桜井氏の秀逸な脱線理論を篤とご覧あれ
そこで考えられるのが、カーブであるという点ですね
レールと車輪はまっすぐ進むように出っ張りがあるんですよ
ところがですね、あのー、おー非常にレールとこのフランジのですね、摩擦が大きい場合にですね
これがですね、非常に大きな外側の力、遠心力が働くんですね、
今回もですね、やはり同じような現象が起こったんじゃないかと私が推定しているんですね
それでですね、そうするとですね、カ、カーブのところで
ところが緊急ブレーキをかけるとですね、その車輪が回らないでですね、ロックして、車輪がロックしてですね、
こすれた状態で、そうするとせりあがる現象がですね、日比谷線と同じような現象でですね
せり上がりのメカニズムが考えられるわけですね。
そういうことですね。つまりですね、急ブレーキ踏んだ為に車輪がロックしてですね
その結果のフランジがせりあがって、せりあがり現象が発生して脱線した訳なんですよ。
緊急ブレーキ→摩擦力増大→軸方向遠心力急増→フランジ摩擦→フランジ競り上がり→脱線
ということらしい。
ブレーキ力は踏面の前後方向に働くのにどうやったら軸方向の遠心力に転換できると思っているのだろうか。現場にもフランジ塗油器があってフランジ摩擦は低減している。しかもそれが更にフランジが競り上がる上向きの力にならなければならない。まったく無関係のベクトルを脳内だけででっち上げているように見える。
曾根教授をアマチャと呼ぶほどの、桜井氏の画期的な脱線理論をお得意の理論的な技術解析でもって客観的な論文として示して欲しいものだ。
今回の事故後しばらくまで、桜井氏のブレーンとして働いていたであろう、佐藤国仁氏の論説(日経ものづくり 2005/06に依る)によれば、
- 右輪脱線痕が無い
- 線路左側架線柱に、車両が付けた損傷がある
- 相当の速度超過があった
ことにより、「脱線」ではない、としている。
曲線走行時の急ブレーキは乗り上がり脱線に影響を及ぼす。しかし曲線走行時の速度超過による車体の横転という現象に対しては、ブレーキをかけることにより車両が減速し事故のおそれが低下するだけのことだけである。
とあり、緊急ブレーキの前提が崩れている。
なお、佐藤国仁氏とは、後に車体強度の意見が対立。袂を分かつ事となる。
(佐藤国仁氏の見解は、こちら)
(追記)
クローズアップ2005:JR福知山線脱線(その2止) 遅延防止、社内で厳命
2005.04.26 毎日新聞朝刊
(桜井発言だけ)
技術評論家の桜井淳(きよし)さんは、運転士の経験の乏しさに注目する。「ベテラン運転士は直線区間でスピードを出して遅れを取り戻すが、この運転士はカーブで取り戻そうとしたのではないか。さらに急ブレーキをかけたため、車輪が止まって線路との摩擦が大きくなり、せりあがって脱線に結び付いた可能性がある」と推測する。
とあったが、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の中間報告では、ノーブレーキで脱線地点へ突っ込んでいき、しかも転覆に至るまで非常ブレーキはかけていなかった、とされる。
【参考】
(更に追記)
No.4302005年12月 カーブでブレーキをかけた時に受ける車両の回転力より。
4月25日に発生した尼崎脱線事故のように、電車がカーブのところでブレーキをかけると、車両に回転力が働く。尼崎の場合、車両の垂直座標系を中心に、進行方向に対して、反時計回りの回転力である。その結果、フランジとレール内面の摩擦力が大きくなる箇所が発生するのである。インターネットにもそのような解析結果が載っていた。名前は記されていなかったが、全体の議論の内容から推定すると、金沢工大の永瀬であろう。
永瀬教授が、どこでそのような発言をおこなったのか。参考文献のない論は採用出来かねる。そもそも、
尼崎脱線事故のように、電車がカーブのところでブレーキをかける
前提は無いのだが・・・・。
(参考:国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の中間報告)