢継ぎ早に話す姿を見て、
子供心に気づいたのだ。


―――たぶん。
この人は、もう帰ってはこないだろうと。

309 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/06/09(木) 00:01:17 ID:ldvR0VjD0
いまいち構想を練ってもグダグダするだけだからとりあえずオリジナルの
文をニート臭くなるようにいじってみる。

・・・・・戦争が起きたのだ。
国と国が戦う戦争ではなく、人と人とが戦う戦争。
といっても、いがみ合っていたのはたったの七人だけだ。
それなら戦争なんてお題目は似合わないのだけれど、そ
の戦う人々がニートであるなら話は別である。
境遇の違う七人のニートたちはよくわからない理由で競い
始め、よくわからない理由で潰し合った。
そしてその戦争に勝ち抜いたものの、その後大失敗したのが、
わたしの目の前にいる人だった。
だから、この人は近いうちに社会的に死んでしまう立場にある。
その時が近い事は、わたしなんかよりこの人の方がはっきり
と感じていたはずだ。

315 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/06/09(木) 00:51:29 ID:ldvR0VjD0
「凛、いずれ就職先は現れる。アレを手に入れるのは人間の義
務であり、何より―――まともに生きていくなら、避けて
は通れない道だ。

もう一度。
くしゃり、とわたしの頭を撫でて、その人は去っていった。
それが最後。借金を返しきれずにマグロ漁船に乗り込み、帰らぬ人となっ
た、反面教師であり父であった人の最後の姿。

「とっとと失せろ、糞野郎」

堕ちに堕ちた人間に、トドメを刺して送り出した。
将来が不安で自分が泣きそうな事は判っていたけれど、涙は決して流さ
なかった。

349 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/06/09(木) 06:52:15 ID:ldvR0VjD0
>>316
ベルレフォーンのペガサスをブーンするっていうのも考えたんだが。

あの人のことが嫌いだった。
父親として劣り、反面教師としては優れた人物。
反面教師になるような人間にロクなやつはいない。
その中でも、あの人ほどひどい性格破綻者はいなかっ
ただろう。
彼は反面教師として私を教え、父としては何一つしなかった。
だから、決めていたのだ。
絶対に父のようにはならない。幸福な人生を生きてやる、と。

382 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/06/09(木) 16:04:19 ID:ldvR0VjD0
>>362
確かオリジナルでも士郎がランサーの槍を防ぐのに
ポスターを強化して盾代わりにしてたな。
>>377
正直、それは難しいと思う。

――――凛、いずれ就職先は現れる。
アレを手に入れるのは人間の義務でもあり、まともに生きよ
うとするのなら避けては通れない道だ――――

 彼は最後の最後で、父親としてではなく反面教師として
言葉を遺した。
 だから、その瞬間にわたしの往く道は決定した。

390 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/06/09(木) 17:20:13 ID:ldvR0VjD0
「────よし。それじゃあひとつ、気合入れて借金返して
一人前の社会人になりますか────」


人が幸福を望むのは当然のコト。
それから色々、紆余曲折あってわたしこと遠坂凛は成長し
た。

392 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/06/09(木) 17:30:10 ID:ldvR0VjD0
 父が漁船に乗り込んだ日から、はや十年。
 この時を待ちこがれていた訳だから、気持ちは知
らず逸っている。
 それも当然。
 十年間片時として忘れなかったこのイベントは、あと少しで
始まろうとしているのだから────

439 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/06/09(木) 21:13:16 ID:ldvR0VjD0
「・・・・・・・・・・・ん」
 何か鳴ってる。
 がたがた。がたがた。
「・・・・・・うるさい、止まれ」
 音は止まない。
 がたがたがたがたと、まるでわたしが親の仇だと言わんばかりの騒々
しさ。
「・・・・・なによ、もう・・・・昨日は遅くまでやってたんだから、もう
ちょっと・・・・・」
 もうちょっと寝かせてくれてもいいのに。
 いや、むしろ寝かせるべきだ。
 なにしろ朝方まで父の遺した借金をどうするか考えていたんだし、家計も
今月は火の車だ。
 つまり絶体絶命、心も体もギリギリです。

444 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/06/09(木) 21:36:23 ID:ldvR0VjD0
「・・・・・ああ、もう────融通のきかないヤツ」
 がたがた。がたがた。
 廃屋寸前のボロ屋敷に言葉は通じない。
 だっていうのに、がたがたがたがたという音が『ダメ人間がダメ人間
が』なんて聞こえるのはどんなカラクリをしてるんだろう。
「・・・・・無職・・・・・無職は、まずい・・・・・」 
 けどそれも時と場合。
 いくら切羽詰ってたって、今日ぐらいは昼まで寝
ててもいいんじゃないかな。

448 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/06/09(木) 21:53:26 ID:ldvR0VjD0
「・・・・・そうそう・・・・・今日はハローワークが休みなんだから、
丸一日だって眠れるはず・・・・・」
 ────うん?
 なんか、それヘンじゃない?
「・・・・・・今日の日付は・・・・・・」
 ねぼけ眼でテレビをつける。

・・・でこの後日付を確認するシーンにしようと思うんだが、
この話の起こっている時の時期を考えてなかった。
一体どの何月の何日にしたらいいと思う?

