地下妄の手記

一つ二つは面倒だ束にして燃してしまえ。 その2

最終更新:

619metro

- view
管理者のみ編集可

一つ二つは面倒だ束にして燃してしまえ。 その2


      6」[渋谷駅]始発駅がデパートの地上3階にあるのは、何故?

       地下鉄銀座線の始発駅・渋谷駅は、なぜか地下でなく地上3階にある。改札口を出ると、
      すぐそこに隣接する東急デパートの入り口がある。三越前駅のように駅名にこそなってい
      ないが、デパートのふところのなかに駅があるのだ。そして、すぐ下、2階には東急渋谷駅
      があり、乗り換えに1分もかからない。渋谷駅は東急との密接な関係をうかがわせる駅な
      のだ。
           中略
       豪腕・五島は、自らのビジネスのためなら多少強引なこともやってのける男である。
       渋谷駅建設でも、それがうかがえる。国の認可が下りていたのは地下建設で、地下にあ
      る今の半蔵門線の渋谷駅から表参道駅に向かうルートだった。しかし、自らが経営する鉄
      道やデパートにくる客に、便利な場所に駅を造ろうと考えた五島はルートを変更。地形的
      に表参道駅で地下1階を走っていた地下鉄が駅の手前で地上に顔を出し、人の頭の上を
      走って渋谷駅に入ることになった。
       結果、地下鉄渋谷駅は東急にとって絶好の場所に造られ、鉄道、デパート、地下鉄に関
      わるすべてのビジネスに大きな利益をもたらす戦略がスタートしたのである。日本で最初
      の地下鉄の起点が地上3階というのは、われわれから見れば奇妙なことだが、五島の論
      理では当然のことだったのだろう。

これとまったく違うことを本書の正編とも言うべき「大東京の地下99の謎」では書かれている。

     80」銀座線の渋谷駅が地下鉄で最高所にあるのは、なぜ?

    前略
      赤坂見附駅から青山を抜けて渋谷駅に着く直前、電車が坂を登ったわけではないのに突
     然、車が走り人が歩く道路が下に見える。まるで電車が宙に飛び出したような感じで渋谷駅
     のホームに入っていく。
      どうして地下じゃないのか?どうしてこんなに高いところに駅をつくったのか?
      この答えは東京の地形にある。渋谷駅の手前、表参道駅(開業時は青山六丁目駅)の地
     表(地面)の標高はおよ34メートル。渋谷駅の地表の標高はおよそ16メートル。標高差は
     12メートルあるのだ。
      渋谷は、渋谷川の浸食によってできた、文字どおり「谷底」であり、表参道駅のあるところ
     は青山という地名からわかるように「山」なのである。
      地下鉄の表参道駅は地表から深さ8・1メートルのところにつくられているので、水平に電
     車が走っても渋谷駅付近では地表からの高さおよそ10メートルのところに出る。
      銀座線の渋谷駅は、高架のJR山手線渋谷駅をまたぎ、東急百貨店の3階に突っこんだ
     形につくられている。地表からの高さ12メートルのところにある。表参道駅よりさらに2
     メートルほど高いのは山手線をまたぐためだ。
      それほど高いところに駅がつくられた理由は、線路が急坂になることを避けるためだっ
     たといわれている。


何故、こんな相違が出たのかといえば、上記正編「大東京の地下99の謎」の記事は「読む・知る・愉しむ東京の地下鉄がわかる事典」青木栄一監修日本実業出版社変(2004年7月刊)の以下の記事(項目名:1番深い駅、1番高い駅)から盗んできていているからです。

  ●東京の地形が大きく影響
  逆に、地下鉄の駅で1番高いところにあるのは、銀座線の渋谷駅である。地上12・1mで、東急
  百貨店東横店の3階から発着する。高架線である山手線のさらに上を通すためという理由もある
  が、むしろ地形との関係が大きい。
  渋谷は渋谷川の浸食によってできた谷底にあり、高台になっている青山地区との標高差が大きい。
  そのため、表参道駅(開業時は青山六丁目駅)から水平に線路を伸ばせば、渋谷では宙に飛び出
  すことになる。線路面の高低差を極力抑えようとすれば、必然的にこのような高い位置になったの
  である。

