桜井淳 発言研究まとめ@Wiki

草稿:JR脱線 非常ブレーキも要因?「ありえない進入速度」

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JR脱線 非常ブレーキも要因?「ありえない進入速度」
2005.04.27 東京朝刊 3頁 総合3面 写図有 (全1419字) 
 ■カーブで100キロ超、設計上はなお余裕

 五百三十人以上が死傷した兵庫県尼崎市の脱線事故は、どんな要因で起きたのか。尼崎東署捜査本部の調べで、同電車は事故直前に制限速度を大幅に上回る時速百キロ以上で走行していたことが判明したが、速度超過だけでは電車の設計上、脱線に至らないとされ、国土交通省の事故調査委員会などは、さらに複数の要因が重なった「複合脱線」との見方を強めている。

 ≪速度超過≫

 カーブでの脱線原因として一般に考えられるのは、速度超過による遠心力で線路外に飛び出すケース。速度を増すにつれ、電車の車輪は浮き上がり、わずかな衝撃にも影響を受けやすくなる。

 現場の半径約三百メートルのカーブに時速百キロ超のままで突入した場合、「ジェットコースターのような恐怖感を覚えるはずで、通常はありえない行為。普通はブレーキをかけるはず」(私鉄の運転士経験者)という。

 だが、脱線した207系の電車の場合、乗客を乗せない状態でも時速百三十三キロを超えないと脱線しない設計になっているとされる。

 技術評論家の桜井淳さんは「事故当時は各車両に百人以上が乗っていたため、重量が増した車体は安定した状態にあり、速度超過が直接の原因とは考えにくい」と語る。

 天野光三・京都大学名誉教授(交通計画、鉄道工学)も「スピードと遠心力だけなら、脱線はまず起きない。これに、ささいな外的要因が加わったことが引き金となり、簡単にフランジ(車輪の片側にある脱線防止用の突縁部)がレールに乗り上げ、脱線を引き起こすことが考えられる」としている。

 ≪非常ブレーキ≫

 第二の要因として桜井さんが推測するのは、カーブ直前での非常ブレーキ作動による摩擦。「非常ブレーキをかけることで車輪が固定され、車輪が回らなくなったところに遠心力が働くと、車輪とレール間に異常に高い摩擦が発生し、脱線しやすくなる」という。国交省の事故調査委員会は、現場付近にブレーキ痕はなかったとしているが、非常ブレーキが作動してもブレーキ痕が残らないことがあるという。

 桜井さんは、「急な非常ブレーキをかけなければ、(百キロ超のスピードでも)そのまま通過できたのではないか。こういう状態で急ブレーキをかけてはならないということは、運転士の基本的なノウハウで、JR西日本の運転士教育に問題があるのではないか」と指摘する。

 ≪置き石は疑問≫

 平成十二年三月に起きた地下鉄日比谷線の脱線事故は、レールのずれやゆがみ、車輪にかかる荷重のアンバランスなど複数の要因によるフランジの乗り上げが原因だったとされる。だが、今回の事故現場を調査した国交省の事故調査委は二十六日、現時点でレール異常は認められないとした。

 また、JR西日本が事故直後に示した「置き石」説も、現時点では疑問符が付く。

 事故調によると、石の「粉砕痕」との見方もあるレールの白い粉状の物質は、事故現場の手前から車両の六、七両目付近までにかけての十数メートルにわたって断続的に付いており、直ちに置き石とは判断できないという。

 粉は極めて微細な粒子状で、周辺のバラスト(敷石)が車輪で粉砕された可能性もあり、事故調は周辺のバラストとの比較など組成分析を依頼した。

【写真説明】

公開された事故車両と同型の「207系」車両の運転席。手前右のレバーがブレーキ。左のレバーは車のアクセルに相当するマスターコントロール=26日、大阪府高槻市のJR吹田工場高槻派出所

産経新聞社

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