儀式魔術@Wiki

リターントゥ神々の宴(10)

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muryokozi

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  • 登場人物:玖珂光太郎、ふみこ、万能執事ミュンヒハウゼン
  • 日時:1999年4月27日・神々の宴(9)から翌日
  • 場所:夜の大東京市・祖父の家

  • ダイジェスト:1999年4月27日。夜の大東京市に広がる影は、ネオンが明るく輝くほど暗くなり、光射さぬところの 闇を濃くしていた。遠くから明かりが一つづつ消えていく首都高速道路。全面通行止めとなったその中で、軍服姿の魔女、ふみこは箒を一本だけもって立っていた。その前方50mには車止めと対車両地雷がばら撒かれており、この他数名の骸骨兵からなる機関銃手が配置されていた。簡易パックフロントね。ふみこはため息。全然魔術的でも戦争でも典雅でもないと思う。とはいえ、血はそれなり騒いだ。安い女ねと心の中だけで自分を笑った。【中略】次の瞬間に爆風があたりを襲い、そしてなにもかも、見えなくなった。

  • 光太郎は前日祖父の家に泊まっていた。月子におはようと言うためである。光太郎は、自分がやって貰って嬉しかったことはなんでも、月子に施そうとしていた。大久保の華僑の老人達から教わった拳法を教えることもそうだし、かけっこもそう。おはようと言うのもそれだった。彼は自分が目が覚めたときに母や兄におはようと言われるのがなんとも言えず幸せな気分になるので大好きで、母から厳しく怒られる前には2度寝してはおはようを2回言ってもらおうなどと努力していた。 人間には2種類あって、それは何かを得ようとする時に実力を発揮する者と、何かを守ろうという時に実力を発揮する者である。光太郎とその兄晋太郎は、典型的な後者だった。



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