桜井淳 発言研究まとめ@Wiki

下請に対する論評

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下請に対する論評

 これについての桜井氏の意見はただ一つ。
「民営化後の二十年間でJR全体では約三割鉄道関係従事者を減らした。そのことの弊害が噴出しているのだろう」と批判する。「特に保線関連は100%近く下請けに丸投げしており、線路という自分の体の一部なのに、障害が自分の脳には届いていない状態。トラブルが偶発的に重なっているとはいえないと思うし、重大な事故さえ懸念される」と警告する。(東京新聞 2006/05/13
 人員を増加すれば、事故は減る。そのデータは存在するか。

 国土交通省鉄道局の保有するデータの中に、同様に3割人員を削減した事を示すグラフが存在する。(pdf)国鉄改革について述べられたもので、国鉄職員は1980-1985に414千人から277千人に減少している。

 この間の事故件数はどうであったか。平成16年度鉄道事故等の発生状況について(pdf)に、もあるが決して増加はしていない。(踏切事故が鉄道事故の最大のものであり、踏切の整備が進むことによって減少するという側面はあることを無視してはならないが。)

 また、公共輸送の安全確保(pdf)(国土交通課(寺西香澄) 国立国会図書館ISSUEBRIEF NUMBER522(MAR.13.2006)においても、

1980年以降の鉄道運転事故22件数の推移(図2)を見ると、国鉄(JR)・民鉄とも減少傾向にあり、また、1987年の国鉄民営化や2000年の規制緩和の前後においても、大幅な変化は見られない。
次に、鉄道の重大事故件数(死傷者10人以上を生じた運転事故)の推移(図3)を見ると、国鉄民営化後の1988年から1990年にかけて、JRの重大事故件数が増加しているが、その後はおおむね減少傾向にあるといえる。特に1998年以降は、JRと民鉄で特段の差異はなく、また、件数も年1~2件と低水準で推移しており、規制緩和の影響を見出すことは難しい。
と述べられていて、民営化・規制緩和が即刻事故増加に直結すると考えられない、と論じている。

現代のアウシュヴィッツを見よ-恐るべき労災死亡者数-
において、
JRと左右労働組合は人命をどのように考えているのでしょうか。安全意識が低すぎます。
と労働組合の不手際を責めている。(余談ながら、星野芳郎氏も似たことを述べているが)氏が執拗とも言える頻度で述べている、

先に問題提起したJR民営化後の関連労災死亡者305名の内訳がわかりました。予想どおり、死亡者の80-90%は、下請・孫請であって、JR社員は少数です。少数と言っても、30-60名ですから、決して少なくはありません。
参考)の出所が、労働組合(千葉動労)なのだが。もっとも、雑誌「週刊金曜日」で座談会に応じた社員が書籍への再掲に際して匿名としたことについて、

結局、その3名は、座談会の内容を単行本に収録する段階になり、恫喝に屈してしまった結果、本名でなく、匿名にしてしまいました。何と女々しいことか。

私は、彼らの話の内容を聞き、確かに保線作業に長く従事している現場の人間であることはわかりましたが、問題提起の内容は、単なる断片的な現象にすぎず、問題点を技術基準とか、設計条件を基に議論するという、専門的なエンジニアリングの知識がないことに気付きました。

と、「当局の恫喝に屈するとは何事か」「エンジニアリングの知識がない」と、あっさりと切り捨ててしまっている(参考)。

 昔は、保線作業をJRの社員が行っておりましたが、最近では、ほとんど、JRの子会社か下請会社に丸投げしてしまい、技術もなく、品質管理能力もない、手足としての作業者によって保線作業がなされており、JRの社員は、現場監督どころか、問題の把握すらできていないのが現状です。
参考)なる発言にいたっては、
  • JR職員が直接保線をやればミス撲滅もしくは減るとしているが、その根拠は何であろうか。
  • 下請=技術・品質管理能力のない作業員を使っている=問題把握も出来ない、というのは、何よりも、下請け業者に対する大変な侮辱である。
 当初、「話にならないくらい低レベルなJRの安全意識」の中において、

電車は、昼夜の保線作業によって、安全に運行できますが、保線作業者に対する世間の目は、冷ややかです。JR東日本のひとからこんなことを聞きました。山手線の保線作業者は、昼間、駅のホーム近くで作業することを極度に嫌うというのです。それは、ホームにいる子供連れの母親が、保線作業者を指差し、「勉強しないとああいうおじさんになってしまうから、塾へ行って一生懸命勉強しなさい」と。

それでは子供は素直に育たないでしょう。なぜ、「あのひとたちのおかげで安心して電車に乗れ、塾に通えるのですよ」と子供に語りかけられなかったのだろうか。保線作業というのは非常に重要な作業なのです。社会はそのような認識を持つことから始めなければなりません。これは安全論のイロハですから。

という発言があり、感心はしていたが、どうやら桜井氏のメンタリティはその母親と同等・・いや差別主義発言の数々から鑑みて、それ以上の侮辱だ。
桜井氏の発言は、下請の保線作業者に対して、「あのひとたちのおかげで安心して電車に乗れるのですよ」という労わりの気持ちどころか、このようなことを言う母親の後ろから保線作業者に向かって石を投げつけているようなものなのである。

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