 エッ?「あまり盗んでいるように見えないけど」って?「青山」が人名からじゃなく、地形から来た地名だとでも言いたいような、「秋庭オリジン」もあるし。って?
 それは、上の記述がこの図とセットになっていることを知れば、盗んだと納得できると思いますが。


          「読む・知る・愉しむ東京の地下鉄がわかる事典」青木栄一監修日本実業出版社編(2004年7月刊)249頁

まぁ、この本編、秋庭さんの妄想と真っ向対立するもんだから、正編最後には、鼬の屁のような次の様な文が付いています。

      前略
      それほど高いところに駅がつくられた理由は、線路が急坂になることを避けるためだっ
     たといわれている。
      私は、この部分を建設した東京高速鉄道という会社が、地下鉄の認可をもっていなかっ
     たからだと思っている。
      当時、同社に与えられていた認可は、いまの半蔵門線渋谷駅だったはずだからである。

結局真っ当な理屈がぶっ飛んじまって、「地下鉄道99の謎」では

      今の半蔵門線の渋谷駅から表参道駅に向かうルートだった。しかし、自らが経営する
     鉄道やデパートにくる客に、便利な場所に駅を造ろうと考えた五島はルートを変更。地
     形的に表参道駅で地下1階を走っていた地下鉄が駅の手前で地上に顔を出し、人の頭
     の上を走って渋谷駅に入ることになった。

こんな、カルトな説明になるわけか?
もし、表参道から、現在の半蔵門線のようなコースで、宮益坂を下り渋谷川と、国鉄の下を潜るルートで渋谷に達するという申請と免許だったら、昭和14年の渋谷新橋開業は不可能だったでしょうね。コストももっと掛かったでしょうし、第一渋谷車庫が使えません。
だから、東京高速は既に半蔵門線のトンネルをつくっていたなんてことは無理です。


      7」[表参道駅]21世紀の地下街「エチカ表参道」の正体とは?

      前略
      こんな場所に来ても私の関心は「これだけのスペース、以前は何に使っていたのだろう
     か?」ということだった。
      東京で最も古い銀座線のトンネルに新たにスペースを造るのは、コストの問題だけでな
     く構造的にもありえない話だからだ。

現在の表参道の駅がどうしてできたか?こちらを参照してください。
「東 京で最も古い銀座線のトンネルに」半蔵門線を寄り添わせることが、「コストの問題だけでなく構造的にも」十分に、かつ問題なく行えているのに、何故、 千代田線コンコース部分の建設に問題があるのだろう?まぁ、エチカのスペースの確保が可能であったのは、上図にもあるように、表参道駅が銀座線の駅として は土被り8.1メートルと地表から比較的深いところに建設されていることもあろうかと思われます。

      8」[赤坂見附駅]天井に星座がきらめく地下歩道、実は国道だった!

  「国道」及「国道の工事」については、国土交通省に拠って相当な情報開示がなされています。例えば、秋庭さんが戦前から仰山あると仰る「共同溝」など も、ちゃんと聞けば(取材すれば)、真っ当なジャーナリストの質問になら、説明と資料の提供が得られると思いますが、ちゃんと取材しましたか?

       9」[赤坂見附駅]入り口で車を預ける奇妙な「赤坂公共駐車場」の謎

 財団法人駐車場整備推進機構のサイトに、
   >>http://www.parking.or.jp/

 この赤坂公共駐車場の説明が詳しくあります。
   >>http://www.parking.or.jp/parking/tokyo.htm

 それによると、同駐車場は、

     一般国道246号の地下に共同溝工事で使われた地下作業ヤードを利用し
    路上駐車対策として造られた平面往復式の機械式駐車場です。

 普通乗用車が66台駐車できるそうです。

       10」[虎ノ門駅]交差する日比谷線に、なぜ虎ノ門駅がないのか?

