桜井淳 発言研究まとめ@Wiki

新幹線「脱線・転覆」寸前!(Ⅱ)-16年間の問題意識-の検証

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新幹線「脱線・転覆」寸前!(Ⅱ)-16年間の問題意識-の検証

 今までの新幹線・鉄道危険論の総蔵出しのようなエントリではあるが。

私が最初に論文を執筆した16年前には、新幹線脱線・転覆論は非常識論であったが、いまでは確実に常識論になっている。その証拠に、国土交通省とJR関係者で構成する新幹線脱線防止協議会は、脱線防止(正確には「脱線後逸脱防止」)ガードレールを設けることを決定している。この脱線防止ガードレールは、2本のレールのすぐ内側か外側に平行に2本のレールのような構造物を設けるのであるが、具体的な構造については、今後、JR総研で実施する実験によって決定されることになっている(朝日新聞、2005年1月26日付朝刊)。

 データ古すぎ。国土交通省・第8回新幹線脱線対策協議会の概要についてによれば、すでにJR東日本・東海両社で実験を開始している。
ついでに記せば、ガードレール式は東海道のみにおいて実験するそうで、これは軌道がバラストな故なのかもしれないが、そのあたりは証拠見つからないし、本題ではない。

(台車・車体側に金具を用意するのは、両社共通)

実際には、現実的な脱線・転覆事故を想定した車両設計まで考慮しなければならない。本論文において、車両設計の見直しについても提案したい。

 さっぱりと現実味のある提案がないのだけど。
東海道新幹線は、1時間に8本発車しているため、東海地震で大きな影響を受ける東京と名古屋間には、下り16本、上り16本の計32本が走行中になるが、そのうち何編成が脱線・転覆するか、起きてみなければ誰にも確実なことは推定できないだろう。
 時刻表も読んでいないようである。東海道新幹線は、東京駅においては最大13本/時発車してるのだけど。
2「とき325号」が脱線・転覆しなかった要因
に付いては・・本wikiにおける「新潟県中越地震関連発言」で反論を加えてあるが、まんまそれと同じ事の繰り返しで、リソースの無駄遣いになる。

参考1  
現在、JR西日本は、700系を利用して時速350キロの営業運転を目指して試験走行中である。
 時速350キロでの営業運転を目指す・・それ、東日本のFASTECH360シリーズですが。
(追記)
 西日本で350km/h走行試験をしたのは、500系の基礎になった、WIN350。たしかに、桜井氏とSTAR21との写真があったから、あるいはその時の記憶が残っていたのかも。また、現在試験中のN700系との混乱があったのではないか。
巨大技術の中でいちばんきびしい設計条件を課せられているのは航空機であり、安全係数は1.5までしか許されない。機体構造は、運行中に想定される最大荷重の1.5倍加重に3秒間耐えられればよいことになっている(加藤寛一郎『墜落(第二巻)新システムの悪夢』、講談社、23-24頁、2001)。安全係数を大きく見込み、機体の総重量が増せば、効率的で経済的な運行が実現できなくなってしまう。そのため、リスクを覚悟して、安全係数をギリギリ小さくしているのである。航空機は余分の強度を持ってはいけないのである。極限的な設計を行うのが航空機設計の特徴である(前出文献、24頁)。航空機は、空を飛ぶ構造物であり、他に代替手段がなければ、そのことを受容し、保険をかけて利用する以外に方法がない。といっても、私は、いまの航空機の設計法や安全係数の設定に満足しているわけではなく、異常着陸や事故を想定し、乗客・乗員の被害を軽減できる工学的安全対策には、まだまだ、考慮すべきことが多いように思える。

いっぽう、地上に設置される原発では、原子炉や炉内構造物等の大型機器のように、安全係数3までの非常に大きな余裕が見込まれている。新たな技術には、まだ十分にわからないことがあるため、また、潜在的危険性を有する技術を商業利用するため、大きな安全係数を見込まざるをえない事情がある。
 桜井氏は、「安全係数」に対してダブルスタンダードを用いている。
乗り物にどれだけ「安全」のための部品を積んでいるかを示す数値(すうち)として「安全係数(けいすう)」というものがあります。乗り物をただ動かすだけに必要(ひつよう)な部品の重さを「1」とした場合、免許(めんきょ)さえあればだれでも運転(うんてん)することができる自動車は、その「8」倍もの重さの安全部品を積んでいます。プロの運転士が運転する電車は「4」倍だそうです。

しかし、飛行機は「1・5」倍。これは、安全のためにといろいろな部品をどんどん積んでしまうと、逆に重くなりすぎて、飛べなくなってしまうからです。(参考

で、一体構造物である原子力発電所の安全係数と比較するのに、どんな意味があるのか?クレーンワイヤーについては、(安全係数=破断に至らない荷重を設けるための係数)6が設定されており、また、先の乗り物の安全係数でいうと電車は4。原発の安全係数3とは、ずいぶん危険なシロモノだ(という勘違いを生みやすい。)
尼崎脱線事故の時、元東急車輛エンジニアの佐藤国仁は、「自動車で時速100キロで衝突したら助からないのと同様、在来線の電車もその速度では助からないため、車両設計の改善を考慮するというのは、的外れであり、事故が起らないようにすべきである」と主張した。畑村洋太郎も前出論文で工学的改善策はないと主張をしている。しかし、私は、彼らとは異なった安全哲学を持っている。自動車技術の発展に見るように、改善しようと意図したら、いくらでも可能な商業技術は転がっているように思えるのだ。尼崎脱線事故の時、大部分の専門家は、車両設計に改善策はないと解釈できる言動であった。
 もう一回引用するか。「ひっくり返っても大丈夫な電車を作ることではなくて、ひっくり返らない、きちんと止まれるシステムを作る事が重要だ」と言っているのだが。また、安全係数が低い=危険というわけではなく、
そのかわり、飛行機は自動車や電車よりはるかに厳(きび)しい点検(てんけん)を受けています。例えば、エンジンは一定の時間がたつと、外して分解(ぶんかい)そうじをしています。