491 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/06/09(木) 22:43:08 ID:ldvR0VjD0
 ニュースの日付は2月2日になっている。
 寝た日の日付が1月31日だったから、昨日は 丸一日寝ていた
ことになる。  
 ・・・・・・というか、どうしてこう、睡眠に対しては意思が弱
いのかわたしは。
「・・・・・・・・・・・・む」
 テレビを前にしてボウっとするコト数秒。
 テレビを消して、渋々とせんべい布団から出ることにした。

604 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/06/10(金) 14:21:05 ID:Ak6BPkY10
どう戦うのかって話があったから戦闘シーンを考えてみた。

夜に溶け込む深い黒。
 つりあがった口元は粘質的で、変態じみたものが風に乗っ
て伝わってくる。
・・・・・・サングラス越しの変態の視線は艶やかだ。
黒身の男は、この異様な状況において、わたしのとなりのオタを十年
の親友みたいに見つめている。
「────これ、貴方の仕業?」
「いいや。小細工を弄するのはニートの役割だ。オレ達はた
だ命じられたまま戦うのみ。だろう、そこの兄さんよ。」
「────!」
 軽々と、しかし楽しみに満ちた声。
 この男には、オタが見えている・・・・・・!

607 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/06/10(金) 14:31:42 ID:sakn/s0p0
「……チキン、聞こえる?」
 静かな声で、そう呟いて。

「―――少しでいい。時間稼ぎをしてアイツの手の内を晒け出して」

 自らのチームメイトに“死ね”と言った。

「――――――」
 チキンは答えない。
「馬鹿な……! 正気か腐女子、チキンではピザに適わない……!
「僕たちはその間に対処法を見つける。チキンには、僕たちが見つけきるまで時間を稼いでもらう」

 四浪の意見に耳を貸さず、腐女子は指示を続ける。
 それは冷徹な、感情を殺した声だった。

 ピザは動かない。
 クスクスと幼女の笑い声だけが聞こえてくる。

「へえ、びっくり。そんな誰とも知らない社会不適合者で私のピザを止めるって言うんだ。なーんだ、案外かわいいとこあるのね、腐女子」

「――――――――」
 腐女子にもチキンにも反論する余裕はない。
 そんな事は、誰より腐女子とチキン自身がわかっている。


608 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/06/10(金) 14:32:04 ID:sakn/s0p0
「………………」
 腐女子はチキンの背中を見つめている。
 ……かける言葉がないのだろう。
 腐女子も、自分の命令が無茶だとわかっている筈だ。
 自分たちのために、チキンに死ね、と言ったのだから。

「……………チキン、僕」
 何かを言いかける。
 それを。

 「ところで腐女子。一つ確認していいかな」

 場違いなほど平然とした声で、チキンが遮った。

「……いいよ。なに?」

 伏目でチキンを見る。
 腐女子はピザを見据えたまま、

「ああ。時間を稼ぐのはいいが―――
 別に、ピザを倒してしまってもかまわんのだろう?」

  彼は、とんでもない事を口にした
614 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/06/10(金) 14:40:22 ID:UjgZn8gi0
ピザを食ってしまってもかまわんのだろう?

これのほうがいいだろ

615 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/06/10(金) 14:51:52 ID:kuB5zw6nO
ピザをあの世に配達してしまってもよいのだろう?

630 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2005/06/10(金) 16:55:40 ID:fhGaMiSI0
>>608

チキンだから

>「ああ。時間を稼ぐのはいいが―――
>別に、ピザを倒してしまってもかまわんのだろう?」
より

「ああ。時間を稼ぐのはいいが―――
別に、逃げてしまってもかまわんのだろう?」

のほうが良くね?

633 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/06/10(金) 17:22:23 ID:RF6mgnv+0
>>630
その後で、玄関から逃げた主人公達の後ろから
「デブでも食ってろピザwwwwwwwwwwwwww」
って声とチキンが逃げる足音、ピザが追いかける音が聞こえてくるわけかwwwwwwww

613 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2005/06/10(金) 14:40:14 ID:Ak6BPkY10
「やっぱり、ニーヴァント・・・・・・!」
「そうとも。で、それが判るお嬢ちゃんは、僕の敵ってコトで
いいのかな?」
「─────」
 背筋が凍る。
 なんということのない、ねっとりとした男の声。
 そんなものが、今まで聞いたどんな言葉より気味悪く、吐き気
がするほど気持ち悪いなんて────
「────────」
 どう動くべきか、何が最善なのかは判らない。
 ただ、この男とここで戦うことだけは、絶対にしてはならない
と理性が告げている────!
「・・・・・・オッケーイ。大したもんだ、何も判らねえようで要点は
押さえてやがる。
 あーあ。失敗したなこりゃあ。面白がって声をかけるんじゃ
なかったぜ」
 男の腕が上がる。
「────────」
 事は一瞬。
 今まで何一つ握っていなかったその腕には、

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