  駅間が近過ぎるから。近傍の霞ヶ関駅と停車場中心間で500メートル離れていない駅を造らなければならなくなる。ただでさえ駅間の短 い、表定の遅い日比 谷線ますます遅くなっちまうし。中目黒で乗換が便利になるとは言え、渋谷まで出て、銀座線で虎ノ門でも新橋でも不便ないし。
  おまけに、虎ノ門交差点付近には、秋庭さんの大好きな大下水渠があって、これの下潜るだけでも大変だし、銀座線も他線との交差そのものを想定していな かったから、この下潜るのも大変で、おまけに地表を「都電地下鉄」じゃない「都電」が走っており、これが交差点上で「縦横無尽」に分岐していて営団が「そ の線路をいじるわけに行かなかったから、」、これ止めて工事するわけにも行かないし、駅なんか造っている必要性も余裕もないよ。と言うこともあったようで すよ。秋庭さん。

       地下鉄の歴史をひもとくと、この駅にはもうひとつ不思議なことがある。それは今から
      80年以上前、虎ノ門から桜田門~日比谷~二重橋~東京駅~大手町を通って竹橋
      まで地下鉄を走らせる計画が、国の認可も下りて工事が始まったにもかかわらず、1年
      後には工事が打ち切られ、闇に葬られたことだ。
       当時の地図に計画路線を書きこんだものを見ると、この計画の虎ノ門~日比谷間は
      現在の日比谷線と重なっている。

  闇になんぞ葬られてません。初年度(大正12年)160万円、次年度(大正13年)542万円、計700余万円の工事でしたが、初年度160万の予算を 設計や、機械購入等に支弁仕掛けた矢先の9月、関東大震災。特別会計じゃないんだから、震災復興に次年度予算当然つぎ込まれますわな。初年度で購入した土 木機械だってそっちに使われたでしょうね。
だから、市会でも、そっちに予算使いましたし、地下鉄工事打ち切りましたよと説明しているのに、「いや その金がなぜないのか?」なんて、秋庭さんみたいな いちゃもんつける市会議員さんがいたりした。阪神淡路の時もいましたね。地震ポイントポイントで被害が違うから、被災地と同じ市区町村でも、無傷のとこの 人も出る、インフラ被害が同じ様に被さってきてた時は、まぁ、文句も出ないけど、1ヶ月経ち、2ヶ月経ち、例えば避難所の学校、そこに子供が通う、無傷 や、損害軽微な家の親の中には、マトモな授業が出来ないのは避難所に居座っている連中のせいだとか、言い出す人みたいに。 
 それはさておき、

       当時の地図に計画路線を書きこんだもの

 って、どこにあるんですか?東京市会大正12年3月23日決議第33号の「電気軌道線路新設特許申請に関する件」にそんな地図付いてましたっけ?
 ひょっとして、「写真と地図で読む!帝都東京地下の謎」の55頁の図とかみたいに、秋庭さんが「当時刊行されていた地図」の複製物に勝手に計画路線を想定して書き込んだ代物のことですか?
 それどこにあるんですか?
 複製で著作権の生じている復刻地図の勝手なコピーに、秋庭さんが決議第33号の記述から勝手に、線路を想定して書き込んだものを見たってそれにどのような信頼性が生じるのかしら?

       それから40年後に開通した日比谷線には、日比谷駅から同じルートをたどって虎ノ門を
      通りながら虎ノ門駅が造られなかった。

虎 ノ門から桜田門~日比谷~二重橋~東京駅~大手町を通って竹橋までの地下鉄とやらの計画には「虎ノ門」駅の計画があったんでしょうか?それがあったのな ら、「同じルートをたどって虎ノ門を通りながら虎ノ門駅が造られなかった。」と仰っても良いけれど、決議第33号どこにも駅の記述ないんですけど。

       11」[虎ノ門駅]改札が4つ、地上出入口が10、多すぎないか?