 それでも空を飛んでいる時に、部品が壊れても大丈夫なよう、エンジンなどの重要(じゅうよう)な部品は、必ず二つずつ積むようにしています。

 パイロットも、機長(きちょう)と副操縦士(ふくそうじゅうし)の2人。何時間も飛び続ける国際(こくさい)線の場合、同じものを食べて、おなかが痛(いた)くなったりすることのないよう、2人の食事は必ず違うメニューのものを食べる決まりになっています。(参考)

 で、安全係数8の自動車の方が、事故数では多いわけですね。

「のぞみ」300系の車両重量は旧型鉄製車両の約60トンから約43トンに軽量化された。最新鋭の500系と700系は、平均約44トンとされている(JR西日本、2005年9月14日)。大型ジャンボ機B747シリーズには総重量が約400トン(日本航空「航空機整備のしくみ」、1987年版)のものもあるため、700系の10両分に匹敵する。この比較から、新幹線は、すでに航空機並みの設計条件に近くなっていることがわかる。
 重量が一緒なら強度も一緒という基本的勘違い。オマケにジャンボのスペックを完全に読み間違っている。400トンは最大離陸重量で、空虚重量(本体重量)180.8トン。参考
物理学者の論理を押し付けたくはありませんが、間違った現象記述どころか、たった一語の用語の使用ミスでも受け入れられないくらい不快なものです。(参考
ここは笑うところですか?!
トンネル内で脱線すると、ドイツ新幹線ICEのように田園地帯を転がるのと異なり、尼崎脱線事故の2両目のように、剛体に時速300キロの運動体が激突することになり、最も多くの死傷者が生じることになる。
 ドイツICE、エシュデの事故は決して田園地帯を転がった物ではないのだけどなぁ・・。(参考1  )また、ぶつかる場所が尼崎の事故の場合、最も弱い側面部分でこれと正面衝突とと比較をどうすれば・・?
そのため、もう少し具体的な条件を設けて推定してみることにする。少なめに見積もって走行中の1割の3編成が脱線・転覆し、1編成当たり乗客の3割が死亡し、残りが重軽傷を負うとすれば、死亡者1350名、負傷者3150名となる。かなり現実的に、1編成当たり、6割が死亡し、残りが負傷するとすれば、死亡者2700名負傷者1800名となる。実際には、脱線転覆した新幹線に対向車線の新幹線が複合脱線・転覆するため、これらの数字はまだまだひかえである。
 何がどう「現実的に」死傷者を見積もったのか。乗車率(繁忙期か閑散期か)・時間帯等々が示されない以上、「妄想」。また、地震のによる脱線は「地震の震動」という単体の原因であり、これを複合脱線などと言うことはない。どうやら「複合脱線」というと語感が格好いい、というわけか。
いまの車両の構造設計は、航空機の胴体の設計と同様、鳥かごのような構造になっている。300系、500系、700系の車両構造図からわかるとおり、縦横に組まれたアルミニウム構造材に厚さ2-3ミリ(外壁厚さについて、JR東海とJR西日本は、非公開データとして、具体的な回答を避けた。2005年9月21日)のアルミニウム板の外壁を取り付けただけである
 この論拠として、アルミ圧延品ポケットブック2005鉄道車両の項目を使ったが、実はこれは桜井氏発言の反論として当wikiが用意した物である。謝辞くらい書いたらどうであろうか(笑)。(参考
 ついでに、300・500・700系の構造がみんな一緒とは、桜井氏は構造工学に関しては素人であることを露呈している。(
300がシングルスキン・700がダブルスキン・500系はアルミハニカムパネル
窓は大きい。乗客のために視界をよくしておくことはよいことだが、通常時は問題ないものの、事故時、特に脱線・転覆時には、車外から鋭い構造物等が突き刺さり、ガラス窓では防ぎようがなく、乗客を串刺しにし、結果として、多くの死傷者につながりかねない。
 窓のない電車を作れ。車内環境や換気に問題が出そうだな。また、300系と700Nとの窓の大きさの比較を真面目にした様子もない。
このままいつまでも高速化できるものではなく、リスク・ベネフィトを考慮した場合、どの程度の速度で妥協すべきであるか、検討すべきである。
 日比谷線でもあれだけの低速で死者が出たわけだから、妥協点は得られるのであろうか?これと同じミスは毎日新聞がやってしまったが。
脱線後逸脱防止ガードレールの設置等、私が16年前に提案したことが、徐々に実現しつつある。
 新幹線本には、どこにも書いていない。それでは提案は「脳内」であろう。もっとも検証しようにも、その新幹線本は2冊とも絶版であり、図書館でもない限り厳しいけど。
86 Name: SunnySide ◆lWWrnN8ios [sage] Date: 2006/02/23(木) 18:24:44
>>84
> 機密データでわからないとお茶濁しまくってます。
 私、その機密データ(笑)を入手しました。
 社団法人アルミニウム協会の「アルミ圧延品ポケットブック2005」の鉄道車両
ttp://www.aluminum.or.jp/kiso/pocket-book/pdf/2_8a.pdf
で、
300系がP139(pdfではp3)に示されているとおり、tが厚さで2.3~3ミリ。側はり5ミリ。
500系はp141(同p7)のとおり幕板2ミリ、側壁は3センチ(アルミハニカムパネル)。

ついでにダブルスキンはTGVデュプレックスでも使ってるのだが。
ttp://2.ql.bz/~just-r/data/jr/euro1.html 

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