       虎ノ門駅は、上り下りの線路を挟むように2つのホームがある対抗式(または相対型)。
       改札はそれぞれのホームの前後に、合わせて4カ所ある。同じ銀座線で同じ構造の末広
      町駅も稲荷町駅も田原町駅も、改札は上下のホームに1カ所ずつしかない。
       地上への出口は虎ノ門駅に10カ所あるが、末広町駅には4カ所、稲荷町駅には3カ所、
      田原町駅には2カ所しかない。他の路線やJR、私鉄との乗り換えのない駅で、改札や出
      口がこんなに多い駅はない。

 何度も言うようだが「対抗式ホーム」などという術語は無い「対向式」が正しい。対向=向き合う。対抗=競い合う。ホーム同士競い合わせてどうする。

       同じ銀座線で(虎ノ門駅と)同じ構造の末広町駅も稲荷町駅も田原町駅も、改札は上下
      のホームに1カ所ずつしかない。

 「上野広小路」は無視か?同じ銀座線で、同じ対向式ホームを供えた「上野広小路」の立場はどうする?

       地上への出口は虎ノ門駅に10カ所あるが、末広町駅には4カ所、稲荷町駅には3カ所、
      田原町駅には2カ所しかない。

 ハァ~ッ?田原町駅と稲荷町駅のA線側地上出口の構造は一緒だぞ。



 これを、駅に拠って2箇所に数えたり、1箇所に数えたりってこと?いい加減だなぁ。

       しかし、戦後、日比谷線が開業しても虎ノ門駅は造られず、銀座線虎ノ門駅が2駅分の
      改札と地上出口を抱えつづけている。そのため職員の手がまわらないのか、無人の改札も
      あって「無賃乗車しやすい駅ナンバーワン」という汚名を着せられている、という。

 秋庭さんが「という」とか「といわれている」と書く時は大抵「捏造」です。
 つまり、虎ノ門駅に「無賃乗車しやすい駅ナンバーワン」の汚名を着せたのは誰あろう秋庭俊その人です。
  第一「無賃乗車しやすい」が意味不明です。無札で乗るという意味でしょうか?それとも初乗り運賃だけで、精算せずに降りると言うことでしょうか?有効な のは下車時に自動改札を、「星亨」じゃなかった押し通るなんでしょうが、東京メトロの運賃でそれを常習するメリットって何なんでしょうね?

 うかうかと、つい、うかうかと乗せられてしまった。最も大きな誤り部分を見落とすなんて。

       虎ノ門駅は、上り下りの線路を挟むように2つのホームがある対抗式(または相対型)。
       改札はそれぞれのホームの前後に、合わせて4カ所ある。同じ銀座線で同じ構造の末広
      町駅も稲荷町駅も田原町駅も、改札は上下のホームに1カ所ずつしかない。

 同じ銀座線って、片や東京高速鉄道、此方東京地下鐵道、比較対照とする駅を違えているじゃありませんか。本来の比較の相手は外苑前駅(旧青山四丁目駅)或いは旧神宮前駅(旧青山六丁目駅)のはずが。
 秋庭詐術の真髄を見せられちゃいましたね。  <平成20年1月21日補足>

       12」[新橋駅]厚い壁の向こうに〝幻の新橋駅ホーム〟がある?

 冒頭のこの記述意味不明というしかないのだが、

       地下鉄新橋駅の浅草方面行きのホームに下りると、私たちの目の前に厚いコンクリート
      の壁が立ちはだかる。通勤ならまっすぐ地下1階の改札口につながる階段に向かわなけれ
      ばならないが、時間があれば、この壁の向こうに何が隠れているのか、思いをめぐらせて
      いただきたい。

 何で浅草方面行きかと思ったら、どうやら、階段の下部分が壁として張り出しているので、ここに幻の新橋駅とやらが存在すると思っていらっしゃるのかな?

  だいたいこちらの記述を見てもらったら「いろいろな下水」じゃなかった「いろいろな歪曲」が解かると思います。

 ところで、この「地下鉄道99の謎」では

       当初は二つの会社の線路はつながっていなかった。そのため渋谷から来る乗客は、新橋
      駅で東京高速鉄道の改札から東京地下鉄道の改札まで500メートルほど歩かなければなら
      なかった。

 「大東京の地下99の謎」128頁では
 
       両駅は壁で隔たれていたため、乗客は乗り換えの際、一度地上に出て、向こう側にある
      もうひとつの「新橋駅」まで、50メートルほど歩かされたという。

ホント、相変わらず妄想ってのは勝手に自己増殖するんですね。

記事メニュー
目安箱バナー